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【2020マスターズ大特集】開催地オーガスタ徹底解剖&LPGA女子プロの大胆優勝予想

昨年は5番ホールのティグラウンドを改造し、40ヤードも後ろに下げたことで話題となったが今年は大きな変更点はないようだ。

しかし近い将来、13番ティを後ろに下げる準備がすでに整っているという噂が出ている。

コース改造は今年はなし! 隣接用地は買収済みの噂

©Getty Images

5番ホールは昨年40ヤード距離が伸びた。

近隣コースの改修費を出してまで延長する13番ホール

毎年、同じ場所で開催されるマスターズが開幕する頃になると、会場のオーガスタナショナルに対し、何か変更点はないか、と少し好奇心が沸くものだ。

このトーナメントの人気や、世界中のファンがオーガスタナショナルについて持っている詳細な知識のことを考えると、何か重要な変更に関心が持たれても当然である。

いろいろなホールで行なわれる新しい芝への変更や、バンカーやティイングエリアの改良など、絶えずコースには様々な変更や改良が加えられているが、20年のマスターズに選手が到着しても、差し迫った大きな変化は見つからないようだ。

コースの全長は昨年同様7475ヤード。パー5の13番ホールにティを下げるための余裕が作られたようには見えず、依然510ヤードと記載されている。

しかし、そのポテンシャルはあり、いずれ明らかになるだろう。

クラブに隣接する用地が買収されており、いずれこのホールが延長される可能性がある。昨夏に行なわれた工事によりその準備が整っていることは明らかだ。

17年にオーガスタ・クロニクル(オーガスタの地元紙)がこの用地買収を記事にしているが、この買収により、オーガスタナショナルがクラブ周辺を管理し、また、クラブオフィシャルが13番ティを動かすことが可能になったとしている。

この前年、ゴルフウィーク誌は、買収価格が2700万ドルであったことを報道した。

そして買収の一環として、オーガスタナショナルは、この用地に隣接するオーガスタCC・9番ホールの設計・改修費の支払いに合意したという。

©Getty Images

近い将来、ティが後ろに下げられるのではないか?と囁かれている13番ティイングエリア。この後ろにはオーガスタCCの9番ホールが横たわっている。

ボビー・ジョーンズの遺志を継ぎ2オンするかしないかを判断させる13番ホールに

タイガー・ウッズが優勝に向かってひた走っている時、13番ホール・パー5では8番アイアンで2打目を打ちバーディを奪ったが、通常13番は、このコースで最も簡単なホールの一つになっている。

このホールは510ヤードしかない。そして時に、この有名な左ドッグレッグのホールでは、ご褒美を得るためにリスクを選ぶ傾向が失われてきている。

「明らかにこのホールは、コースを設計した(ボビー)ジョーンズや(アリスター)マッケンジーが意図した機能を果たしていない」と、マスターズ委員長のフレッド・リドリーは19年大会の前に述べた。

「私がこれまで語ってきた、またはボビー・ジョーンズがしばしば語っていた、2打でグリーンを狙うという重大な決断は、もはや時代遅れになっている」

「現在、このホールを延長するという選択肢もあるが、何らかの行動をとる前に、運営機関が距離の問題にどのように対処するか、見てみるつもりだ」

リドリーのこれらの発言は、20年のコースには変更が加えられないことを示唆しているが、昨夏に撮られたグーグルアースの写真を見れば、クラブが望みさえすれば13番ホールを580ヤードの距離まで延長できるだけの十分な余裕が確保されていることが簡単に見て取れる。

そうなれば、ティショットはずっと難しくなり、間違いなくクリークで囲まれたグリーンへの第2打はより長い距離が求められるようになるだろう。

また、撮影された管理用道路は、クラブがコース上でメンテナンス車両を動かしやすくするために長らく求めてきたものである。

確かに言えること、それはいつ改造されたとしても、最初からそうであったかのように見える、ということだ。

マスターズの開催地・オーガスタナショナルGCの上空からの写真。左下には“アーメンコーナー”があり、隣のオーガスタCCに隣接している。

©Getty Images

昨年から「オーガスタ女子アマ選手権」を開催。右はフレッド・リドリー委員長。3年前に委員長に就任したリドリー氏により次々とオーガスタの歴史が変化を遂げつつある。

Text/Bob Harig

ボブ・ハリグ(アメリカ)
ESPN.comシニアゴルフライター。25年以上に渡り、ゴルフトーナメントの取材を続けている。全米ゴルフ記者協会会員。

LPGAツアー女子プロに直撃!

