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桂川有人が特別レッスン「アプローチの基本」これさえ押さえれば、寄せワンできる!

今季ツアー初優勝

桂川有人の「アプローチの基本」これさえ押さえれば、寄せワンできる!

©Yoshitaka Watanabe

Yuto Katsuragawa
桂川有人

(国際スポーツ振興協会)
1998年10月9日生まれ。167cm、70kg。日大ゴルフ部出身。2020年プロ転向。
今季は「ISPS HANDA欧州・日本、とりあえず今年は日本トーナメント!」でツアー初優勝。「SMBCシンガポールオープン」で2位タイ。「全英オープン」出場。

グリーン周りまでは順調にきても、そこから大叩きしてダボ、トリプル……になるのでは悔しい。
そこで、スコアメイクの大きなカギを握るアプローチ法を「ISPS HANDA欧州・日本、とりあえず今年は日本トーナメント!」で初優勝を遂げた桂川有人が、教えてくれた。
これさえ押さえておけばグリーン周りで大叩きに悩むことはなくなる!

コロがし
アプローチの基本の「キ」

グリップを短く握り体に近く構えよう!

©Yoshitaka Watanabe

体の近くに手が来るように構えること。間隔が空きすぎると、不安定になる。

©Yoshitaka Watanabe

手が体に近くなるぶん、グリップは短く握ってスムーズに手が動くようにする。

まずはコロがせるかを考えよう

アプローチには上げる・コロがす・ピッチ&ランの大きく分けて3タイプの寄せ方がありますが、アマチュアの方は最も簡単で、ミスの少ない「コロがし」を考えた方がいいですね。
コロがせるなら、コロがした方が絶対にいいです。

コロがす時は、SWなど球が上がりやすいクラブではなく、PWや9番アイアン、あるいはパターなど、ロフトのないものを選びましょう。
そして両足を閉じて構え、球を右足ツマ先前にセット。
パターと同じような感覚で肩のストロークを使ってヒットするのですが、この時、手と体の間隔は空けないようにすることが大切です。

右足前にボールをセットするが、軸は体の中心に来るように。

©Yoshitaka Watanabe

コロがす時は、9番アイアンやパターを使った方がやさしい!

テークバックとフォローではヘッドを低く出すように!

©Yoshitaka Watanabe
©Yoshitaka Watanabe

テークバックでヘッドを上げると、上からコツンと鋭角に入ってトップする恐れがあるので、ヘッドは低く出すこと。

テークバックとフォローでヘッドは低く

テークバックとフォローの大きさは、左右対称になるようにしましょう。
アマチュアはテークバックが大きく、フォローが小さくなる傾向があるので、フォローを長くとるようなイメージでもいいかもしれません。 

また、テークバックとフォローでヘッドを低く出すようにすれば、上からヘッドが入ってトップするなどのミスがなくなります。
右足前にボールをセットし、あとは体重移動することなくヘッドを低く動かしてやれば、安定した軌道でヒットすることができるようになるでしょう。

①右足ツマ先前にボールをセットし、両足は閉じたままでOK。左足体重にして構えること。

②左足体重のまま、軸を体の中心に感じながらヘッドを低くテークバック。

③体重移動はせずに、肩の振り子でヘッドを元の場所に戻してくれば、正確にヒットできる。

④打った後も、ヘッドアップせずにボールがあった場所を見続けるくらい頭を残そう。

ピッチ&ラン
少し上げて寄せたいときに……

ボールは右足ツマ先前両足はあまり広げない

©Yoshitaka Watanabe

左足体重に構えますが、ボール位置は右足寄りなので軸は自然と体の中心になります。

右足ツマ先前にボールをセットする。

©Yoshitaka Watanabe

右足体重で、すくい打ちしてはいけない。

©Yoshitaka Watanabe

ピッチ&ランでは、SWよりもPWの方がオススメ

コロがしと同様右足前にボールをセット

ピッチ&ランは、ピンまで少し距離がある時や、ボールとカップの間に深いラフやグリーン上の読みが難しい傾斜がある場合に、それらを越えて寄せたいときに有効です。

ボールの位置は、右足ツマ先前、とコロがしの時と変わりませんが、少し距離があるぶん、スタンスを若干開いて構えた方が打ちやすいでしょう。
10ヤードくらいの距離なら、パター同様、肩のストロークの延長で、ほとんどスタンスを広げなくてもいいくらい。
右足寄りに置いているので、小さい振り幅でもボールに当たりやすくなっています。

