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【初心者からベテランまで】ツアー屈指のショットメーカー・今平周吾&杉山知靖がドライバーの「基本とミス対策」をレッスン

©Yoshitaka Watanabe

今平周吾
1992年10月2日生まれ、165cm、67kg。埼玉県出身。2018年~2019年と2年連続で賞金王。今年は、「アジアパシフィックオープン・ダイヤモンドカップ」「ゴルフパートナー PRO-AM トーナメント」で優勝。賞金ランク 11位。ツアー通算7勝。ダイヤ所属。

©Yoshitaka Watanabe

杉山知靖
1993年4月28日生まれ、173㎝、75kg。神奈川県出身。2021年7月にABEMAツアーで初優勝すると、10月の「ブリヂストンオープン」でレギュラーツアー初優勝。今年は「全米オープン」にも挑戦した。賞金ランク28位。ツアー通算1勝。中央日本土地建物グループ所属。

※プロフィールのデータは11月6日現在のもの。

初心者から上級者まで役に立つ!
ミート率を上げて飛ばすための基本を、元賞金王の今平周吾が、応用編では、コースで急に出るミスの対処法を杉山知靖が教えます。
初心者から上級者まですぐに役立つヒントは、まさに目からウロコ。
「ドライバーが飛ばなくなった」と悩んでいるベテランゴルファーにも是非読んで欲しいレッスンです。

今平周吾の 芯食いドライバーの基本

©Yoshitaka Watanabe

まずはドライバーの基本を押さえて、いかにスイートスポットで球をとらえるかをレッスン。腕力に頼らず、ミート率を上げて飛ばすコツを、ショットの精度に定評のある今平周吾が教えてくれた!

ボール位置は、「左足カカト線上」が基本!

構える時に、正しく方向取りさえできれば、力任せに振らなくても、フェースの芯でボールをとらえ、飛距離を出すことができる。

ティーアップの高さは、ボールがヘッドから半分出るくらい

©Yoshitaka Watanabe

ボールを左足カカト線上にセットすれば、両肩を結んだライン、両足を結んだラインがそれぞれ、飛球線(ボールと目標を結んだ目標ライン)と平行になる。

アドレスする時、目標に対してスクエアに正しく方向取りをするために、ボールの位置を常に「左足の内側のカカト線上」にすることが大切です。
常にこの位置にあれば、アドレスした際に、両肩を結んだライン、両足を結んだラインがそれぞれ、ボールと目標を結んだ線と平行になるように構えられます。

次にティーアップの高さですが、常にボールがヘッドから半分くらい出るくらいにセットしてください。
ティーが低くすぎても、高すぎても、フェースの芯で当てにくく、低いとスライス、高いとテンプラになりやすいのです。    

これでセットアップは完了。次は、クラブをどう振れば、芯に当てられるのかをお話ししましょう。

©Yoshitaka Watanabe

ヘッドからボールが半分出るくらいのティーアップの高さにすると、ボールを芯でとらえやすい。

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ボールが「左足カカト線上にある」か、必ず確認すること。正しい方向取りがしやすくなる。

©Yoshitaka Watanabe

ティーアップが低いと、スライスしやすいので注意。

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ティーアップが高いと、ヘッドの上の方に球が当たり、テンプラしやすい。

体が起き上がらないように注意し、小さなトップでコンパクトに飛ばす!

ミート率を上げるためには、トップで体が起き上がらないようにスイングすること、だと今平は語る。

体の硬い人は無理して大きなトップを作る必要はない

©Yoshitaka Watanabe

体の硬い人は、両手が右耳の高さと同じくらいのトップでよい。右足に体重を乗せて、背中が目標を向くくらい左肩を回せば、芯を食ったボールが打てて飛ばせる。

©Yoshitaka Watanabe

柔軟性のある人は、両手が頭のてっぺんまで上がるような、高いトップを作ろう。体が伸び上がることなく、大きなトップを作れば、最大限に飛ばせる。

両手が右耳の高さと同じくらいのトップでも、両手が頭のてっぺんまで上がるようなトップでも、上体さえ起き上がらなければ、芯食いショットが打てる正しいトップです。
どちらの場合も背中が目標を向くくらい左肩を回せていればOK。
右足に体重がしっかり乗って、捻転によるパワーを実感できるはずです。

