Italy イタリア
ワインとパスタと世界遺産
牧歌的ゴルフのススメ
イタリアといえば、サッカーが盛んな国のイメージがあるが、ゴルフにおいては、ヨーロッパで8番目にゴルフ場数が多い国である（2021年のR&A調べによれば、312コース）。
そして来年は、イタリア初の「ライダーカップ」がいよいよ開催！
おいしいワインとパスタ、美しい風景……そして古代遺跡の数々が魅力のイタリア。
そんな魅惑の地でゴルフも楽しめば、最高の思い出になること間違いない。
2023年「ライダーカップ」の開催地、マルコ・シモーネゴルフ＆CC。ローマ市街から車で約30分の場所にある。
シチリア島アグリジェントの「神殿の谷」とライダーカップのトロフィー。
「ローマの休日」などで有名な観光スポット「トレビの泉」。右手にコインを持ち、後ろ向きにコインを左肩越しに泉へ投げ入れると願いが叶う、という言い伝えがある。
イタリア北東部に位置するベネチア（ベニス）。「水の都」「アドリア海の女王」などと呼ばれることもある。
「ピサの斜塔」はトスカーナ州ピサ市にあるピサ大聖堂の鐘楼で、世界遺産。高さ55.86メートル、階段は296段。現在は3.97度の傾斜に改修されている。地盤の土質が極めて不均質だったことにより傾斜した。
南ヨーロッパに位置する共和制国家で、北はスイスとオーストリア、西はフランス、東はスロベニアと国境を接している。南は地中海に面しており、国土には独立国としてバチカンとサンマリノが存在。ヨーロッパにおける古代文化の発祥地の一つとして知られ、世界的な文化大国の一国に数えられている。
マルコ・シモーネゴルフ＆カントリークラブ
Marco Simone Golf & Country Club
ファッションデザイナーが所有していた古城を見下ろす、イタリア随一のチャンピオンシップコース
DPワールドツアー（欧州ツアー）「イタリアンオープン2021」の開催地でもあるマルコ・シモーネゴルフ＆CCのフィニッシングホール。すでに、「ライダーカップ」の看板も、コース内で目にすることができる。
ローマ郊外の田園風景の中に広がるマルコ・シモーネ。自然のアンジュレーションを生かしたレイアウトとなっている。写真は15番ホール。
2021年「イタリアンオープン」に出場したトミー・フリートウッドとフランチェスコ・モリナリ。2018年の「ライダーカップ」で大活躍し、欧州チームの優勝に貢献した「モリウッドコンビ」は復活なるか?!
11世紀に建てられたマルコ・シモーネ城をコース内から見ることができる。コース名はこの城にちなんで付けられた。
歴史と伝統を感じながらプレーできるローマの名コース
ローマから車で30分以内のマルコ・シモーネG&CCは、2023年の「ライダーカップ」開催地として注目を集めているコースだ。
ここはもともとイタリアのファッションデザイナーのローラ・ビアジョッティ氏と、夫のジャンニ・チーニャが所有していた土地で、彼らはこの地に立っていた11世紀の古城を改装して自宅にしていたが、その「マルコ・シモーネ城」の名前にちなんでコース名が付けられた。
１９８９年にコースはオープン。１９９４年、2021年の２回、「イタリアンオープン」を開催している本格チャンピオンシップコースである。
「ライダーカップ」開催コースに決まった後でコースは改造され、メンズティーは４か所、レディースティーは３か所増設された。
コースからは、歴史的なマルコ・シモーネ城を見ることができるだけでなく、バチカンのサンピエトロ寺院も遠くに望むことができるという。
世界遺産や古代からの歴史的建造物が多く立ち並ぶローマならではの楽しみも味わえるゴルフ場だ。
●コース：7321ヤード・パー72
●住所：Via di Marco Simone,84/88 00012 Guidonia, Rome Italy
●HP：https://www.golfmarcosimone.com/?lang=en
●備考：1989年オープン。ジム・ファジオ設計。18ホールのチャンピオンシップコースと、9ホールのリゾートコースの合計27ホール。ローマ市街から車で約30分。レストラン完備。
MAP A
アルジェンターリオ・ゴルフリゾート＆スパ
Argentario Golf Resort & Spa
