LIV Golf Invitational Series LONDON
2022年6月9日〜11日 Centurion Club 7047ヤード・Par 70
今、世界のゴルフ界で話題沸騰の「LIVゴルフ」ついに開幕!
サウジアラビアの新リーグとして、開幕前から世界中のゴルフ界で大きな話題となっていた「LIVゴルフインビテーショナルシリーズ」が6月にロンドンでついに開幕した。
グレッグ・ノーマン率いるLIVゴルフ側とPGAツアーとの軋轢もますます激化しているがLIVゴルフとは一体どんなイベントで、何を目指しているのか、現地レポートをお届けする。
シャール・シュワーツェル
合計賞金6億4000万円をゲット!
チーム戦はSTINGER GCが優勝
個人戦優勝・約5億4000万円、団体戦優勝・約4億円の破格の優勝賞金
ブランデン・グレース(南ア)
写真左
1988年5月20日生まれ。米ツアー2勝、欧州ツアー9勝。
個人戦優勝
シャール・シュワーツェル(南ア)
写真左から2番目
1984年8月31日生まれ。2011年「マスターズ」優勝。米ツアー2勝、欧州ツアー11勝。
キャプテン
ルイ・ウーストハイゼン(南ア)写真右から2番目
1982年10月19日生まれ。2010年「全英オープン」で2位に7打差をつけ優勝。スイングの美しさに定評。
ヘニー・デュ・プレシス(南ア)写真右
1996年10月14日生まれ。今季はDPワールドツアー「ISPSハンダ選手権」3位タイ、「カタルーニャ選手権」6位タイなど。世界ランク135位。
前週から現地入りし、入念な準備を経て、団体戦優勝した南アフリカ勢の結束力
優勝したシャール・シュワーツェル(左)と、LIVゴルフ・インベストメンツCEOのグレッグ・ノーマン。
F1のような、1~3位までを表彰するスタイルの表彰式。ロンドン大会の1~3位は全て南アフリカ勢(しかも、チームSTINGER GC)という結果に終わった。シャンパンファイトで祝うへニー・デュ・プレシス(左)、シャール・シュワーツェル(中央)、ブランデン・グレース(右)。
PGAツアーからの出場停止に関する質問が飛ぶと、「長年いい思い出があるツアーに、もう出られないかと思うと残念だ」と悲しげな表情で語っていたシュワーツェル。
メジャー並みの準備で用意周到に優勝
ロンドン郊外のセンチュリオンクラブで、サウジの新リーグ「LIVゴルフインビテーショナル(3日間大会)」の第1戦が開催され、南アの「マスターズ」チャンピオン、シャール・シュワーツェルが優勝。
個人戦での優勝賞金、約5億4000万と団体戦での優勝賞金(4人で約4億500万円を分割)を合わせ、約6億4000万円を獲得した。
「本当にまた勝ちたかった。ここ数年、本当に一生懸命練習してきて、いいゴルフの兆候もあったが、優勝争いに加わることができないでいた。今日も11番までは本当にいいゴルフをしていたが、12番でダブルボギー。その後は我慢のゴルフだった」
37歳のシュワーツェルが最後に優勝したのは、2016年欧州ツアーの「ツワネオープン」と、6年ぶりのこと。
今季のPGAツアーでは、「マスターズ」までの9戦で7回、予選落ちをしているが、「マスターズ」では10位タイに入り、その後、「AT&Tバイロン・ネルソン」で8位、と復活の兆しは見せていた。
シュワーツェルは、今大会に臨むにあたり、同じ南アのブランデン・グレースと前週の土曜日にロンドン入りし、入念に練習していたという。
「疲れたよ。今週はここで月~水曜日までぶっ続けでプレーしたんだ。だから(3日間競技だけど)1週間まるまるプレーして、相当練習していたんだよ。メジャーに出る準備をするのと同じように、今大会の準備も入念にね。メジャーだと、普通ちょっと早く入って十分準備をするから」
今大会は54ホール競技なので、「出遅れると追いつくのが大変。だから3日間、全部いいプレーができないとダメ。そうしないと勝てない」と優勝会見で語っていたシュワーツェル。
3日間大会だが、彼にとってはかなり長い1週間だったようだ。
今大会は、様々なゴルフイベントの中でも過去に例のない、異例ずくめのものだった。
3日間大会(54ホール)で、毎日14時15分にショットガンスタート。
競技はストロークプレーで行なわれるが、各プレーヤーは12組のいずれかのチームに属すことになっている。
団体戦があり、個人戦の優勝賞金は約5億4000万円、団体戦の優勝賞金は約4億500万円である。
今後、年内にあと7試合の「LIVゴルフインビテーショナル」が行なわれることになっているが、ルイ・ウーストハイゼンがキャプテンの、南ア勢だけで構成された「スティンガーGC」は、次のポートランド大会でも同じメンバーで出場。
団体戦2位に終わった。ロンドン大会の団体戦で優勝した「スティンガーGC」キャプテンのルイ・ウーストハイゼンは個人戦で10位タイだったが、他の3人で1~3位を独占したことで、南ア勢が圧勝。
かつて「プレジデンツカップ」で得点頭だった南ア勢が、LIVゴルフの団体戦でも強さを見せた大会となった。
個人戦・最終成績
優勝 | シャール・シュワーツェル | Stinger | 400万ドル |
2位 | へニー・デュ・プレシス | Stinger | 212万5000ドル |
3位 | ブランデン・グレース | Stinger | 127万5000ドル |
ピーター・ユーライン | Crushers | 127万5000ドル | |
5位 | サム・ホースフィールド | Majesticks | 97万5000ドル |
6位 | オリバー・ベッカー | 4 Aces | 73万7500ドル |
エイドリアン・オタエギ | Torque | 73万7500ドル | |
8位 | ダスティン・ジョンソン | 4 Aces | 62万5000ドル |
9位 | テーラー・グーチ | Torque | 58万ドル |
10位 | ルイ・ウーストハイゼン | Stinger | 51万6667ドル |
13位 | 木下稜介 | Punch | 31万5000ドル |
15位 | 香妻陣一朗 | Smash | 24万5000ドル |
22位 | セルヒオ・ガルシア | Fireballs | 17万ドル |
29位 | リー・ウエストウッド | Majesticks | 15万8000ドル |
33位 | フィル・ミケルソン | Hy Flyers | 14万6000ドル |
38位 | 谷原秀人 | Iron Heads | 13万6000ドル |
48位 | アンディ・オグレトリー | Torque | 12万ドル |
*最下位は48位で、賞金約1600万円獲得。
Text/Eiko Oizumi
大泉英子
「ゴルフ・グローバル」編集長。国内男子、海外ツアー取材をメインに、男・女・シニア、海外メジャー取材は100試合以上。全米ゴルフ記者協会、日本ゴルフジャーナリスト協会会員。