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【2021年ハワイゴルフ白書】離島ゴルフの今~カパルアゴルフ・ハワイでゴルフするなら先に離島へGO~

離島ゴルフの今【マウイ島カパルアゴルフ】

©カパルア・プランテーションコース

カパルア・プランテーションコース

7411ヤード・パー73のチャンピオンシップコース。毎年1月にはPGAツアー「セントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズ」を開催。マウイ西部の高級ゴルフリゾートで、プランテーションコースの他、海越えのパー3で有名なベイコースもある。ベン・クレンショー&ビル・クーア設計。

 

離島ゴルフをしたいならオアフ島より先に、離島へGO!その方がリーズナブル!

©Eiko Oizumi

オアフ島から離島(ハワイ島・カウアイ島・マウイ島・モロカイ島・ラナイ島)に行く場合、島によってコロナ関連の規則が違うが、出発72時間以内のPCR検査が必要だ。

 

©Eiko Oizumi

アレックス・ナカジマ氏

カパルアゴルフ支配人。約30年近くゴルフ場ビジネスに携わる経験豊富な日本人で、以前はカウアイ島のプリンスビル・マカイGCで支配人、ハワイオペレーションのディレクターを勤めた。2015年Troon Golfのゼネラルマネージャー・オブ・ザ・イヤーにも輝く。

 

徐々に米本土からの観光客が戻りつつある離島

「セントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズ」の開催地カパルア。マウイの奥座敷として名高い高級リゾートだが、カパルアのように離島にあるゴルフ場はいったいどうなっているのか?
また、離島に渡ってゴルフをする際に気をつけなければいけないことはあるのかを、支配人のアレックス・ナカジマ氏に聞いた。

まず、オアフ島と離島で決定的に状況が異なるのは、オアフ島から離島に移動する際、出発72時間以内にPCR検査を受けなければならないということ。
ハワイ島などは、事前の検査を受けた上に、到着時にも空港で再度PCR検査を受ける必要があるそうだ。
だから、観光客にとってはオアフ島以上に離島への移動はコストもかかり、ハードルが高い。

もともとカパルアは観光客ゴルファーが75%、地元のゴルファー25%という割合で集客していたが、カパルアやマウイ島内のカアナパリ、ワイレアのコースのように観光客に頼っているところは打撃が大きかったという。

「ハワイ島コハラコーストもマウイの状況と似ていて、観光客が来ないため苦戦しているようです。でも事前のPCR検査で陰性なら隔離免除のルールができた11月からは徐々に観光客も戻りつつありますね」とナカジマ氏はいう。

離島には病院のベッド数などがオアフ島に比べて少なく、その分、島に入る条件がオアフに比べて厳しいため、観光客がなかなか入ってこれない状況にあった。だが、ようやく少しずつ客足が戻ってきている。

ただ、離島はもともと米国本土からの観光客がメインで、日本人観光客の比率は低いため、現在、離島でゴルフをする日本人はなおさらいないという。
またゴルフ人口は増えているとはいえ、地元の人たちは市営の安いコースでプレーする人が多いのだそうだ。

実際、ゆったりとハワイゴルフを安全に楽しむには、カパルアのような高級リゾートの方がオススメではあるのだが……。

©カパルアゴルフ

カパルアゴルフアカデミーの練習場。現在は打席間のスペースを広く取って、感染対策。

ハワイでゴルフするなら先に離島へGO !

さて話は変わるが、日本人観光客がオアフ島と離島の両方に滞在する場合、どちらを先に訪れた方がお得か?
答えは離島だ。
離島からオアフ島に移動する際は検査は不要だが、オアフ島に数日間滞在してから離島に渡ろうとすると、オアフ島でPCR検査を受けなければならない。

現在ハワイに関しては、日本からの出国72時間以内に指定医療機関でPCR検査を受け、ハワイ州公認の陰性証明書を持参すれば10日間の隔離が免除されているが、これの費用は約4万円。
この検査結果をそのまま生かして、ホノルル経由ですぐに離島へ乗り継げば、出国前に行なった検査だけで離島に渡れる。
検査代に糸目を付けない富裕層には関係ない話だが、日本(出国前72時間以内のPCR検査)→離島→オアフ島(帰国前72時間以内のPCR検査)→帰国の流れの方が検査1回分の代金(3~4万円)と時間を省くことができるという。

ゴルフ業界もタッチレスプリペイへ

ナカジマ氏が今回最も苦心したのは、「コロナ時代に合った新しい営業方法を編み出す必要があった」ことだった。
だが、その方法を編み出せたおかげで、新しい発見もあったという。
プレーフィーの支払いはコロナ以降「プリペイ方式」(クレジットカードで事前に支払うこと)になり、プロショップで従業員を介して現金やクレジットカード払い、という接触を避けている。「タッチレス」が基本だ。
この「プリペイ方式」はゴルフ業界では遅れているそうだが、この方式に切り替えたおかげでキャンセル率が低くなったそうだ。

「今後年間を通して全収入の7割くらいはプリペイに持っていきたいですね」(ナカジマ氏)。

PGAツアーの大会を開催しているカパルアは、収入が減額しても常にコースメンテナスを欠かせない事情がある。
「本当は売り上げが下がれば、経費も下げたい」ところだが、芝刈り、エアレーションなどをやらないわけにもいかない。

そこでメンテナンス要員は確保し、トーナメントに備えて、メンテナンスや施設管理は通常通りに続けた。
そして、コロナ期間を利用し、改装や修理などに時間と経費を費やしたという。

©カパルアゴルフ

現在、このような手取り足取りのレッスンは行なっていないが、非接触のレッスンが行なわれている。

©リッツ・カールトン・カパルア

カパルアリゾート内にある「リッツ・カールトン・カパルア」。「セントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズ」開催中は選手たちも宿泊する憧れの高級ホテルだ。

コースは生き物。来場者が来なくても整備は不可欠

当面、コロナの状況は変わらないだろう。
ハワイの経済が元に戻るまでに少なくとも2年はかかるそうだ。
カパルアの場合、ゴルフだけでなく、リッツ・カールトン・カパルアや高級コンドミニアムなどが立ち並ぶ高級リゾート地なので、ゴルフをしない宿泊者(9割の観光客がノンゴルファー)をいかにゴルフ場に連れてくるかもカギだという。
ゴルフ場のレストランで食事をしてもらい、ショップで買い物をしてもらう。
そして、ノンゴルファーの彼らにゴルフを覚え、楽しんでもらうのが最終目標だ。
まだまだ離島はオアフ島に比べると集客に苦労しそうだが、従業員がアイデアを出し合いながら海外からの観光客を待っている。

©リッツ・カールトン・カパルア

ビーチはソーシャルディスタンスを保ってリラックスできるよう、工夫されている(リッツ・カールトン・カパルア)。

 

*海外渡航情報や新型コロナウイルス感染症に関する情報は、日々刻々と変わっており、特集内で紹介している情報も変更している場合があります。必ず「外務省海外安全ホームページ」や「厚生労働省ホームページ」「ハワイ州観光局ホームページ」などをご覧の上、現在の状況をご確認ください。

https://www.anzen.mofa.go.jp
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00209.html

旅行のプロセス

(2021年1月現在)

 

Text/Eiko Oizumi

大泉英子
「ゴルフ・グローバル」編集長。国内男子、海外ツアー取材をメインに、男女シニア、海外メジャー取材は100試合以上。 全米ゴルフ記者協会、 日本ゴルフジャーナリスト協会会員。

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