ここで、一番やってはいけないのは、体が起き上がってしまうこと。
飛ばしのパワーが逃げ、アドレスした時の前傾角度が崩れることで、芯を食う確率(ミート率)が落ちてしまいます。
特に、体の硬い人は無理して大きなトップを作る必要はありません。
体が起き上がらない程度のトップの大きさで十分に飛ばすことができるのです。

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両ヒジを突っ張ることなく、柔らかく使って、ほどよくヒジを曲げながらクラブを振ろう。

©Yoshitaka Watanabe

テークバックやダウンスイングで両腕に力が入り、両ヒジが硬くなると、体が伸びて起き上がりやすくなる。

左ワキを締め、左肩が浮かないトップを作ろう

体が起き上がる原因は、左ワキと左肩にあるという。
テークバックで左腕が回転しないように注意すると、体は伸び上がらない。

体が起き上がらないよう左肩を回す

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トップの大きさに関係なく、「左ワキの締め」「浮かない左肩」が芯食いドライバーショットの必要条件だ。

トップの大きさに関わらず、体が伸び上がらないようにするには、テークバックで左腕を右(内側)に回転させないことです。 

体が起き上がるのは、トップで左ワキが開き、左肩が浮いてしまうから。
テークバックで、左手の甲が上を向くように左腕を右に回しながらクラブを振り上げると、そうなってしまうのです。

テークバックでは、できるだけ上半身の力を抜き、両肩に力が入らないようにしましょう。
両腕を突っ張ることなく、アドレスした際に軽く左ワキを締めた感じをキープしながら、左腕を体と一体化させ、クラブを振り上げるのがコツです。
体の左サイドが沈み込むようなイメージがあると、体の伸び上がりは防げます。

©Yoshitaka Watanabe

大きなトップを作っても、体が伸び上がると、飛ばしのパワーが逃げてしまい、ヘッド軌道も不安定に。また、スイング軌道も狂いやすく、ミート率が下がって飛ばなくなる。

©Yoshitaka Watanabe

ミート率を上げたいなら、体が柔らかい人でも右足に十分体重を乗せ、敢えて小さいトップを作るのもいい。

体と腕の動きを一体化させ、クルッと体を回すと、ミート率が上がる

ここではダウンスイングからフォローにかけての注意点を解説。
これで芯食いドライバーのスイングが完結!

トップで切り返したら、インパクトまでは右足体重が正解

©Yoshitaka Watanabe

ダウンスイングでも両肩・両腕に力を入れず、左ワキを締めたまま、体を回転させよう。力任せに振ると左ワキが開き、スイングがカット軌道になってスライスに。

体が起き上がらないようにトップを作ったら、その状態をキープしてクラブを切り返し、さらにダウンからフォローにかけても体が伸び上がらないように注意。
そうすれば、初心者でも上級者でも、常に芯を食ったドライバーショットが打てます。

この時、切り返しで左足に一気に体重移動をしないこと。
早く打ちたい気持ちを抑え、決して打ち急がないことが大切です。
ダウンスイングでは、大きな遠心力が働いてクラブが体から離れようとするので、それを防ぎながら左ワキを締め、クルッと体を左に回転させましょう。
この時、両腕に力を入れてクラブを速く振ろうとしないこと。

©Yoshitaka Watanabe
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切り返したら、ダウンスイングで体重を一気に左に移動させない。インパクトまでは右足体重のまま、ダウンスイングするのが正解。

©Yoshitaka Watanabe

ダウンスイングからフォローにかけて、自然と遠心力が働くので、力任せに振るとクラブが体から離れやすく、軌道が不安定に。左ワキは締め、ヒジを柔らかく使うのがコツだ。

杉山知靖のコースで出るミスの対処法

©Yoshitaka Watanabe

ここからは応用編!ツアー屈指のショットメーカー、杉山知靖がコースで出るミス対策について教えてくれた。

スライスが出る時は、ボールをヘッドの先の方にセットする

コースで急にスライスが出たら、ボールとクラブの位置で応急処置。
打つ前のひと工夫で、スライスを出さないようにしよう!

