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【2021年ハワイゴルフ白書】オアフ島ゴルフの今~ホアカレイGC・ノンゴルファーも取組む一工夫~

オアフ島ゴルフの今【ホアカレイゴルフクラブ】

©ホアカレイゴルフクラブ

ホアカレイカントリークラブ

アーニー・エルス設計のオアフ島のプライベートコース。7413ヤード・パー72。大きな池や112ものバンカーが配置され、非常に戦略的なチャンピオンシップコース。「ソニーオープン」の予選会も行なわれている。

ゴルファーだけでなく『食事』したいノンゴルファーも取り込む一工夫

©Eiko Oizumi

消毒液をふんだんに使ってカートの徹底消毒を行なうコースのスタッフ。

©Eiko Oizumi

シートが消毒液で濡れるほど十分に消毒が行なわれている。

©Eiko Oizumi

ケン・テラオ氏
ホアカレイCCエグゼクティブディレクター。過去、タートルベイ、ハワイプリンス、カポレイGC、コオラウGCなどハワイの数々のコースに勤務していたこともある。

©Eiko Oizumi

「カップの奥底まで手を入れなくてもいいように工夫しています」
カップの中は、ボールが底に沈まないように上げ底になっている。

 

政府とPGAの規則下で運営されるゴルフ場営業の難しさ

アーニー・エルス設計の、オアフ島で最も新しいプライベートコース「ホアカレイCC」。
メンテナンスがすみずみまで行き届き、広々とした練習場も人気の五つ星コースで、最近、プールやレストランも完備したクラブハウスが本格オープン。日本のトッププロたちがオフに訪れることも多いコースだ。

このゴルフ場でエグゼクティブディレクターを務めるケン・テラオ氏の話によると、コロナ禍の中、収入は減少しているとはいえコースメンテナンスクルーは1人も減らさず、メンテナンスにかける時間、費用も通常通りという。
完全ロックダウン中もメンテナンスを欠かさずに行なったことにより、解除後すぐに他のコースよりもコンディションのいい状態で営業できた、と胸を張る。

昨年、ホノルル市長はコロナ感染者と陽性率、2つの7日間の平均値をベースに感染の度合いを4段階(ティアシステム)に分け、それぞれの段階に応じて行動や社会生活の基準を設定したが、その基準では実際ビジネスが成り立たないと不評だった。
今年、新たにビジネスマン出身の市長が就任。コロナ対策は引き続き取りながらも、緩和傾向にあるらしい。

また、ゴルフ場の営業についても段階ごとの基準(3段階のフェーズ)が設けられており、現在はフェーズ2。
表彰式はNGだが、100名までのコンペはOKなのだという。
昨年のロックダウン直後の「コンペはNGで、スタート時間は12分間隔、カートは1人1台で使用しなければいけない」という非常に厳しい状況からは徐々に脱却しつつあるのがハワイのゴルフ場の現状だ。
ただしこの基準も、規則もコロコロとすぐに変わるそうで、緩和傾向にあったのが、また元の厳しい規則下に戻る場合もある。それらに対応するのが本当に大変だとテラオ氏は苦笑いを浮かべる。

©Eiko Oizumi

クラブハウス内のレストランでも、食事が終わるとこうしてスタッフがこまめに消毒している。

©Eiko Oizumi

ハワイの有名コースでは、ロゴ入りのマスクを販売していることが多い。ホアカレイのロゴマークは、ハワイ固有の鳥「アラエケオケオ」をモチーフにしたもの。

コロナ禍の中、生き残るのに必要なのは「創造性」

プロショップなどに設置するシールドや、消毒薬、その他コロナ対策用に買い揃える初期備品などで総額100万円以上。
コースを営業するための費用に加え、コロナ対策関連費用も通年でかかっているが「収入減+費用増額」というピンチに対し、ゴルフ場を運営し続けるためにテラオ氏は次のような対策を取ったと言う。

「ホアカレイの収入源はメンバーの会費とグリーンフィー、レストランの収入などがありますが、これだけでは生き残れない。そこで、レストランのテイクアウトサービスも始めたんです。ここは周囲を住宅で囲まれていますが、コース内に家がある人には無料でデリバリーをやっています。テイクアウトメニューの中から注文してもらえば、すぐに裏庭に配達しに行くし、ドライブスルーのようにクラブハウス内に入ることなく、車で買いに来ることもできます。メンバーでない人でも注文できるんですよ。昔はテイクアウトメニューなどなかったし、メンバー以外の人に食事を提供することはなかったんですが、こういう時代なので少しでもビジネスチャンスを見つけたい。今の時代、クリエイティブな考え方でサバイバルしていかないと……(笑)」