2020マスターズ優勝者大予想

タイガーのメジャー16勝目か、マキロイのグランドスラム達成か?

昨年はタイガーの劇的優勝に終わったが、2020年のマスターズはどんなドラマが待ち受けているのだろうか?

ISPSハンダ全豪女子オープンに出場していたLPGAの女子プロ選手たちに直撃インタビュー!

インビー・パーク、ミンジー・リー、ローラ・デービスのコメントも紹介。

©Getty Images

今年のマスターズは間違いなくこの3人が注目される。左からタイガー・ウッズ、ジャスティン・トーマス、ローリー・マキロイ。

女子プロ達は圧倒的にタイガー、マキロイ推し!

世界のトップ女子プロにマスターズの優勝者予想をしてもらったところ、以下のような結果が出た。1位タイガー・ウッズ(11人)、2位ローリー・マキロイ(10人)、3位ジャスティン・トーマス&マーク・リーシュマン(4人)、5位ジェイソン・デイ、6位トニー・フィナウという具合だ。

オーストラリアの地で聞き込み調査をしたので、オージーが2名ランクインしているのかもしれないが、圧倒的にタイガー、マキロイの名前を挙げる人が多く”メジャー最強男“のブルックス・ケプカの名前は一人も挙がらなかった。

ちなみにタイガーを推したのは、シャイアン・ウッズ(タイガーの姪)、ネリー・コルダ、エイミー・ヤン、シンジエなど。

シンジエは「メンタルが強い。筋肉の維持が素晴らしい」とコメント。

またマキロイ推しには、ANAインスピレーションチャンピオンのパニラ・リンドバーグ、アサハラ・ムニョス、ミンジー・リー、ステイシー・ルイス、モーガン・プレッセル、リディア・コーなどがいた。

女子プロも注目するマスターズ。今年の優勝争いの行方が楽しみだ。

©Eiko Oizumi

インビー・パーク

「私は今季2勝を挙げているジャスティン・トーマスがマスターズでメジャー2勝目を挙げると思う。コースが合ってるんじゃないかな?」

©Eiko Oizumi

ミンジー・リー

「ローリー・マキロイのボールストライキングと、パッティングが噛み合えば彼が優勝すると思う。タイガーの優勝も見たいけどね」

©Eiko Oizumi

ローラ・デービス

「タイガーは日本でも勝ってるし、最近ではファーマーズでもよかったからタイガーかな?過去1度しか会ったことはないけど、私はタイガーのサポーター。彼ならメジャー18勝以上すると思う」

オーガスタナショナル全容図

©Koji Kitamura

主にTV中継に映ってくるのはバック9からだが、オーガスタの全体を把握しておいた方が、試合展開がわかりやすい。

観戦が2倍楽しめるMAPを見ながら楽しく観戦しよう!

① Tea Olive

445ヤード(Par4)

緩やかな右ドッグレッグホール。右のバンカーを警戒して左にティショットを打つと木が邪魔して2打目が狙いづらい。

② Pink Dogwood

575ヤード(Par5)

2オン可能なロングホール。手前の深く大きなバンカーには要注意。

③ Flowering Peach

350ヤード(Par4)

フェアウェイ左のバンカー手前に2打目を置き、そこから大きめに打っていくのがコツ。グリーンは右から左へと傾斜している。

④Flowering Crab Apple

240ヤード(Par3)

ロングアイアンが必要な長いショートホール。

⑤ Magnolia

495ヤード(Par4)

2019年にティを40ヤード後ろに伸ばしたばかりのホール。フェアウェイ左にバンカーがあるが、これを超すには315ヤード必要。

⑥ Juniper

180ヤード(Par3)

