2022 PGA HANDA CUP・フィランスロピー障害者ゴルフ大会
「障害者にゴルフを通じて、生きがいや生きる喜びを感じてほしい」
―ISPS 半田晴久会長
左腕1本でスイングする大岩根正隆さん。ゴルフ歴は10年。パラリンピック・スノーボードで8位に入賞したことがある、パラリンピアンだ。
全盲、あるいは弱視の障害者にはガイドがつき、ボールのセットアップを補助する。
世界障害者ゴルファーランキングで、41位(10月16日現在)のプロゴルファー小山田雅人。右手を失い、義手を装着。
義足をつけてプレーを楽しむ下肢障害者ゴルファー。ゴルフは老若男女、健常者でも障害者でも楽しめる唯一のスポーツだ。
下肢障害部門で優勝した飯塚正純さん(中央)。右隣の秋山卓哉さんは、ハーフ37をマークしたが、新ペリア方式の競技方法により、ハンデに恵まれず2位に。
パラリンピアンの山本篤さん(右)と小須田潤太さん(左)。中央はティーチングプロB級で2人の師匠の吉田隼人。山本さんは「大腿義足の鉄人」と呼ばれ、リオ・パラリンピックでは走り幅跳びで銀メダルを獲得。
障害者ゴルフの活性化を目指して
聴覚や視覚、上肢、下肢、内部に障害を持つゴルファーだけが出場できる「PGA HANDA CUP・フィランスロピー障害者ゴルフ大会」が、10月11日、都内の若洲ゴルフリンクスで開催された。
競技方法は9ホールストロークプレー(新ペリア方式)による個人戦で、全80名が参加。
18ホールをプレーするが、障害別にアウトコースのみ、あるいはインコースのみの9ホールのスコアを採用する。
本大会は1999年に第1回大会を開催し、今年で19回目を数える(ISPSがスポンサーを務めるようになってから今年で10回目)。
日本プロゴルフ協会は、フィランスロピーの精神のもと、社会貢献を積極的に行ない、現在では全国各地でフィランスロピー地区事業、障害者ゴルフ大会など、さまざまなイベントを実施している。
ISPS半田会長は「毎年、こうした大会があると、皆様の大きな励みになると思うし、一人ひとりの技術が向上して、障害者ゴルフ全体が活性化する」と語っている。
レベルの向上という意味では、近年、パラリンピックに出場経験のあるアスリートたちがゴルフを始めるケースが多く、たった3年で70台~80台前半で回る障害者ゴルファーも存在する。
これまで障害者ゴルファー向けの競技の中では上位に顔を出す面々も、このパラリンピアンゴルファーたちには脅威を感じており、「うかうかしてはいられない」と語る。
2022年10月11日/若洲ゴルフリンクス(東京都)
主催:日本プロゴルフ協会
共催:国際スポーツ振興協会(ISPS)
●内部障害部門 上位3名
①斉藤良幸 35.4(グロス39)
②柳澤勝衛 36.2(グロス41)
③木下慎司 37.6(グロス40)
●下肢障害部門 上位3名
①飯塚正純 34.0(グロス40)
②秋山卓哉 34.6(グロス37)
③元木健二 35.6(グロス38)
●上下肢障害部門 上位3名
①井上和正 36.8(グロス50)
②細井正孝 37.4(グロス47)
③岡部幹廣 38.0(グロス44)
●聴覚障害部門 上位3名
①岩崎善徳 35.2(グロス40)
②酒井喬康 35.6(グロス38)
③鈴木雅巳 35.6(グロス50)
●上肢障害部門 上位3名
①鈴木健寿 36.0(グロス54)
②佐藤大助 36.4(グロス40)
③木田橋勝二 37.4(グロス53)
●視覚障害弱視部門 上位3名
①奥冨勝美 38.2(グロス55)
②葛貫重治 39.4(グロス49)
③永田直行 39.6(グロス48)
●視覚障害全盲部門 上位3名
①石内利光 37.8(グロス51)
②千木良孝之 45.0(グロス63)
③土屋豊治 46.0(グロス64)
Text & Photo/Eiko Oizumi