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【プレジデンツカップ2019】タイガー・ウッズが3日目までリードしていた世界選抜の優勝を阻む!

©Eiko Oizumi

2019年のプレジデンツカップの舞台は、1998年に唯一世界選抜チームが優勝したロイヤル・メルボルンGC。

21年ぶりの悲願の優勝を目指して3日目までは非常にいい試合運びでリードしていたが、最終日のシングルス戦で大逆転。

一体何が起こったのだろうか?

バハマからやってきた米国選抜に襲ったもの

1994年に始まったプレジデンツカップも今回で13回目。

過去、米国選抜10勝、世界選抜1勝、1引き分けと米国の圧勝に終わっているが、キャプテンもタイガー・ウッズとアーニー・エルスに代わり、フレッシュな印象のメンバー編成に変わった。

特に世界選抜のエルスは平均年齢29歳という非常に若い選手たちを率いて、フォーボール、フォーサムという今まで苦手としていたフォーマットを克服。
3日目を終えて世界選抜がリードして最終日を迎えた。

だが、眠れる獅子が目を覚ましたのだろうか?

シングルス戦では全12マッチのうち6マッチで勝利し、4マッチで引き分け。

あっという間に世界選抜は形勢が不利になり、結果は米国選抜16ポイント、世界選抜14ポイントと2ポイント差で米国に逆転優勝を許した。

米国選抜、逆転V!タイガー・ウッズキャプテン自ら意地の無敗!

プレジデンツカップの前週は、バハマでタイガーがホストを務める「ヒーロー・ワールドチャレンジ」が開催され、米国選抜のほとんどの選手がバハマの試合に出場していた。

チャーター機でメルボルン入りしたが、26時間のロングフライトに16時間の時差は、旅慣れない彼らに予想外の疲労感と時差ボケをもたらしたようだ。

週末に入りようやく体調が戻ってくると、彼らも本領発揮。
今まで負け続けていたマッチでの悔しさを晴らすかのように最終日に爆発し、プレジデンツカップ優勝。

タイガーキャプテンのために米国も必死でカップを手繰り寄せた。

©Eiko Oizumi

2日目のマッチで松山英樹&アン・ビョンフン組は米国最強のタッグ、タイガー・ウッズ&ジャスティン・トーマス組と最後まで好戦。残念ながら最終ホールで1DOWNに終わった。

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「ボクたちの米国チームが今年も勝ったよ!」と満面の笑みを見せるタイガー・ウッズ。

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米国選抜のプレーイングキャプテン、タイガー・ウッズ(右)と世界選抜キャプテンのアーニー・エルス(左)。

©Eiko Oizumi

今大会で13戦11勝1引き分けと8割強の勝率を誇る米国選抜が、シングルス戦で世界選抜を猛追し、逆転優勝を果たした。

©getty image

タイガーにぴったり寄り添うガールフレンドのエリカ・ハーマンさん。素っ気ないタイガーの態度と対照的で面白い。

©getty image

2日目のフォーサムで松山英樹&A・ビョンフンと対戦していたT・ウッズ&J・トーマス。最終ホールでトーマスの長めのパットが決まり米国1UP。タイガーの歓喜が爆発!

2019プレジデンツカップ 全成績

米国選抜 16:14 世界選抜

●1日目フォーボール
(1チーム2人でそれぞれ自分のボールでプレー、いい方のスコアを採用)
米国1勝:世界4勝

T・ウッズ&J・トーマス4&3J・ニーマン&M・リーシュマン
P・キャントレー&X・シャウフェレ1UPI・ソンジェ&A・ハドウィン
T・フィナウ&B・デシャンボー2&1A・ビョンフン&A・スコット
P・リード&W・シンプソン1UPC・T・パン&松山英樹
G・ウッドランド&D・ジョンソン4&3L・ウーストハイゼン&A・アンサー