イタリア屈指のワインの宝庫トスカーナでゴルフも楽しむ
2008年にオープンしたゴルフリゾート。ゴルフ場のほか、各種ホテル、ビラ、レストラン、プールなどを完備し、子供から大人まで家族全員で楽しめるリゾートとなっている。
地中海を見下ろしながらティーショットを放つ、3番ホール。
クラブハウス内のレストランでは特に、心身ともに健康になるためのヘルシー料理を提供している。滞在中、ワインテイスティングやクッキング教室も楽しめる。
ダマダマレストランでは、トスカーナ地方の料理やおいしいワインを味わうことができる。
南トスカーナ地方で豪華なゴルフステイを
ローマ国際空港から車で90分の南トスカーナに、間取りやインテリアのバリエーション豊富なヴィラやホテルを備えた一大ゴルフリゾートがある。
アルジェンターリオ・ゴルフリゾート＆スパだ。
コースはイタリアで唯一のPGA公認コースで2019年から名称変更となった「PGAナショナル・イタリア」。
地中海を眺めながらティーショットを打っていく爽快感あふれるホールもあり、リゾートゴルフにピッタリの場所だ。
プレー後は、ダマダマレストランで景色を眺めながら、トスカーナ地方ならではのおいしいワインと料理をぜひ味わいたいところ。
スパもあるので、昼夜を問わず、ゴルフリゾートを満喫できる。
●コース：6218メートル・パー71
●住所：Le Piane, 58019 Porto Ercole (GR) Italy
●HP：https://www.argentarioresort.it/en/
●備考：ローマ国際空港から車で90分。18ホールを有するゴルフ場名は、現在「PGAナショナル・イタリア」に変更されている。
MAP B
ベルドゥラリゾート
Verdura Resort
名匠カイル・フィリップスが造りあげた「シチリアの楽園」
美しい地中海を望むベルドゥラリゾート。2017年欧州ツアー「ロッコフォルテ・シチリアオープン」開催コース（優勝はアルバロ・キロス）。設計家カイル・フィリップスの傑作の一つだ。
ゴルフに疲れたら、白砂が美しいビーチでのんびり過ごすのもいい。
美しいコバルトブルーの地中海沿いに2キロにわたって続くベルドゥラリゾート。ビーチアクティビティも楽しめる。
バルコニー付きのデラックスルーム。部屋からは地中海とコースを眺めることができる。
ホテルの他に、豪華ヴィラも立ち並ぶリゾート内。人数や予算に応じて、各種部屋が用意されている。
海風を感じながら、爽快にナイスショットしたい。
クラブハウスのレストランでは、美しい夕焼けを眺めながら、おいしいワインと新鮮な魚介類を楽しむ至福の一時を過ごせる。
シチリア産の材料を使ったスパを体験できる。宿泊とセットになったパッケージを予約するとお得だ。
地中海に面した美しいウエストコースの17番ホール。
全45ホールのイタリア屈指のゴルフリゾート
ブーツ型のイタリアの「ツマ先」のすぐ近くにあるのが、地中海最大の島で、マフィア映画で有名なシチリア島。
この島に有名米国人設計家カイル・フィリップスによって造られた45ホールの巨大な「ベルドゥラリゾート」がある。
２つの18ホール・チャンピオンシップコース（イースト＆ウエスト）に9ホールのパー３コースを備える五つ星ゴルフリゾートだ。
2012年に「シチリアオープン」が開催され、デンマーク人のトービヨン・オルセンが優勝。
イタリアのベストゴルフリゾートにも選ばれ、米国ゴルフ誌で「世界のベストゴルフリゾート」の19位にランクインしたこともある。
プレー後は美しい地中海を眺めながらビーチでのんびりするもよし、レストランでシチリアワインや新鮮な魚介類を楽しむもよし。
そして夜は豪華で快適なスイートルームでゆっくり疲れを癒すのが、シチリアのゴルフリゾートの楽しみ方だ。
居住するようにステイできる快適リゾート
シチリア島南西部の美しい海岸線に広がる楽園「ベルドゥラリゾート」。
230ヘクタールの広大な敷地にゴルフ場やホテル、ヴィラなどが完備されているが、ロッコフォルテホテル内はイタリア風の調度品やインテリアでまとめられ、快適でリラックスした空間を演出している。
ホテルの客室は156室で、スイートは29室。空港送迎などもあるので便利だ。
