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ブレンダン・ローラーの挑戦 障害者ゴルファーの新たな道を切り開くパイオニア

©Eiko Oizumi

ISPSは障害者ゴルファーを支援する活動を約30年以上に渡り行なっているが、この度世界を旅するアイルランド期待の星「ブレンダン・ローラー」と契約。
プロ転向を果たした。

障害者ゴルファーがプロ転向

アイルランド・ダンドークを拠点とするブレンダン・ローラーの成功は、障害を持つゴルファーの受け入れや、障害者ゴルファーへの新たな姿勢を促進する原動力となった。

ブレンダンは、障害者ゴルファーの世界ランキングでトップ10以内に確実に定着しているスクラッチゴルファーで、彼は2018年9月にプロ転向し、人気歌手グループの「ワンダイレクション」のメンバーであるナイル・ホーランが立ち上げたプロゴルファー事務所「モデストゴルフマネージメント」に所属し、メディアで大きく報じられた。

ブレンダンは、骨成長異常で四肢が短くなる希少疾患である、先天性の「エリス・ファンクレフェルト症候群」に冒されている。

22歳のブレンダンは現在、欧州障害者ゴルフ協会(European Disabled Golf Association/EDGA)と欧州ツアーの連携により、障害者ゴルファーに提供される機会をうまく活用しているのだ。 

昨年、彼はEDGAスコティッシュオープンで優勝し、8月には「ISPSハンダ・ワールドインビテーショナル」に出場。
そこで、自身初の欧州チャレンジツアー大会で、78、74というスコアを記録した。

「欧州ツアーとCEOのキース・ペリーが、障害者ゴルフを強く支持してくれていることは知っていますし、21年までに新たなワールドツアーができる見通しについては、非常にワクワクしています。障害者ゴルフにとって、多くの素晴らしいことが始まろうとしているんです。受け入れられるということは、素晴らしいこと。夢は、世界ナンバーワンになり、障害を持つ多くの人がゴルフを楽しむ姿を見られるようになること。それが私の最終的な目標です。障害者ゴルフのアンバサダーになるために、私はプロになりました」と、先駆者としての自身の役割をローラーは語っている。

©Eiko Oizumi

「障害者ゴルファー世界ランクNO.1になり、たくさんの障害者たちがゴルフを楽しむ姿を見たい」と語るブレンダン・ローラー。

アイルランドで起こる障害者ゴルフ支援の動き

ブレンダンが世界中の障害者ゴルファーのトーナメントに出場し、障害者ゴルファーのアンバサダーとして活動する一方で、彼のホームであるアイルランドでもゆっくりと、変革の波が押し寄せている。

アイルランドには、「ゴルフィングユニオン・オブ・アイルランド (GUI)」と「アイリッシュ・レディースゴルフィングユニオン(ILGU)」という2つのアマチュアゴルファーの協会があるが、これが新しい統一組織である「ゴルフアイルランド」に置き換わることになりそうだ。

2021年上旬に設立される予定だが、障害者ゴルファーの団体とも組んで、コンフェデレーション・オブ・ゴルフ・イン・アイルランド (CGI)とともに、すでにコラボが始まっている。

CGIは、アイルランド中のゴルフ場で障害者ゴルファーを支援してもらえるよう、変革のリーダーとなって活動しているが、これは必ずや将来的にゴルフにとって良い影響を与える動きとなるに違いない。

©Eiko Oizumi

18年夏、人気歌手グループ「ワンダイレクション」のナイル・ホーランがホストを務める「ISPSハンダ・ワールドインビテーショナル」に出場したローラー。

トップアイドルと障害者ゴルファーが手を組みゴルフの世界を変える!

昨年の9月、ナイル・ホーラン(右)が発足したプロゴルファー事務所「モデストゴルフ・マネージメント」と契約したブレンダン・ローラー(中央)。
左は社長のマイク・マクドネル氏。

世界のトップアイドルと世界で活躍する障害者ゴルファーが手を組むことで、これからのゴルフの世界を変えていく!

テキスト:Paul Kelly ポール・ケリー(アイルランド)
自ら障害を持つゴルフジャーナリスト。ローラーとも親交が深い。

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