2020～2021年はどうなる？
2019～2020年シーズンが終わったかと思いきや、その翌週から早速今シーズンがスタートしている。
2020年に続き2021年シーズンも新型コロナウイルスの影響でスケジュールや開催地に大きな変更点がいくつか見られるが今シーズンの米ツアーは一体どんな1年になるのだろうか？
11月12日から開催予定の「マスターズ」。今年は無観客での開催が決定している。
昨年の10月末に日本で初開催されたPGAツアー「ZOZOチャンピオンシップ」でサム・スニードと並ぶツアー82勝を達成したタイガー・ウッズ。あと１勝すれば、最多優勝記録を樹立する。
観客を入れて開催される日も近い
今年は11月に「マスターズ」が開催されるが、オーガスタナショナルの松林に、パトロン達の歓声が響き渡ることはない。
この事実はゴルフ界において、いや世界中のどこにおいても、2020年がいかに奇妙なシーズンであったかを物語っている。
3月に新型コロナウイルスのパンデミックが発生して以来、ゴルフ界のほとんどすべての事柄のスケジュールが変更され、認識が改められたのだ。
現在、PGAツアーは無観客で開催されているが、年内の試合について観客を入れての実施を考えているトーナメントがいくつか現れそうだ。
「ヒューストンオープン」については、まだ観客を入れるかどうかの発表をしていないが、12月初旬に行なわれる「マヤコバクラシック」はHP上で観戦チケットを販売しているので、有観客で開催するようだ。
また1月のハワイ２試合に関しても、まだチケットを発売はしていないものの、HPでは無観客であることは書かれていない。
コリン・モリカワが優勝した全米プロの1週間後、「CJカップ」が、ラスベガスの有名なシャドークリークGCで開催。
2017年以来毎年、韓国の済州島のクラブ@ナインブリッジズで開催されているが、今年は「CJカップ@シャドークリーク」と命名。「シュライナーズホスピタル・ｆｏｒ・チルドレンオープン」に続いてラスベガスで実施される予定で、これは、1つの都市で連続して大会が開催されるよう同ツアーがスケジュールを組んだ今年2例目だ。
7月、オハイオ州コロンバスのミュアフィールドビレッジGCで、ニクラスがホストを務める「メモリアルトーナメント」の前に、新設の「ワークデイ・チャリティーオープン」を開催したのだ。
海外への移動をなくすために「CJカップ」を韓国から米国へ移したのに続き、日本で開催予定だった「ZOZOチャンピオンシップ」もカリフォルニアのシャーウッドCCで開催されることになった。
中国・上海の「WGC−HSBCチャンピオンズ」に関しては、米国で開催することを望まず、開催中止となった。
今のところ、2021年に延期された夏季オリンピックのスケジュールや競技に関して新たな変更はない。
アジアの都市で初めてオリンピックが2回開催される（初回は1964年）東京では、今年の7月から8月にかけて大会が実施されているはずだったが、コロナの影響で今のところ2021年7月23日～8月8日に開催される予定である。
男女ゴルフ競技は、いずれも霞ヶ関カンツリー倶楽部で72ホールに渡り行なわれる予定だ。各々60名の選手が参加し、男子の競技は7月29日～8月1日に、女子の競技は8月4～7日に実施される。
今年はウイルス感染拡大によりツアー活動を中断する決断を下したPGAツアーCEOのジェイ・モナハン氏。選手の安全を守るためのコロナ対策など、迅速に活動している。
11月開催の無観客の「マスターズ」はどうなる？
「マスターズ」の話に戻るが、この大会はこれまで4月以外の月に開催されたことがない。
だが今年は11月に無観客で開催される。
オーガスタナショナル委員長は「最終的に、11月の時点でパトロンやゲストをコースに迎えることの潜在的リスクは、あまりにも大きすぎると判断した」と語っている。
タイガー・ウッズが、「ZOZOチャンピオンシップ」同様、「マスターズ」でもディフェンディングチャンピオンとして注目されるだろうが、今年は静寂の中でプレーすることになる。
ポール・ケイシーは、「非現実的な雰囲気」になるだろうと予想している。
2007年の「マスターズ」優勝者、ザック・ジョンソンは、次のように語る。
「無観客という現実を受け止められないし、今年はマスターズがない、ということも考えられないね。木曜日から日曜日まで、そこに観客たちがいれば楽しいだろうけど……。私たちのスポーツには、計り知れないエンターテイメントとしての価値があり、観客達のエネルギーが必要なんだ」
「〝無観客開催〟を聞いて悲しかったね」と今年、ツアー2勝を挙げているウェブ・シンプソン。
「関係者が多くの様々な事柄をやりくりし、最善の判断をしようとしていることは理解しているけど、ファンが非常に大きな役割を果たしているし、ゴルフ場の至るところから聞こえる歓声がないのは寂しい」
選手達もゴルフファンが帰ってくる日を心待ちにしている。
2020年内のPGAツアー・スケジュール
9/10～9/13 セーフウェイオープン
9/17～9/20 全米オープン
9/24～9/27 コラレス・プンタカナリゾート＆クラブ選手権
10/1～10/4 サンダーソン・ファームズ選手権
10/8～10/11 シュライナーズホスピタルズforチルドレンオープン
10/15～10/18 CJカップ@シャドークリーク
10/22～10/25 ZOZOチャンピオンシップ@シャーウッド
10/29～11/1 バミューダ選手権
11/5～11/8 ヒューストンオープン
11/12～11/15 マスターズ
11/19～11/22 RSMクラシック
12/3～6 マヤコバ・ゴルフクラシック
今年の「ZOZOチャンピオンシップ」の会場は、カリフォルニア州のシャーウッドCC。以前、グレッグ・ノーマンがホストを務める「シャークシュートアウト」やタイガー・ウッズがホストを務める「ヒーロー・ワールドチャレンジ」の前身大会が開催されたこともある。
Text/Dave Shedloski Photo/Getty Images, PGA TOUR