打ち下ろしのパー3。グリーンのアンジュレーションがきつく非常に難しい。

⑦Pampas

450ヤード(Par4)

フェアウェイが狭くタイトなホール。バンカーがグリーン周りに5つあり、入れるとパーセーブは難しい。

⑧ Yellow Jasmine

570ヤード(Par5)

右のフェアウェイバンカーが大きく口を開けるフェアウェイキープが大事なホール。2打目からは打ち上げ。

⑨ Carolina Cherry

460ヤード(Par4)

グリーン奥から手前にかけて下っているグリーンが有名。

⑩ Camellia

495ヤード(Par4)

打ち下ろしの長いパー4。1935年前にはこのホールが1番ホールで最難関ホールの一つ。

⑪ White Dogwood

505ヤード(Par4)

このホールから3ホール、アーメンコーナーがスタート。04年にフェアウェイ右に松が36本増殖されたが、08年には何本か減少。

⑫ Golden Bell

155ヤード(Par3)

オーガスタの中では最短のパー3ホール。風が舞うのでクラブ選択がカギとなる。ベン・ホーガンブリッジを渡ってグリーンに向かう。

⑬ Azalea

510ヤード(Par5)

フェアウェイセンターにボールを運ぶことが重要。2オンも可能でドラマが起こるホール。ティからグリーンにかけてツツジの花が1600本植えられている。

⑭ Chinese Fir

440ヤード(Par4)

バンカーが一つもない唯一のホール。グリーンの傾斜に特徴あり。

⑮ Firethorn

530ヤード(Par5)

2オンが可能なロングホール。1935年ジーン・サラゼンがここでアルバトロスを達成。

⑯ Redbud

170ヤード(Par3)

池越えのショートホール。グリーンは右から左に向かって傾斜している。練習日には水切りショットが披露されるホール。

⑰ Nandina

440ヤード(Par4)

打ち上げのミドルホール。かつてはフェアウェイにアイゼンハワーの木があったが2014年嵐のため倒木し撤去された。

⑱ Holly

465ヤード(Par4)

打ち上げの右ドッグレッグホール。左のバンカーを避けることが大事。

クリーク

グリーン手前にラエズクリークが横たわり、ジョーダン・スピースやフランチェスコ・モリナリなどが入れて優勝戦線から離脱。

アーメンコーナー

11〜13番ホールの3ホールのこと。1958年スポーツイラストレイテッド誌の記者が名付けた。風が上空で舞いショットの判断が難しいため、常にこのエリアでは悲喜交々のドラマが待ち受けている。

クラブハウス

米国南部では初のコンクリート造りの建物と目されているクラブハウス。この中に「クロウズネスト(カラスの巣)」と呼ばれる宿泊施設があり、大会期間中、アマチュアは宿泊可能。

練習場

2010年に新しく設置されたドライビングレンジ。芝の状態やバンカーの砂質など、オーガスタのコースをそのまま持ってきたかのような美しい練習場だ。最長距離は400ヤード。

練習グリーン

鏡のように速い高速グリーンと称されるオーガスタのグリーンだが、そのスピードやタッチはこの練習グリーンでつかむことができる。

アイゼンハワー

クラブメンバーによって大統領夫妻のために建てられたというキャビンは、練習グリーン前に今も存在している。

パー3コース

1960年に初開催された、マスターズの水曜日の伝統行事「パー3コンテスト」。初代優勝者はサム・スニード。パー3コンテスト優勝者は同年のマスターズで優勝できないというジンクスがある。

マグノリアレーン

1850年代に植樹されたと言われるマグノリアの木。正面入り口からクラブハウスに至るまでの330ヤードの距離の道の左右をマグノリアが覆い尽くしている。

旧練習場

かつてはここでプロ達が練習した。今でもメンバーはこの練習場を使用しているが、プロは使用していない。

2019年大改造ポイント

40ヤード、ティグラウンドが延長!

過去何度もティの位置が変更され、改造が多い5番ホールだが、昨年は一気に40ヤード後退。オーガスタが周辺の土地を買収して達成したコース改造の一つだ。

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