シチリアを訪れる機会があるなら、一度は訪れたいシチリアの隠れ家だ。
●コース：7396ヤード・パー73（イーストコース）、7160ヤード・パー70（ウエストコース）
●住所：S.S. 115 Km 131 Sicily, Italy
●HP：https://www.roccofortehotels.com/hotels-and-resorts/verdura-resort/golf/
●備考：シチリア島パレルモ付近のファルコーネ・ボルセリーノ空港から車で約１時間半。人数や用途に応じて、各種スイートルームのタイプを選ぶことができる。ゴルフアカデミー完備。
MAP C
ゴルフクラブ・カレッツァ
Golf Club Carezza
100年以上前に造られた歴史的な山岳コース
イタリア北部（南チロル）のドロミーティ山地にある山群「ローゼンガルテン」の裾野に広がるカレッツァ。
アルプス山脈の一部を見ながらプレーできる。
山に向かって打てる練習場も完備。
手引きカートを利用してプレーするゴルファーたち。
アルプスのパノラマビューがドーンと迫る山岳コース
オーストリアとの国境にほど近い南チロルに位置するカレッツァは、開場して100年以上経つ歴史的な9ホールのコースだ。
ヨーロッパの貴族たちが南チロルでゴルフをするようになり、アルプス山脈の裾野にゴルフ場を造ったのだが、第一次世界大戦～第2次世界大戦中は、ほとんど廃墟のようになってしまったそうだ。
しかし第二次世界大戦後、南チロルの人々は再びこの地にゴルフを復活させた。
海抜1680メートルという高地で、しかもコース内の高低差が400メートルあるため、9ホールのコースとはいえ、健康体でないとなかなか厳しい。
その上、コースは狭いため、ゴルフのスキルも必要だ。
だが、目の前に迫るアルプス山脈を見ながらのプレーは、他ではなかなかできない貴重な体験だ。
●コース：2670メートル・パー70(9ホール)
●住所：Via Carezza 171 39056 Nova Levante Bolzano, Italy
●HP :https://www.golfandcountry.it/en/the-mountain-beast-golfclub-carezza/
●備考：オーストリアとの国境付近に位置。オープンして100年以上経つが、2017年に改修。9ホールコース。
MAP D
アントグノーラゴルフ
Antognolla Golf
イタリアのベストコースとも称されるロバート・トレント・ジョーンズJr.設計コース
2019年「PGAイタリア選手権」開催コース。最近、排水システムを導入し、1年を通して降雨でもラウンドが可能になった。写真は6番ホール。アントグノーラ城がコースから見える。
ドライビングレンジの他、ショートゲーム練習場もあり、PGAプロによるレッスンも受けられる。
コース付近にはヴィラやホテルもあるので、宿泊してじっくりゴルフを楽しみたい。
イタリアの夕食には、ワインは欠かせない。
イタリアのど真ん中に位置する巨匠の傑作
イタリアのど真ん中に位置するペルージャから車で20分程のところに、山々に囲まれた「隠れた宝石」が存在する。
世界的に有名な設計家ロバート・トレント・ジョーンズJr.が手掛けたアントグノーラゴルフだ。
ここはイタリアだけでなく、ヨーロッパでも高い評価を受けているコースで、2019年に「PGAイタリア選手権」が開催された本格チャンピオンシップコース。
数年前に排水システムを改良し、水捌けがよくなったため、通年でいつでもプレーが可能になった。
そしてコース名の由来になったアントグノーラ城は12世紀のもので、コースからの眺めは美しい。
ゲーリー・プレーヤーもこの地を訪れ、「イタリアで最高のグリーン。景観もすばらしい」と絶賛している。
●コース：6884ヤード・パー71
●住所：Strada San Giovanni Del Pantano 06133 Perugia Italy
●HP：https://www.antognollagolf.com
●備考：ペルージャから車で20分、ローマから車で２時間半。クラブハウス内にレストラン完備。ウンブリア料理を楽しめる。コース付近やペルージャ市内に提携ホテル、ヴィラあり。
MAP E
Text/Eiko Oizumi