●2日目フォーサム
(1チーム2人で1つのボールを交互にプレー)
米国2勝:世界2勝 1引き分け

M・クーチャー&D・ジョンソン3&2A・スコット&L・ウーストハイゼン
P・キャントレー&X・シャウフェレ1UPJ・ニーマン&A・ハドウィン
P・リード&W・シンプソン3&2A・アンサー&M・リーシュマン
T・ウッズ&J・トーマス1UP松山英樹&A・ビョンフン
R・ファウラー&G・ウッドランド引き分けC・スミス& I・ソンジェ

●3日目フォーボール
米国1勝:世界2勝1引き分け

R・ファウラー&J・トーマス3&2L・ハオトン&M・リーシュマン
P・キャントレー&X・シャウフェレ3&2A・アンサー&I・ソンジェ
W・シンプソン&P・リード5&3松山英樹&C・T・パン
T・フィナウ&M・クーチャー引き分けA・ビョンフン&A・スコット

●3日目フォーサム
米国2勝:世界0勝2引き分け

G・ウッドランド&D・ジョンソン2&1A・スコット&L・ウーストハイゼン
R・ファウラー&J・トーマス引き分けA・アンサー&M・リーシュマン
P・キャントレー&X・シャウフェレ2&1I・ソンジェ&C・スミス
T・フィナウ&M・クーチャー引き分けJ・ニーマン&A・ビョンフ

●4日目 シングルス
米国6勝:世界2勝4引き分け

T・ウッズ3&2A・アンサー
T・フィナウ引き分け松山英樹
P・リード4&2C・T・パン
D・ジョンソン4&3L・ハオトン
B・デシャンボー引き分けA・ハドウィン
G・ウッドランド4&3I・ソンジェ
P・キャントレー3&2J・ニーマン
X・シャウフェレ2&1A・スコット
W・シンプソン2&1A・ビョンフン
J・トーマス2&1C・スミス
M・クーチャー引き分けL・ウーストハイゼン
R・ファウラー引き分けM・リーシュマン

BESTランキング

1)無敗のプレーヤー
タイガー・ウッズ(3勝0敗)、
リッキー・ファウラー(1勝0敗、3引き分け)

2)最多出場 9回
タイガー・ウッズ、アダム・スコット

3)ベストルーキー
米国:X・シャウフェレ&P・キャントレー(3勝2敗)
世界:I・ソンジェ&A・アンサー(3勝1敗1引き分け)

プレジデンツカップヒストリー

開催年成績開催ゴルフ場(国)
1994年米国20:世界12 ロバート・トレント・ジョーンズGC(米)
1996年 米国16.5 :世界15.5 ロバート・トレント・ジョーンズGC(米)
1998年 世界20.5:米国11.5 ロイヤルメルボルンGC(豪)
2000年 米国21.5 : 世界10.5 ロバート・トレント・ジョーンズGC(米)
2003年 世界17 引き分け 米国17 ファンコートホテル&CC(南ア)
2005年 米国18.5:世界 15.5 ロバート・トレント・ジョーンズGC(米)
2007年 米国19.5:世界14.5 ロイヤルモントリオールGC(加)
2009年 米国19.5:世界14.5 ハーディングパークGC(米)
2011年 米国19:世界15 ロイヤルメルボルンGC(豪)
2013年 米国18.5:世界15.5 ミュアフィールドビレッジGC(米)
2015年 米国15.5:世界14.5 ジャック・ニクラス・コリア(韓国)
2017年 米国19:世界11 リバティナショナルGC(米)
2019年 米国16:世界14 ロイヤルメルボルンGC(豪)

アーニー・エルス勝利への野望と計算

©getty image

今回も世界選抜は負けてしまったが、随所にエルスキャプテンの采配が光った。
エルス率いる世界選抜勝利のために何が必要なのだろうか?

世界選抜は負けたけどキャプテンぶりはタイガーより上だった!

