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【私の愛したゴルフコース】第3回ロイヤル・セン トジョージズゴルフクラブ(イギリス)

世界のゴルフフォトグラファーの第一人者として今も第一線で活躍するデビッド・キャノン。

彼のファインダーを通して切り取られた世界のゴルフコースの数々は、まるで宝石箱のジュエリーのように一つ一つが個性豊かに輝いている。

世界のゴルフフォトグラファーの巨匠「デビッド・キャノン」の私の愛したゴルフコース、第3回はロイヤル・セン トジョージズゴルフクラブ(イギリス)を紹介する。

©Getty Images

ROYAL ST.GE ORGE’S GC

ロイヤル·セントジョージズGCは全英オープンの会場の中で最も南にあり、ロンドン中心部から車で90分のサンドウィッチに位置している。

ケント海岸沿いにあり、中世の貿易に関し、非常に重要な港のひとつだった。

私はこのコースを「見かけによらずすばらしい」と説明しているが、それは一見、非常に平坦でかなり単調に見えるからだ。

だが、一度このコースでプレーすると、たちまちこのような見かけが真実ではないことがわかる。

このクラブの創設者であるウィリアム·レイドロー·パーブス博士は1887年にこのコースを設計したが、当初の設計の大部分がそのまま残っている。

コースに到着すると、まずは由緒あるすばらしいクラブハウスが来場者を歓迎してくれるが、クラブハウス内に入るとクラブルーム、ダイニングルームがあって、歴史と伝統を垣間見ることができるのだ。

ロイヤル·セントジョージズは、1894年にスコットランド以外で初めて全英オープンが開催されたクラブで、同大会はこれまでに14回開催されているが、最近では2011年にダレン·クラークが優勝している。 

サンディ·ライルが1985年にここで全英オープンの優勝を飾った時、私も取材で居合わせたが、サンディとはアマチュア時代に何度も一緒にプレーしたことがあり、70年代半ばに彼のゲームが上達するのを間近に見ていたので、自分と共に成長した選手が全英オープンに優勝するのを見て、大きな感動を覚えたものである。 

ここでは、全英オープン以外にも数多くのプロの試合が開催されており、1967年のダンロップ·マスターズにおいて、トニー·ジャクリンが16番ホールで、テレビ中継された最初のホールインワンを達成したことは有名だ。

他には13のアマチュア試合、ウォーカーカップおよびカーティスカップが開催されている。 

さて、このコースの特徴のひとつに、同じ方角を向いた連続したホールがないということがある。

つまり、ここで優勝しようとするなら、あらゆるショットを打てるようにしなければならないのだ。

フェアウェイは、表面的には比較的フラットに見えるが、よく見るとたくさん傾斜があり、ティーショットを打つ時にいろいろと戦略を立てて打たなければならない。 

パー3の6番ホール「メイデン」は、このコースのシグネチャーホールであり、多くのギャラリーが丘の斜面に座って、選手たちのショットを観戦する。

個人的には、パー4の10番ホールも好きで、このホールのグリーンは最も素晴らしい砲台グリーンの一つ。

風の強い日のアプローチは非常に難しいショットのひとつとなっている。

また、距離の長いパー4の4番ホールも有名なホールの一つ。

ティーショットを打つ際、巨大なバンカーが視界に入ってくるが、プロにとってはよほどアゲンストの風が強く吹きつけない限り、このバンカーとは無縁だ。

それは、ゴルフ写真家である私にとってはかなり残念なことであるが、アマチュアにとっては恐ろしいハザードとなる。

残念ながら、今年の全英オープンは中止が決まり、セントジョージズ行きは来年までお預けとなったが、来年こそは無事開催できることを祈っている。

ロイヤル·セントジョージズではフェアウェイもハザードの一部。
フラットなライにボールが止まればラッキーだ。

12th
Par3/379yard

©Getty Images

フェアウェイの真ん中にも深いポットバンカーが口を開ける。

Deceptively Brilliant
見かけによらず、すばらしい

向こうに見えるのは発電所の冷却塔。現在は使われていないという。

©Getty Images

10番ホールのグリーンは砲台になっており、遮るものが何もない。パット時は強風に注意。

©Getty Images

通称「ヒマラヤバンカー」と呼ばれる4番ホールの巨大なフェアウェイバンカー。写真はリッキー·ファウラー(2011年)。

ロイヤル·セントジョージズゴルフクラブ(イギリス)
ROYAL ST.GE ORGE’S GC

●設計:ウィリアム·レイドロー·パーブス
●全長:7204ヤード(パー70)
●備考:1887年開場。1894年に初めてスコットランド以外の場所で全英オープンが開催されたコース(イングランド·サンドウィッチ)。過去14回開催され、2011年にはダレン·クラークが優勝。2021年全英オープン開催予定。

http://www.royalstgeorges.com

David Cannon デビッド・キャノン(イギリス)

©Getty Images
©Getty Images

海外メジャー100大会以上を取材し、現在も第一線で活躍中のゴルフフォトグラファー界の巨匠。
自身もシングルハンデの腕前で、息子はプロゴルファー。
アメリカ、ヨーロッパ、中東、オーストラリア、アジアと世界各国を股にかけて撮影している。Getty Images所属。

Text & Photo/ David Cannon (Getty Images)

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