Go to SCOTLAND LINKS−リンクスランドへ
ゴルファーなら誰もが憧れるゴルフ発祥の地、スコットランド。
漁を終えた漁師の娯楽が起源となったともいわれるゴルフ。
その舞台となった海岸線に隣接した自然の地形を生かしたコース、リンクス。
悠久の時を経ても変わらぬゴルフの原風景、潮の香り、風、人々との出会いを求めてゴルフの聖地を巡る旅に。
セント・アンドリュース・リンクス オールドコース
St.ANDREWS LINKS OLD COURSE
7305yds PAR72
世界中のゴルファーが一度はプレーを夢見る“ホーム・オブ・ゴルフ” は、現在も5年に一度全英オープンが開催される特別な地。
2ホールが共有するグリーン、18番の名物スウィルカン橋、ホテル越えの17番にあるトミーズバンカーにR&Aなどゴルフ史に刻まれる伝説的なスポットが随所に。
セント・アンドリュースでは欧州ツアー「アルフレッド・ダンヒルリンクス選手権」の会場でもある。
昨年はローリー・マキロイと父のジェリーがペアを組んで出場した。
17番ホール右にある有名なオールドコースホテル。
そしてゴルフの総本山「R&A」だ。
トランプターンベリー エイルサ
Trump Turnberry The Ailsa
6474yds PAR71
114年の歴史を感じるクライド湾に面した美しい名コース
スコットランド西海岸にある1906年開場のラグジュアリーなコースは、過去4度全英オープンの開催コースとなっている。
4番から11番までがクライド湾に面した美しい景観を誇り、灯台を臨む9番の海越えが名物。
灯台はカフェ兼宿泊施設でもある。オーナーが米国のトランプ氏となった事でエイルサとキンタイヤー、両コース共に改修を受けた。
2014年、ドナルド・トランプ氏はターンベリーを買収。
全英オープン開催コースの一つとして知られているが、トランプ氏が所有するようになってからは全英オープンのローテーションからは外れている。
プレストウィックゴルフクラブ
PRESTWICK GOLF CLUB
6908yds PAR71
全英オープン発祥の地は難易度が高めのタフなコース
1851年開場の同クラブは1860年に12ホールで第1回のThe OPENが開催され、通算24回開催地となった全英オープン発祥の地。
コース内には第1回全英オープンの記念碑などがありゴルフの歴史に触れられる。
平坦な典型的なリンクスだがスタイミーでブッシュも多く難易度は高め。
「Alps」の名をもつ写真の17番PAR4はグリーン手前に小高い山があり、ブラインドのアプローチが要求される。
プレストウィックGCは、スコットランド西海岸にあり、全英オープンでおなじみのロイヤルトゥルーンの隣に位置するコース。
クラブハウス内に入ると、全英オープンの歴史を感じることができる多くの展示物が飾られている。
カーヌスティゴルフリンクス
CARNOUSTIE GOLF LINKS
6945yds PAR72
バンデベルデの悲劇で有名な、世界最難関の全英オープンコース
1850年開場。過去7回全英オープンを開催し、“世界で最も難しいコース” とも称される。
狭くうねるフェアウェイ、深いブッシュ、巨大なバンカーに加え、「バリーバーン」と呼ばれるクリークがさらに難易度を高めている。
6番は「Hogans Alley」と呼ばれ、1953年大会でベン・ホーガンが左のOBと右のバンカーの間に正確にボールを放ち、4日間連続のバーディで優勝した事でその名がつけられている。
カーヌスティといえば、「バリーバーン」という小川が、コースの難易度をさらに上げている。
99年の全英オープンではジャン・バンデベルデがこの「バリーバーン」に打ち込み、優勝を逃した悲劇が有名だ。
ノースベリック ゴルフクラブ
North Berwick Golf Club
6509yds PAR71
世界中のゴルフ設計家が手本とした「レダン」はノースベリックが発祥の地
1832年設立の歴史あるクラブは全英オープンの予選開場ともなっている。
北海を臨むスタートホールでは美しい海岸線に目を奪われるが、400年前に牧羊のために作られた石垣がグリーンを遮る13番の「Pit」や、世界のコース設計に多大な影響与えたといわれる15番PAR3の「Redan(要塞)」など、難関ホールが並ぶ。
コース周辺は住民の散歩コースになっている上、19世紀に女性や子供のために設立されたコースも備える。
Pitと呼ばれる石垣を越えてグリーンを狙う13番ホール。
15番ホールは「レダン」と呼ばれ世界で最もコピーされているホールだ。
マッセルバラ ゴルフクラブ
Musselburgh Golf Club
6725yds PAR71
木々にセパレートされたスコットランドらしからぬ林間コース
全英オープンの開催コース、マッセルバラリンクスをホームコースにしていたクラブが、他とは異なるコースを目指して1938年に開場。
2010~2013年には全英オープンの予選会も開かれた。
シーサイドでなく、コースを木々でセパレートした18ホールはスコットランドには珍しいタイプのコースだ。
リンクスに比べてフェアウェイは広く、林から突き出た教会や、コースが楽しめる。
近隣にはマッセルバラリンクスがあり、1874年〜1889年までの間に過去6回、全英オープンが開催された。
マッセルバラ出身の5人の選手の顔がクラブハウスの壁に彫刻されている。
リンクスゴルフの常識
Links golf common sense
リンクスでプレーする前に、押さえておきたい常識をおさらい。
基本的には日本でのプレーと大きな差はないので安心だ。
セントアンドリュース オールドコースを回りたい
1)抽選(バロット)で申し込む
オールドコースでは「バロット」と呼ばれる抽選枠でのプレーが用意されている。電話かセントアンドリュースのクラブハウスへ直接申し込む。
2)来年度分の抽選に申込む
オールドコースでの通常のプレー予約は一年に一度。次年度分を8月に受け付けている。
3)ティーオフ前に並んで待つ
プレーを希望する当日、スタート前の早朝にスターター横の「オールドコースパビリオン」に並んで申し込む。
4)オールドコースエクスペリエンス
ホテル宿泊などとセットになった「オールドコースエクスペリエンス」ならプレーが保証される。
1日2ラウンドしたい
白夜で知られるイギリス。夏なら夜の9時でも夕暮れ前のような明るさ。最終スタートが18時ぐらいまでOKというコースもあるので、十分に可能だ。
英語のハンディキャップ証明が必要
一部のリンクスではハンディキャップ証明の提示(英語での表記)が必要となる。
特に全英オープン開催コースでのプレーを希望するなら持参しておきたい。
キャディを付けたい
ホール毎に木々でセパレートされていないリンクスでは、初めて回るコースならキャディ付きでのプレーが安心。
コースにより異なるが概ね£50ほど。これにキャディ本人に渡すチップも別途必要。
Photo/ Toshiyasu Uchida Getty Images
*この記事は『EVEN』で掲載された記事をもとに再構成しています。