ポストタイガーのマキロイ
聖地で勝てず、大泣き
最終日、ビクトル・ホブランと首位タイ発進したローリー・マキロイ。
地元の人々の声援を一身に受けながら聖地セントアンドリュースでの勝利を、誰よりもつかみたかった彼だが、実現せず。
人前では気丈に振る舞っていた彼も、妻の前では涙が溢れて止まらなかったという。
練習日に行なわれた「チャンピオンズチャレンジ」では、タイガー・ウッズとにこやかにラウンド。ポストタイガーを叫ばれて久しいが、メジャー5勝目は今年もお預けとなった。
17番、名物のロードホールでは、グリーン右横の道路からアプローチしてパーセーブした。
彼の宿泊していた部屋から、この黄色いリーダーボードがよく見えたのだという。3日目を終えて、マキロイの名前は一番上に載っていた。
2014年の「全米プロ」を最後に8年間、メジャー優勝から遠ざかっているローリー・マキロイ。
今年は「マスターズ」2位、「全米プロ」8位、「全米オープン」5位タイと、ここまで全てトップ10入りを果たし、好調ぶりをアピールしてきたが、「全英オープン」ではまたしても、優勝することはできなかった。
「ガッカリだよ。そんなに悪いプレーはしていなかったけど、いいプレーもできなかった。自分は今週、もっといいプレーをしていた選手に負けただけ。セントアンドリュースでの4ラウンドで、20アンダーを記録し、今日は64を叩き出した、本当に素晴らしいプレーをしていた選手に……」
「過去3日間に比べて、今日はパターが入らなかった。できるだけ我慢強くプレーし、いいパットもしていたけど、ただそれが入らなかったんだ」
北アイルランドはイギリス領であり、彼の優勝は地元のファンたちからも大いに期待されていた。
プロゴルファーなら誰もが、聖地セントアンドリュースでの「全英オープン」を格別な思いでプレーするし、その優勝はゴルフ人生の最大のハイライトと言っていい。
最終日は5万人のギャラリーに見守られ、3位に4打差の首位タイでスタートしたが、キャメロン・スミスの猛追に太刀打ちできず、3位に。
優勝を逃した彼は、潔くキャメロン・スミスの優勝をたたえ、記者会見でも気丈に振る舞った。
落胆した姿を見せずに淡々と記者からの質問に答え、その場を後にしたのだが、その後、米国ゴルフサイト(golf.com)によれば、彼はエリカ夫人に抱きしめられ、涙が溢れて止まらなかったそうだ。
「生まれて初めて出場したメジャーが全英オープンであり、優勝するのを夢見てきた」とマキロイ。
グランドスラムを達成するためには「マスターズ」優勝も必要だが、英国生まれの彼には、聖地での「全英オープン」優勝もまた大きなミッションの一つなのだ。