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ネリー・コルダが22歳で全米女子プロ・メジャー初優勝!8年前からの夢を叶え「まるで30歳になった気分」

22歳で「全米女子プロ」でメジャー初優勝!

8年前からの夢が叶ったネリー・コルダ
「まるで30歳になった気分」

©USGA

世界ランク1位に浮上。 姉妹揃ってオリンピック金メダルを目指す!

優勝
Nelly Korda
ネリー・コルダ

(アメリカ)

1998年7月28日生まれ。
177cm。姉のジェシカとともにツアーを転戦。ともに米女子ツアーで優勝を遂げている。ツアー通算6勝、うちメジャー1勝。両親は元テニス選手で、弟も現役でテニス選手のスポーツ一家。

前週の「マイヤーLPGAクラシック」で優勝を遂げていたコルダ姉妹の妹・ネリーが、ついにメジャー優勝を果たした。
その快挙とともに、世界ランク1位の座もゲット。
スポーツ一家に生まれ育った彼女が、メジャーVに至った技術面・精神面の成長を辿る。

©Getty Images

コルダファミリーとボーイフレンドらとともに記念写真撮影。左は母のレジーナさん、その右隣は姉のジェシカ。父はロンドンに滞在中のため、優勝直後はフェイスタイムで祝福を受けた。

姉のジェシカは美しい心の持ち主

長身で美人のコルダ姉妹から、メジャーチャンピオンが誕生した。
妹のネリーが2位のリゼット・サラスに3打差をつけ、「全米女子プロ」でメジャー初優勝。
ツアー通算6勝目を挙げた。
今大会の優勝で、世界ランクも1位に浮上。
アメリカ人の世界ランク1位は、2014年にステーシー・ルイスが世界ランク1位から陥落して以来、約6年8か月ぶりのことである。

「実はメジャーで優勝したいという夢は、私が初めてメジャーに出た14歳の時からのものなの。だから本当に今回勝てて特別ね」

彼女は2013年にアマチュアとして「全米女子オープン」に出場しているが、その3年後にはプロ転向を果たしている。
姉のジェシカとともにツアーを転戦しながら、姉妹二人でこれまで切磋琢磨してきたが、家族、特にジェシカの存在はネリーにとって特別だという。

「姉は親切で、すばらしい性格の持ち主よ。
彼女は私よりも5歳年上だけど、自分のことよりも他人を尊重し、LPGAツアーというものを見せてくれた。
なかなかそういう経験を積んでいる選手は他にはいないから、私はとてもラッキーだった。
私の調子が悪い時、いつも姉はそばにいてくれる。
本当に感謝してもし尽くせないほどだわ」

©USGA

優勝のパットを決めた瞬間のコルダ。

スポーツ一家ならではの精神で成長を遂げたネリー

コルダ一家は、両親が元テニスプレーヤーで、母はオリンピック選手にも選ばれているほど。
スポーツ選手のマインドに溢れた家族の中で生まれ育ち、苦しい時も嬉しい時も、姉妹は常に行動をともにしてきた。
ネリーはかつて、自分自身に非常に厳しい人間だったが、メンタル面でも成長を遂げ、プレー中はほとんど感情を見せず、とても静かにプレーできるようになっているという。
そして今年の春、理由はわからないがアイアンの調子が悪くなり、なかなか成績を出せずにいたこともあった。
そんな時、姉のジェシカや両親の支えを受けながら、問題を乗り越えてきたのだという。

姉・ジェシカがいなければ、私はメジャーチャンピオンになれていない

©USGA

決勝ラウンドはリゼット・サラスと連日同組でプレーしていたネリー・コルダ(右)。

©USGA

会場にはLPGA史上2人目の黒人プレーヤー、レニー・パウエルさん(中央)も来場。

22歳だけど気分は年輩

若くしてツアーメンバーとなり、自分のことは全部自分でなんとかする、という生活を強いられ、人としても早く成長しないといけない状況にあった彼女は、まだ22歳という若さでありながら、年輩の気分だという。

「世界ランク1位になり、メジャーチャンピオンになれたけど、もう30歳になったかのような気分ね。
22歳という感じがしないの。毎年成功したい、目標を達成したいと思ってやってきて、メジャー優勝という項目が一つ達成できたことはとてもよかった。
今はたくさんの若いメジャーチャンピオンがいるから、実際私はなんだか年輩のような気分だわ。
でもそうした状況の中、メジャーで勝ててよかった」

8月には姉妹で東京オリンピックにやってくる。
テニスプレーヤーの弟・セバスチャンも、「ウィンブルドン」に出場した後で東京オリンピックに出場するという。
コルダ一家が3人でオリンピック金メダルを狙う。

オリンピックまでに練習して頑張りたい(笹生優花)

ボギーを叩きそうなところもあったが、パターが入ってくれてよかった。
毎日、いい選手と回れて勉強になった。
いいゴルフと悪いゴルフの両方があったけど、今週はいろいろ学べてよかったです。
オリンピック、みんなも楽しみだと思うけど、私も練習して頑張りたい。

悔しい思いを今大会で吐き出せた (渋野日向子)

3ヶ月の米ツアー参戦の最後のラウンド(最終日)だったので、最初から攻めていこうと思った。逃げずに攻められてよかった。
今週はいろいろなことがあったけど、成長するには必要な経験。
メジャー3試合目で予選通過でき、自分らしいプレーができた。
今まで悔しいことがたくさんあったけど、今までの悔しさを今週吐き出すことができたと思う。
よかったところ、悪かったところを復習してまた頑張りたい。

全米女子プロ
2021年6月24日〜27日
アトランタ・アスレチッククラブ
(米国・ジョージア州)
6740ヤード・パー72

最終成績

優勝−19ネリー・コルダ67万5000ドル
2位−16リゼット・サラス41万8716ドル
3位タイ−10キム・ヒョージュ
ジュリア・モリナロ
26万9361ドル
5位タイ−8ダニエル・カン
パティ・タバタナキット
17万1934ドル
7位タイ−7オースティン・アーンスト
セリーヌ・ブティエ
12万1501ドル
9位タイ−6エイミー・ヤン
シドニー・クラントン
林シュ
9万3608ドル
15位−4ジェシカ・コルダ5万8839ドル
21位−3笹生優花4万8142ドル
40位1渋野日向子2万1587ドル

予選落ち:畑岡奈紗、上原彩子

Text & Photo/Eiko Oizumi Photo/PGA of America

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