ホアカレイにはクラブハウスが2年前にオープンして以来、ゴルフはできないがレストランで食事できる「ダイニング会員」というメンバーシップのカテゴリーがある。
テラオ氏は、「コロナ収束後、今までデリバリーで食事サービスを受けていた人に、ゴルフに興味がなくてもダイニング会員になってくださいとお願いしたい」という。

通常営業が難しいこの時代、与えられた環境下でなんとか乗り切る「創造力」が大事であるとテラオ氏。
ホアカレイはクオリティを落とすことなく、しっかり費用をかけるところにはかけてメンテナンス。
コロナ対策を取った上で、安全に楽しくクラブライフが楽しめる工夫を行なっている。

ハワイのコースの徹底・安全コロナ対策!

©Eiko Oizumi

今年は無観客で「ソニーオープン」を開催したワイアラエCC。

 

「PGAアロハセクション」が定めているゴルフ場での規則は以下の通り。
感染状況により規則は変わることもあるが、基本的にハワイのコースでプレーするゴルファーは、以下の項目を覚えておくと安心だろう。

ゴルフ場スタッフが実施していること

❶ゴルフカート:ハンドル、ホイール、座席、ヒジかけ、カップホルダー、ボールウォッシャー、目土ボトル、カゴ、GPSスクリーンなどは必ず使用後に消毒。
❷備品:鉛筆、スコアカード、ティーペグ、タオル、サンドボトルなどは予めカートに積んでおくか、リクエストに応じて提供。使用済みの鉛筆やスコアカード、ティーペグなどはラウンド後に廃棄。
❸スタッフはマスクを着用し、屋外で作業するスタッフはグローブも着用。
❹練習場も約2メートルの「ソーシャルディスタンス」を確保すること。
❺小規模の団体レッスンは禁止。個人レッスンはOK。
❻練習場のボールは洗浄し、消毒。レンタルクラブは念入りに消毒すること。
❼バンカーレーキは撤去し、ボール洗浄機はカバーをかぶせて使用できないようにする。
❽コース内に設置されているトイレは使用可能に。2時間おきに消毒すること。

プレーヤーに対して求められること

❶ゴルフバッグはカートに自分で積み込むことを推奨。
❷ゴルファー同士、あるいはスタッフとの握手やハグなど接触行為禁止。
❸ゴルフをしない人はコース内立ち入り禁止。
❹クラブハウス内は必ずマスク着用。2メートルのソーシャルディスタンスも厳守。
❺コース上でもソーシャルディスタンスを守り、接触禁止。配偶者・子供・祖父母などの家族は2人でカート乗車可。家族以外の人同士でも2人で乗れるがマスク着用。
❻ピンは抜かない
❼バンカーにボールが入ったら、できるだけ元々のライに近い場所に無罰でリプレースできる。打った後は足や手で砂をならすこと。
❽プレーフィーの支払いはプリペイド。買い物する場合は、現金ではなくクレジットカード払いで。

 

*海外渡航情報や新型コロナウイルス感染症に関する情報は、日々刻々と変わっており、特集内で紹介している情報も変更している場合があります。必ず「外務省海外安全ホームページ」や「厚生労働省ホームページ」「ハワイ州観光局ホームページ」などをご覧の上、現在の状況をご確認ください。
https://www.anzen.mofa.go.jp
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00209.html

旅行のプロセス

Text/Eiko Oizumi
大泉英子
「ゴルフ・グローバル」編集長。国内男子、海外ツアー取材をメインに、男女シニア、海外メジャー取材は100試合以上。 全米ゴルフ記者協会、 日本ゴルフジャーナリスト協会会員。

 

*海外渡航情報や新型コロナウイルス感染症に関する情報は、日々刻々と変わっており、特集内で紹介している情報も変更している場合があります。必ず「外務省海外安全ホームページ」や「厚生労働省ホームページ」「ハワイ州観光局ホームページ」などをご覧の上、現在の状況をご確認ください。

https://www.anzen.mofa.go.jp
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00209.html

旅行のプロセス

(2021年1月現在)

 

Text/Eiko Oizumi

大泉英子
「ゴルフ・グローバル」編集長。国内男子、海外ツアー取材をメインに、男女シニア、海外メジャー取材は100試合以上。 全米ゴルフ記者協会、 日本ゴルフジャーナリスト協会会員。

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