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【2021年ハワイゴルフ白書】オアフ島ゴルフの今~コオリナGCは地元ゴルファー増加中~

オアフ島ゴルフの今【コオリナゴルフクラブ】

©コオリナゴルフクラブ

コオリナゴルフクラブ

オアフ島西部に広がるコオリナ・リゾート内のゴルフ場。18ホールの本格チャンピオンシップコースで、毎年LPGAツアー「ロッテ選手権」を開催。カートは日本語対応のGPS付き。ワイキキ宿泊者向けに、無料送迎があるのもうれしい。テッド・ロビンソン設計。

 

地元ゴルファーの増加で混み合うオアフ島のゴルフ場

©Eiko Oizumi

マスク着用でカートに乗り込む地元のゴルファーたち。プレー中はマスクを外してもいいが、屋外でもできるだけマスクは着用するよう推奨されている。

 

©Eiko Oizumi

グレッグ・ニコルズ氏
コオリナGC支配人・ゴルフディレクターを務める。

ゴルフ場のクラブハウス周辺では「マスク着用」「手指の消毒」「ソーシャルディスタンス」を促すポスターなどがある。

 

オアフ島のコースはコロナバブル!?

現在コロナ禍で、海外旅行が非常に難しい状況にあるが、もしコロナが収束したらまず日本人ゴルファーが行ってみたいデスティネーションの一つが「ハワイ」だろう。

今回訪れたのは、昔から日本人にも非常になじみ深い、オアフ島西部に位置するコオリナGC。
今、オアフ島のゴルフ場はどのようになっているのか、またどんなコロナ対策が取られているのか、コオリナGCを訪れ、支配人のグレッグ・ニコルズ氏に話を聞いた。

ハワイは通常、日本、韓国、中国、オーストラリアなどから多くの観光客が訪れているが、コオリナGCの場合、60%をアジア人ゴルファーが占めているという。
しかし、それらの人々はほぼ9割以上、今もハワイに来ていない状況だ。日本からも出国72時間以内に指定病院でPCR検査を受け、陰性であれば10日間の隔離は不要だが、それでも日本人観光客の人数は非常に少ない。利用者のほとんどが地元の人たちだ。

ただ、ゴルフというスポーツは他のスポーツに比べると密になりにくく、ハワイ、特にオアフ島のゴルフ場は混んでいるという。
「コロナバブル」だ。

今までゴルフをしたことがなかった女性や子供、昔やったことはあったが、長い間ゴルフから遠ざかっていた人たちがゴルフ場にやってくるようになったそうだ。
ワイアラエCCのようなプライベートコースは特に混んでおり、一時は毎日午後5時までスタートさせていたらしい。
ゴルフ業界にとって、ゴルフ人口が増え、来場者が増えることはいいことだが、地元の人たちは「カマアイナレート(地元の人たち向けの特別割引レート)」でのプレーができるため、来場者数の割には収益が少なく、ゴルフ場の売り上げは落ちているという。

しかしオアフ島は他の離島に比べると恵まれており、カウアイ島やハワイ島などは入島自体の規則も厳しい上に、元々の人口も少ないので、ゴルフ場も苦戦している。

 

©Eiko Oizumi

レンタルクラブも用意。使用後は必ず徹底的な消毒がゴルフ場スタッフにより行なわれており、安心して使用できる。

©Eiko Oizumi

プロショップ内の床には、6フィート(約2メートル)のソーシャルディスタンスを取るよう指示書きが貼られている。

©Eiko Oizumi

練習場も隣の打席のゴルファーとの距離を十分に取り、密にならないよう配慮されている。

©Eiko Oizumi

最近では、父親と一緒にゴルフ場にやってきて、ゴルフを始める子供たちも増えたという。

 

昨年よりも徐々に規則が緩和しつつあるハワイのコース

アメリカでは全米プロゴルフ協会(PGAオブ・アメリカ)と全米ゴルフ協会(USGA)が、いかに安全にゴルフができるか、ゴルファーたちを再びゴルフ場に戻すことができるか、に対して具体的な方法を昨年示した。
各州のPGAが政府と綿密に連絡を取り合いながらコロナ対策に取り組んでおり、ハワイのゴルフ場はそのガイドラインに従って営業している。
最初に作られたガイドラインは非常に厳しいものだったが、現在では少し緩和されているようだ。

例えば、昨年の春先のロックダウン直後は、「カートは1人1台使用」(カート代は通常の2倍かかる)が義務づけられていたが、今では通常通り「2人に1台」でOKだという(希望者は1人1台で使用できる)。
2人で乗る場合、家族同士であればマスクは不要だが、友人同士ならマスクをしなければならない。

また、ハワイのコースの中にはPCR検査を受けて「陰性証明書」の持参を義務付けるコースもあるという。ただ大半のコースではそこまで求められておらず、コオリナも不要だ。
もしハワイのコースをラウンドする予定があるなら、事前にゴルフ場のホームページなどをよく確認してから必要なものを揃えていった方がいい。

コオリナでは従業員もPCR検査をし、日々検温。今のところ、感染者はゼロで安全な「バブル」の中にいるようなものだという。
そしてレストラン、ロッカールーム、プロショップなど全ての場所はこまめに何度も消毒され、特に使用後のカートとレンタルクラブは入念な消毒が行なわれていた。
日本のコースではレンタルクラブのサービスを行なっていないところが多いが、ハワイでは徹底的な消毒をすることで貸し出しを行なっているところも多い。

プロショップ内では一度に入れる人数を制限し、品物を購入するのに並ぶカウンター前は、「ソーシャルディスタンス」を取るよう、貼り紙があった。
ゴルフウエアなどは試着を禁止。ウイルスの感染拡大を避けるため、現金での精算はしておらず、クレジットカードのみで行なわれている。

というわけで、オアフ島のコースはどこも混み合っているようだが、コロナ対策はどのコースでも同じガイドラインにのっとって厳守されており、ゴルファー一人一人が安全にプレーを楽しめるよう至る所で配慮がされている。

 

*海外渡航情報や新型コロナウイルス感染症に関する情報は、日々刻々と変わっており、特集内で紹介している情報も変更している場合があります。必ず「外務省海外安全ホームページ」や「厚生労働省ホームページ」「ハワイ州観光局ホームページ」などをご覧の上、現在の状況をご確認ください。

https://www.anzen.mofa.go.jp
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00209.html

旅行のプロセス

(2021年1月現在)

 

Text/Eiko Oizumi

大泉英子
「ゴルフ・グローバル」編集長。国内男子、海外ツアー取材をメインに、男女シニア、海外メジャー取材は100試合以上。 全米ゴルフ記者協会、 日本ゴルフジャーナリスト協会会員。

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