ボール位置を通常より1個分、右に寄せる

©Yoshitaka Watanabe

ボールをフェースの先っぽ(トゥ側)にセットすることで、ダウンスイングでクラブをインサイドから入れやすくなり、ボールを包み込むように打てる。

スイング中、クラブは円運動をし、その中でフェースも開いて閉じる動きをしますが、スライスが出るのは、フェースが開いた状態でインパクトを迎えるから。
それを防ぐには、ボールをヘッドで包み込むように打ちましょう。

ラウンド中、スイングを直すのは容易ではありませんが、そんな時はボールを「左足カカト延長線上」より1個分右に寄せて置き、ヘッドのセンターより先っぽ(トゥ側)にセットすること。
こうすると、ダウンスイングでクラブをインサイドから入れやすくなるので、ボールを包み込むように、フェースが閉じた状態で打てるようになります。
これで、スライスを抑えることができるのです。

©Yoshitaka Watanabe

スライスが出たら、ボールを「左足カカト延長線上」より1個分右足寄りにセットしよう。

©Yoshitaka Watanabe

スライスする時は、フェースが早く閉じる位置(右足寄り)にボールを移動させると、球がつかまるようになる。

スライスの直し方

グリップエンドがボールを指すイメージで振り下ろすと、スライスは出ない

ダウンスイングのイメージをちょっと変えるだけで、スライスを防ぎ、つかまったボールが打てるようになると言う。

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グリップエンドがボールより左を指すイメージだと、カット軌道になる

©Yoshitaka Watanabe

グリップエンドがボールを指すようにクラブを振り下ろすと、スライスしない。左に体重を一気にかけて振り下ろそうとすると、グリップエンドがボールの左を指すようなカット軌道になり、スライスに。

ラウンド中に急にスライスが出る時は、フェースが開いた状態でインパクトしているか、またはダウンスイングでクラブがアウトサイドから下りてきて、カット軌道になっているかのいずれか。
前者が原因の対処法は前のページでお話ししたので、ここでは後者についてアドバイスしましょう。

カット軌道を防ぐには、ダウンスイングでは、グリップエンドをボールに向けるようにしてください。
そうすれば、左ワキも締まり、両手を体に引きつけて打てるので、クラブも体から離れずに最短距離で下りてきます。
この時、グリップエンドがボールより左を指すように振り下ろすとカット軌道になり、ヘッドを上から急激にボールにぶつけるようなインパクトに。
それでは球はスライスします。

©Yoshitaka Watanabe

両手が体の近くに下りてくるようにすると、自然とクラブはインサイドから下りてきて、ヘッドでボールを包み込むように打てる。

©Yoshitaka Watanabe
©Yoshitaka Watanabe

スイング中は両ワキが締まり、腕と体の動きは一体に。体の回転で打つので、クラブが最短距離で下りてくる。絶対スライスしないお手本スイングだ。

トップの直し方

スイング中、首の付け根とボールとの距離を一定に保とう

ラウンド中にトップが出たら、どんなことを注意すればいいだろうか?
杉山は、ボールとの距離が大事だと教えてくれた。

トップが出るのはボールとの距離が原因

©Yoshitaka Watanabe

アドレス時に上半身の力が抜けていれば、トップでも体が伸び上がらない。フォローで両手が左腰を過ぎるあたりまで顔を残し、体の伸び上がり、ヘッドアップを防ごう。

まともに当たらない時、とりわけトップがコースで頻繁に出る時は、アドレス時にボールと体の距離が離れ過ぎていないか、あるいは近すぎないかを確認しましょう。

スイング中は、首の付け根とボールとの距離が常に一定になるように注意。
コースでトップが出たら、ダウンスイングでもこの距離が変わらないようにすると、インパクト前に早く体が起き上がるのを防げます。
トップが出たら、フォローで両手が左腰を過ぎるあたりまでヘッドアップせずに、ボールのあった所を見続けているかどうかを確認しましょう。

©Yoshitaka Watanabe

テークバックで左腕が体から離れ、左ワキが開くと、ダウンスイングからフォローにかけて体が伸び上がりやすくなる。

©Yoshitaka Watanabe

アドレス時に、首の付け根とボールとの適度な距離を確認する。遠過ぎても、近過ぎてもダウンスイングで体が起き上がる原因になる。

Text/Eiko Oizumi
Photo/Yoshitaka Watanabe
Tournament/ISPS HANDA Championship in Japan

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