ピッチ&ランで大事なことは、軸をブレさせずに打つこと。
中途半端な距離を打つことが多いので、体の真ん中に軸を感じながら、頭の位置を変えないように意識しましょう。

左足体重のままフォローまで変えずに打つ

©Yoshitaka Watanabe

左足1本でも打てるくらいの左足体重で打ちましょう

ボールを投げるようにヘッドで運ぶ

ピッチ&ランでも、コロがし同様、左足体重に構えたまま打つとやさしく寄せられます。

これがボールを上げたいからといって右足体重になると、フェースが開いて球が上がりすぎ、ショートしてしまいます。
また、すくい上げようとすると、手前でダフってチャックリ、あるいはトップなどのミスが出て、大叩きの元。左足体重に構えたら、そのままフォローまで変えずに打つことが大切です。

このとき、ボールを目標に向かって投げてやるような意識で、体の回転なりにフォローを取ること。
あまりにも真っすぐに打ち出そうとして、手先だけで打ち出してしまうと、体の回転が止まり、軸もブレてしまいます。
体重移動は考えずに、左足体重のまま打ちましょう。

©Yoshitaka Watanabe

手先で真っすぐに出そうとしすぎると、ワキが空いてシャンクするなどのミスが出る。

©Yoshitaka Watanabe

左足体重のまま、ボールを目標に向かって運ぶようにヘッドを出す。

①右足ツマ先前にボールをセット。距離に応じて若干スタンスを広くする。

②軸を体の真ん中に感じながら、テークバックする。打ち急がないように注意。

③体重移動や足の送りなどは考えずに、体の回転なりにヒットする。この時も左足体重のまま。

④打ち終わってから球の行方を追うこと。テークバックとフォローの振り幅は左右対称。

ロブショット
バンカー越えや池越えで便利!

フェースをほんの少し開いて左に思い切り振り抜こう!

©Yoshitaka Watanabe

フェースを開き、オープンスタンスに構えたら、あとは躊躇せずに大きく振り抜くこと。思ったよりも距離は出ない。

©Yoshitaka Watanabe

球を高く上げようと、つい右足体重になり、すくい打ちしたくなるがこれはダメ。

©Yoshitaka Watanabe

目標方向に対してフェースを少し開いて構える。

アドレスで上げる体勢を整えたら、あとは信じて打つ

ロブショットはアマチュアにとって最も難しいアプローチだと思います。
フェースをプロのように思い切り開くのは、難しいかもしれませんが、ほんの少しでもいいので開いてみましょう。
またスタンスは目標に対してオープンに(左に向くような感じ)。
ボール位置は、左足カカト延長線上で構えることがカギです。
こうしたアドレスを作っておけば、あとは躊躇せずに大きく振り抜くこと。
途中でスイングが緩むと球が高く上がらない原因にもなり、シャンクやトップなどミスも誘発します。
構えたらあとは球が上がると信じて最後まで振り抜くこと。
きちんとフェースが開けていれば、思ったほどは飛びません。練習場で距離感をつかんでおくといいでしょう。

①若干スタンス幅を広げ、ボールは左足カカト延長線上に。目標に対してオープンスタンスに。

②体の軸を真ん中に感じながら、頭の位置を変えないようにテークバックする。このとき、手首を使って上げずに体の回転なりに。

③状況にもよるが、このくらいのテークバックでもフェースを開いているので20ヤードほどしか飛ばない。

④球を高く上げようと、右足体重のすくい打ちにならないように注意。上げる体勢をアドレスで作っているので躊躇せずに振り切る。

⑤左に向かって思い切り振り抜くこと。スイングの途中で「飛びすぎたら怖い」と、スイングを緩めるなど躊躇するとミスする。

Tournament/ISPS HANDA Championship in Japan
Text/Eiko Oizumi
Photo/Yoshitaka Watanabe

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