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世界のアイドルがホストを務める
世界で最も男女平等の大会で
男女初優勝者誕生!

「ISPS HANDAワールドインビテーショナル」の各部門で優勝した勝者たち。前列左から女子の部優勝のパジャリー・アナナルカーン(タイ)、障害者ゴルフの部で優勝したISPSアンバサダーのブレンダン・ローラー(アイルランド)、男子の部優勝のダニエル・ギャビンズ(イングランド)。後列右は世界的スーパースター「ワンダイレクション」のメンバーで、ISPSアンバサダーのナイル・ホーラン。

Text/Eiko Oizumi
Photo/Getty Images

 昨年は新型コロナウイルス感染拡大のため、大会が中止となった「ISPS HANDAワールドインビテーショナル」。今年は、オリンピック男子ゴルフと同週に北アイルランドのガルゴルムキャッスルGCで2年ぶりに行なわれた。

 今大会の特徴は、男女144名づつが同じコースでプレーし、賞金も同額という男女平等である点。2月初旬にオーストラリアで開催される「ISPS HANDA VICオープン」と同じフォーマットで争われるが、今大会では障害者ゴルフの試合も同時に開催されている。ホスト役はイギリスのボーイズグループ「ワンダイレクション」のメンバーで、ISPSアンバサダーのナイル・ホーラン。大のゴルフ好きが高じて、プロゴルファーのマネージメント会社も設立したほどだ。以前、「マスターズ」のパー3コンテストで友人のローリー・マキロイのキャディを務めて話題となったこともある。

 さて、今年の男子の部の優勝者は30歳のダニエル・ギャビンズ(イングランド)。最終日にノーボギーの65をマークし、首位と7打差を覆して逆転優勝を飾った。彼は今年、欧州下部ツアーで2回トップ10入りを果たしていたが、欧州ツアーでの優勝は初めて。

「以前だったら緊張していたと思うけど、今日はできるだけいいスコアで回ろうと思った。7打差あったから、優勝のチャンスがあるなんて全然考えていなかったけど、そのおかげでプレッシャーをあまり感じずにプレーできたのかもね」

 通常、欧州下部ツアーを主戦場にしているギャビンズだが、本当は1週間休みを取って、今後の欧州下部ツアーの試合に備えるつもりだったという。だが、今大会に出場し、欧州ツアー初優勝を遂げたことで、シード権も獲得。「レース・トゥ・ドバイ」ランキングでも一気に100位以内に入ってきた。

「毎週、欧州ツアーでプレーができるなんて、最高だし、幸せだ」

なお、日本人で欧州ツアーメンバーの川村昌弘は、今大会で2打差の3位タイに入賞。「レース・トゥ・ドバイ」ランキングで57位につけている。

日本からは川村昌弘も参戦。優勝したダニエル・ギャビンズとは2打差の3位に入った。

 また、女子の部の優勝者も初優勝者だ。
 タイのパジャリー・アナナルカーンと米国のエマ・タリーは4ラウンド目を終えて16アンダーで並び、2ホールのプレーオフの末、22歳のアナナルカーンが米ツアー初優勝を遂げた。

「私は試合中、いつも何かを見ていたいんです。特にゴルフボールとか。ボールに”good luck“と書いて、それを見ながらポジティブに考えるようにしています。今日はすべてがうまくいきましたね」

 バーディ発進で勢いをつけたアナナルカーンは、3〜4番で連続バーディを奪ったものの、6番でトリプルボギー。だがその後はバーディを積み重ね、7バーディ、1ボギー、1トリプルボギーの70をマーク。プレーオフではロングパットも決まり、優勝を手繰り寄せた。

 海外女子メジャーの「アムンディ・エビアン選手権」では第3ラウンドを最終組でプレーしていたアナナルカーン。同大会で優勝したミンジー・リーと同組でラウンドし、非常に勉強になったという。特に、我慢強くプレーすること、自分のやってきたことを信じること、自分自身でいることを学んだそうだ。

「私はこれまでもいいゴルフをしてきたと思うけど、もっと上達しなくちゃね。ミンジーは毎ショット、本当に我慢強くプレーしていて、1打1打とてもうまく打っているわ。毎ショットにすごく集中している。私は1打1打に集中できていなかった時もあるから、すごく勉強になった」

 今年は海外女子メジャー「ANAインスピレーション」でタイのパティ・タバタナキットが優勝。そして今回はアナナルカーンの米女子ツアー優勝で、タイの強い女子プロは、ジュタヌガーン姉妹だけではないことが証明された。最近プロ入りしたタイのアタヤ・ティティクルもアマチュア時代から大活躍していた選手の1人。続々とタイから強い女子プロが誕生している。

ISPSアンバサダーのチャーリー・ハル(イングランド)。オリンピックを辞退して、今大会に臨んだ。

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