丸山茂樹が5戦全勝を挙げ、世界選抜の優勝に大いに貢献した98年のプレジデンツカップ。
あれから21年経つが、優勝に飢えた世界選抜は、アーニー・エルスを主将に据え、各選手のデータをもとに緻密にペアリングなどを考えていた。

エルスははっきりしたことは明らかにしなかったが、大会前からデータに基づく作戦を考えていると語っており、今までは同じ言葉を話す者同士を組ませておけばいいとか、初心者はベテランと回ればいい、あるいは選手同士の相性という曖昧な理由だけで決められていた組み合わせを、選手たちの緻密なデータを分析して作戦を立てていたのだ。

実際、その作戦はうまくいっているように見えたが、最終日の崩落は、時差ボケから完全回復した米国が本領を発揮し、世界ランク通りのプレーができるようになったからかもしれない。

米国仕切りの大会では世界選抜は不利

また、エルスは「プレジデンツカップの管轄は米国のPGAツアー。
ライダーカップはPGA・オブ・アメリカとヨーロピアンツアーの2つの協会によって運営されているが、自分たちにも独自にルールを作り、自分たちのやり方で運営できるものが欲しい」と語る。

これは世界各国に散らばる世界選抜チームにとって容易にできるものではないかもしれないが、米国のやり方で仕切られっぱなしの大会では不利というのも頷ける話だ。

アーニー・エルスは「我々世界選抜も、自分たちでルールを作ったり、独自のやり方ができる何かを持たないといけない」と語っている。

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松山英樹&C・T・パンチームが米国選抜チームを破った瞬間、喜びのガッツポーズを繰り出した世界選抜キャプテン&副キャプテンたち。

©Eiko Oizumi

米国チームの優勝が決まり、固い握手を交わしたエルス(左)とタイガー(右)。

©Eiko Oizumi

表彰式が始まる前、エルスは皆を集めて円陣を組み、次回こそは優勝しようと反省会を行なっていた。彼らの本気度が伺える。

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世界選抜の奥さん&ガールフレンドたちと自撮り。今回は選手も若ければ奥さんやガールフレンドも若かった。

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「頑張って行ってこい!」とエルスに励ましを受ける松山英樹。

©Eiko Oizumi

出場回数9回のアダム・スコット(右)は、今や世界選抜チームの番頭格。エルスの指示に従い、チームをまとめる。

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大会中3勝を挙げたエイブラハム・アンサー(左)の労をねぎらうエルス。

©Eiko Oizumi

老眼鏡をかけながら、副キャプテンのK・J・チョイ、マイク・ウィアらとペアリングを考えるエルス。

©Eiko Oizumi

夫エルスのキャプテンとしての活躍を支え、選手の妻&ガールフレンドたちのビッグママ的な存在だったリズル夫人。

O嬢日記@プレジデンツカップ

プレジデンツカップになると気になること。

こういう大会は、勝負の行方も気になるところだが、選手たちの奥さんや彼女はどんな人たちなのか? 奥さんが変わったりしていないか?という下世話な考えが頭をよぎる。

長年取材してきて思うのは、米国チームはダスティン・ジョンソンのフィアンセ、ポーリナさんのようにブロンドの細身美女が多いのに対し、世界選抜はアジア、南ア、豪州、ラテン出身の個性的な女性が多く、一般的にフレンドリー。

米国チームにもエイミー・ミケルソンという非常にフレンドリーで人間的にも素晴らしい人がいるが、今年はフィル・ミケルソンが出場できなかったため、彼女の姿がなかったのは残念だ。

チェックした限り、主だった選手で変更点はなし(笑)

個人的には、ザンダーの彼女で友人のマヤちゃんがプレジデンツカップデビューを果たしたのが嬉しい話題だった。

O嬢(大泉英子)

国内男子、海外ツアー取材を主に担当し、男・女・シニア海外メジャー取材は100試合超。
現在はフリーで活動中。 全米ゴルフ記者協会会員。

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