Text & Photo/Eiko Oizumi
フィリピンとの二重国籍の笹生優花。アマチュア時代から活躍し、2019年に初めて開催された「オーガスタ女子アマ」では安田祐香とともに3位に入賞。昨年プロテストに合格。スイングと飛距離はジャンボ尾崎のお墨付き。
昨年、プロテストに合格し、今季からプロゴルファーとして始動した笹生優花。日本人の父とフィリピン人の母を持ち、二重国籍だが、来年のオリンピックにはフィリピンの代表選手として出場することになっている。
そんな彼女は「ISPS HANDA医療従事者応援!! チャリティレディーストーナメント」に参戦。吉川桃と1打を争うデッドヒートを繰り広げ、惜しくも1打差で優勝を逃した。
「もちろん優勝したいと言う気持ちもあったが、試合の感覚というものを忘れてしまっており、今度の試合に向けて感覚を取り戻したいという気持ちもあったので、この試合で結果を出せたことは嬉しかったですね」
彼女のスイングと豪打に一目惚れしたジャンボ尾崎は、プロテスト合格後、時々笹生を呼んではスイングを見たり、アドバイスをすることもあるという。
「ジャンボさんはあまり教えない方ですが、たまに気づいたことを言ってくれます。飛距離に関しては、相変わらず飛ぶなぁと言われます(笑)。ジャンボ邸には最近行き始めましたが、今までフィリピンで学んできたこともたくさんありますし、ジャンボさんやたくさんの人から勉強したものもあります。そういういろいろな経験から成果が出ているのかな、と思う」
笹生は日本語とフィリピン語、英語を操るトリリンガルで、現在は日本を拠点に生活している。「アニカ・ソレンスタムのようになりたい」とゴルフを始め、子供の頃から父が課す苦しいトレーニングや練習にも耐えてきた。今時の“ミニスカ・かわいい系女子プロ”とは異なり、常にパンツを着用。女子であることを前面に出さず、あくまでも自分のプレーと飛距離を武器に世界のトップと戦う日を夢見ている。
来年、オリンピックが開催されるとしたらフィリピン代表として出場するが、それまでは体調に気をつけながら、コロナ禍で失われてしまった感覚などを取り戻し、金メダルを目指す。
ISPS半田会長(左)から「パン」のプレゼントを受ける笹生(右)。「コロナウイルスの状況ですが、半田会長がこうして試合を開催してくださることにとても感謝しています。チャリティは初めての経験ですが、ゴルフを通じてチャリティできることが嬉しいですね」
以下、笹生の260ヤードを誇るドライバースイング