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【世界のゴルフ通信】From Latin
ラテンゴルフも本格始動

ラテンの女子アマゴルフが大きく飛躍

女子アマ・ラテンアメリカ選手権 優勝 バレリー・プラタ(コロンビア)

 コロンビアの女子アマ、バレリー・プラタが、「女子アマ・ラテンアメリカ選手権」で優勝した。この大会は今回が初開催で、R
&Aとアニカ(ソレンスタム)ファンデーションによる共催試合である。プラタはこの勝利で2022年の「AIG全英女子オープン」「アムンディ・エビアン選手権」「全英女子アマ」、そして「ヒルトン・グランドバケーションズ・アニカインビテーショナル」への出場権を獲得した。

 全出場選手中、大会前のランキングで2位だった彼女は、「幸せで、まだ自分が何をしたのか、この勝利がどれほどすばらしいのか実感がありません」と興奮気味に語った。「大幅にスイング改造しましたが、これが今回優勝できたカギだと思います。いつかは1試合でいいからメジャーでプレーしたいと常に夢見てきましたが、今大会で優勝したことで2つのメジャーに参戦できるようになりました」と、ミシガン州立大学生であるプラタは付け加えた。

 プラタは開催コースのピラーGCでスリリングな優勝争いの末、同じくコロンビア人のマリア・ホセ・マリン・ネグレテに1打差で勝利。12アンダー(トータル276)のスコアで、「女子アマ・ラテンアメリカ選手権」で初の優勝者となった。4ラウンド中、アンダーパーでプレーできたのは、このコロンビア人2人だけだった。プラタとマリン・ネグレテの両選手は、次回の「南米アマチュア選手権」に招待されることになっている。

15歳のマリア・ホセ・マリン・ネグレテが最終日、2打差の首位でスタートしたが、バレリー・プラタに逆転された。

 第1回「女子アマ・ラテンアメリカ」が終了したが、この試合は間違いなく、女子アマゴルフ史において重要なカギとなるだろう。アニカ・ソレンスタムは、「人が同じ目的を持ち、同じ情熱を持って集結した時、何か特別なものを生み出すものですが、それがこの試合で起きているのです」と述べていた。今回参戦した58人の選手たちだけではなく、このスポーツに足跡を残すことを夢見ている何千人もの女性たちにとって、この試合がどのような意味を持つのか、が完璧に要約された文言だ。

PGAツアー・ラテンアメリカ
ロゴも刷新し、スタート

メキシコツアーの試合で2位に入賞したイシドロ・ベニテス。初日に63の好スコアをマークしたが、最終的には15位タイで終了。

PGAツアー・ラテンアメリカは、予選会4試合を終え、2021~22年シーズンに向けて第一歩を踏み出した。このうちの2つの予選会はラテンアメリカで、残りの2試合はアメリカで開催され、その予選会の後に、開幕戦「115 VISA・アルゼンチンオープン」(ブエノスアイレス)が12月2~5日に開催された。選手たちは今季から、2021~22年のシーズンを通してトータルプレーがスポンサーを務め、ポイント制で争われる「トータルプレーカップ」で競い合う。ちなみにトータルプレーとは、メキシコの企業数社によって設立されたコングロマリットの「グルーポ・サリナス」グループの一つだ。

 シーズン前の各予選会は予選落ちなしの72ホールで行なわれ、各予選会の優勝者は1年間のシード権を獲得。つまり、PGAラテンアメリカツアーの全試合でプレーできる。各予選会を2位~12位で終了した選手たちは、シーズン前半のシード権、13~40位タイで終了した選手たちは条件付きの出場権が与えられる。
 11月初旬にフロリダで開催された最初の予選会では、アルゼンチンの最も前途有望な選手の1人、アベル・ガレゴスが出場していたが、運悪く36位タイで終了し、条件付きの出場権を得るだけにとどまった。2020年にアルゼンチンで開催された予選会で勝利したアルバロ・オルティスの足跡をたどることはできなかったが、イシドロ・ベニテスも初日好スコアをマークしたにもかかわらず、フルシードとはならなかった。

 各予選会の優勝者で、フルシードを獲得した選手は、デビッド・ショア、デレク・カスティーヨ、ブレイク・ワゴナー、ジョン・ヒルの4人である。
 今季のPGAツアー・ラテンアメリカの試合数は12試合で、7か国で開催される。アルゼンチンで12月から始まり、2022年6月まで続く。また、これは「トータルプレーカップ」の初年度でもあり、ポイント競争の末、1位になった選手は来シーズンのコーンフェリーツアー(PGAツアーの下部ツアー)への出場権が得られるのだ。

 また、PGAツアー・ラテンアメリカは10シーズン目のスタートを祝い、同ツアーのロゴを刷新した。
 PGAツアー・ラテンアメリカは昨年7月、新型コロナウイルスのパンデミックによって延長された19か月にわたる2020~21年シーズンを終えた。そして今シーズンは12月の「VISA・アルゼンチンオープン」からスタートし、翌週には「チリオープン」がサンティアゴで開催。これら2試合の後、ツアーは10週間の休止期間に入り、2022年2月にメキシコで2試合続けて開催される。その後ツアーは、アルゼンチンで2試合開催。さらにブラジル、ペルー、エクアドルに移り、その次の2試合はコロンビアで開催される。シーズン最終戦はメキシコで行なわれ、「トータルプレーカップ」ランキング・トップ60の選手たちが「P
GAツアー・ラテンアメリカ・ツアー選手権」で戦う。2年連続で中米の国がシーズンの最終戦を主催することになる。

カリブ海のゴルフパラダイスでオーガスタ行きの切符を掴む

「ラテンアメリカ・アマチュア選手権」を開催する予定のカサ・デ・カンポ・リゾート&ビラ。

 カリブ海で最高のラグジュアリーゴルフを体験できるカサ・デ・カンポ・リゾート&ビラで、2022年1月20~23日、「ラテンアメリカ・アマチュア選手権(LAAC)」が開催。舞台はピート・ダイ設計のティース・オブ・ザ・ドッグ。この号が発売される頃にはすでに結果が出ているが、詳細は次号でお伝えする。

Text/Isabel Trillo Amores

イサベル・トリロ・アモーレス(スペイン)
PGA・オブ・スペインのコミュニケーションディレクター。80年代後半からゴルフ取材を始め、その数は世界250試合以上。ゴルフのラジオ番組も手がける。

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