エコにやさしい「全英オープン」
今年からR&Aとタッグを組み、ゴルフの普及・発展に貢献している歌手のナイル・ホーランが、「全英オープン」の会場を訪れた。R&Aは以前から環境にやさしいトーナメント開催を目指しており、観客に“The Open”のロゴ入り水筒を販売。選手や関係者にはこの水筒を配布し、ペットボトルのゴミを出さない工夫をしている。トーナメント会場の各所に写真のようなウォーターサーバーが設置されており、無料で給水が可能だ。
松山英樹のように海外で優勝したい
松山英樹がコロナ感染で欠場となった「全英オープン」。星野陸也、金谷拓実、稲森佑貴、永野竜太郎も出場した中で、日本人で唯一予選通過を果たしたのが国内賞金ランク1位の木下稜介だ。
彼にとっては今大会が初めての海外メジャーとなったが、2オーバーの59位タイで終えた。
「こっちでもやれるかもという手応えを、正直ちょっと感じた」という木下。同級生の松山英樹のように海外で優勝したいという気持ちが強くなったという。
ますます深まるデシャンボーとの大きな溝
2019年「全米プロ」以来、メジャー優勝がない「メジャー最強男」ブルックス・ケプカ。今年に入り、2年ぶりに「WMフェニックスオープン」で優勝し、メジャーでも「全米プロ」2位タイ、「全米オープン」4位タイ、「全英オープン」6位タイと、「マスターズ」で予選落ちをした以外は全てトップ10に入る活躍を見せているが、ここのところデシャンボーとの場外乱闘の方が話題になっている。
元々は昨年、デシャンボーのスロープレーについて名指しで批判したことがきっかけで2人は不仲になったが、いまだに記者会見では必ず2人についての質問が飛び、緊張感ある応答が交わされている。「ライダーカップでは彼と組むことはないし、夜にチームメイトと会話を交わす時に彼と話すこともない。1週間だけのことだし、自分の仕事をするだけだ」とケプカ。2人の雪解けは、まだまだ先行きが見えない状態だ。
新キャディはホームコースのインストラクター
プロ入り以降、ツアー8勝に貢献してきたティム・タッカー氏と、「ロケットモーゲージ・クラシック」の大会開始前に袂を分かったブライソン・デシャンボー。ケンカ別れではなく、タッカー氏の新しいビジネス(米国オレゴン州のゴルフ場・バンドンデューンズの輸送サービス)や自身の体力との兼ね合いもあり、話し合って決めたのだという。そしてコーチのクリス・コモの下で、デシャンボーのホームコースであるダラスナショナルのインストラクターを務めているブライアン・ザイグラー氏をキャディに起用し、「全英オープン」からコンビを組み始めた。
「彼が新キャディとして僕のチーム入りしてくれたが、今後が楽しみだ。素晴らしい友人のティム・タッカーには今までいろいろお世話になったお礼を言いたいし、彼との友情は今後も続くんだ。彼は今までも、そしてこれから人生が終わるまで、ずっと大事な人だ」とデシャンボーは語っている。
2年ぶりに開催
1日3万2000人の観客
昨年はコロナパンデミックにより唯一メジャーで開催を中止した「全英オープン」。今年は、選手や関係者をバブルに入れて開催された。選手とギャラリーを隔てるロープも通常より後ろに下げ、一部軍人のギャラリー整理を置くことで、1日に観客を3万2000人入れて行なわれた。「会場は広大で、風も吹いている。だが、世界的なコロナ禍の最中にメジャーを開催していることは忘れてはならない」とスラマー氏。観客はワクチンを2回接種し、14日間経過しているか(ジョンソン&ジョンソンの場合は1回)、陰性証明書を提出することが義務付けられていた。
Text/Eiko Oizumi