Text/Eiko Oizumi
Photo/ISPS、大会提供
今年からプロ転向し、JGTO下部ツアー(チャレンジツアー)のAbemaTVツアーに出場していた19歳の久常涼が、「ISPS HANDAヒーローになれ!チャレンジトーナメント」(9月22日〜24日:アローエースゴルフクラブで開催)で優勝。今季AbemaTVツアーで3勝目を挙げ、優勝賞金360万円を獲得。下部ツアー初の年間賞金1000万円を突破した。なお、下部ツアーで年間3勝は2001年のS.K.ホ以来の記録である。また、「AbemaTVツアーで年間3勝した者」は翌週のレギュラーツアーの出場権を手にすることができるが、久常はISPSの大会で優勝することで、まさしく「ヒーローになれ!」という大会名通り、レギュラーツアーのヒーローとなる道を歩み始めた。
「(ツアー)3勝目を狙っていた。先週も調子が良い中でパッティングが決まらなかったが、今週は僕向きのコースでスコアの伸ばし合いだったので、ちゃんと取れるホールもいっぱいある分、そこを獲れればいいスコアにつながると思っていた。それが3日間できたのは本当に大きい」
ツアー3勝目を決め、どうにかレギュラーツアーへの出場権を決めたかった久常。大会週に開催コースと同県にある日光東照宮へ神頼み。その霊験あらたかだったのかは不明だが、自身が使っていたロッカー番号とストローク数がともに偶然198で優勝できたという。
また1打ビハインドで最終ホールを迎えていた久常は、残り20ヤードの距離でチップインイーグルを決め、劇的逆転優勝。この神がかったチップインイーグルも、神様からのプレゼントかもしれない。ともに初優勝がかかっていた大西魁斗、鍋谷太一も最終ホールでバーディを奪ったが、久常にはあと1歩届かなかった。
早速翌週のレギュラーツアー「バンテリン東海クラシック」から本格参戦している久常は、9位タイに入賞し、賞金額266万2000円を獲得。「ブリヂストンオープン」はもともと推薦をもらっていたが、36位タイに入った。
そして、彼のこれまでの活躍が認められ、日本開催のPGAツアー「ZOZOチャンピオンシップ」への推薦出場権も獲得。レギュラーツアー本格参戦の夢も叶い、次は海外ツアーへ。とんとん拍子にヒーロー街道を歩み始めた久常の、今後の活躍に注目したい。