2023年1月12日~15日/ワイアラエCC(ハワイ・オアフ島)
2023 ソニーオープン・イン・ハワイ
昨年12月に韓国の美人女子プロ、オ・ジヒョン(右)と結婚したキム・シウー。
優勝
Si Woo Kim
キム・シウー(韓国)
1995年6月28日生まれ。182cm 83kg。2012年、PGAツアーのQTを史上最年少の17歳5ヶ月6日で通過。2017年「プレーヤーズ選手権」など米ツアー4勝。
オ・ジヒョン(韓国)写真右
1996年1月3日生まれ。13歳でゴルフを始め、17歳でナショナルチーム入り。韓国ツアー通算7勝。
“ミスショットしても怒らない”
新生キム・シウー、新妻の存在も勝利に貢献
昨年は松山英樹が優勝し、日本のゴルフファンを大いに沸かせた「ソニーオープン・イン・ハワイ」。
松山の2連覇とはならなかったが、今年もアジア人選手のチャンピオンが誕生した。
最終日、18番ホールのセカンド地点にあるフェアウェイバンカーからショットを放つキム・シウー。「昨日(3日目)もこのバンカーから打ったので、どう打ったらいいのかわかってた」
KJチョイ以来となる韓国籍選手の優勝
ツアー初優勝を目指す3日目首位のハイデン・バックリーと3打差からスタートしたキム・シウー。
最終日は出だしから3連続バーディを奪い、上がり2ホールで連続バーディを奪取するなど8バーディ、2ボギーで64をマーク。
最終日にスコアを6つ伸ばし、バックリーを1打差で抑え、逆転優勝を飾った。
2021年「アメックス選手権」以来の2年ぶりの勝利で、優勝賞金142万2000ドル(約1億8300万円)を獲得。
2021年ケビン・ナ、2022年松山英樹に続いて、3年連続でアジア出身の優勝者が誕生した。
ちなみに韓国籍のプレーヤーでは、2008年に優勝したKJチョイ以来。1983年に青木功が「ハワイアンオープン」で優勝してから40年が経つが、その節目の年にアジア人選手が優勝した。
「毎ショット、ベストを尽くした。最後の4~5ホールは緊張したけど、自信を失わないようにして、心穏やかにプレーしたんだ。シーズン初戦で優勝するなんて、こんなにいいことはないよ」
「悪いショットを打っても、怒らずいい態度を取る」ことが優勝の秘訣
3日目を終えて首位に立ったハイデン・バックリー。最終日の18番ホールでバーディを奪えば、キム・シウーとのプレーオフに持ち込めたが、惜しくもパットが外れ、2位に。
「お前はトッププロではない」父の一言が飛躍のきっかけに
キム・シウーは2013年にPGAツアーメンバーとなり、2016~2017年シーズンには、第5のメジャーと呼ばれる「プレーヤーズ選手権」で優勝した。
もともとアマチュア時代から将来を嘱望され、ナショナルチーム入りを果たしていた彼だったが、父親からはプロ転向し、ツアー優勝した後も「お前はトッププロではない。だから、トッププロのような振る舞いをしてはダメだ」と言われてきたという。
だが、「プレーヤーズ選手権」で優勝したことで、自分自身に高い期待を抱いてきた。
それがプレッシャーとなり、しばらく優勝できなかったと分析している。
しかし、今回はあまり期待することなく、比較的気負わずにプレーできたことが勝利へとつながった。
失うものはない。
ただアグレッシブに攻めた結果、最終日の64という好スコアにつながったのだった。
キャディのアドバイスと妻の存在
キムは昨年の「プレジデンツカップ」以降、カミロ・ビジェイガスの弟マニーさんをキャディに従えているが、彼の助言も今回の優勝に大いに貢献している。
「キャディのマニー(ビジェイガス)と試合前に話をしていて、〝悪いショットを打っても、怒らずにいい態度でいるようにしよう〟と心掛けた」
キムは過去に、ショットのミスに腹を立て、クラブを池に投げ捨てるような態度を取り、マナーの悪さを記事に書き立てられたこともあったが、そういう部分を排除し、できるだけ冷静にプレーしようとしたことも、優勝につながったと語る。
また、今回の勝利は、昨年末の12月19日に韓国・ソウルで結婚したばかりの妻の存在も大きかったようだ。
韓国の美人女子プロ、オ・ジヒョンと結婚した彼は、「ソニーオープン」参戦前に1週間早くハワイに入り、ハネムーンを楽しんだ。
今までに「ソニーオープン」出場以外でハワイを訪れたことがなかったというが、試合に出場中もコース外ではハネムーン気分だったという。
「彼女が一緒にいてくれて、本当に助けてくれた。自分を冷静にしてくれる。特に今日は、ちょっと僕が緊張した時でも、彼女の姿を見てリラックスできた」
毎年、年始には「ツアーで1勝を挙げること」を目標に掲げるというキム。
今年の1戦目で既にその目標を達成したことになるが、「早く2勝目が来るといい。そして、優勝しなければいけないというプレッシャーを感じることなく、楽しんでプレーできるようにしたい」と語った。
最終成績
優勝 | キム・シウー | −18 |
2位 | ハイデン・バックリー | −17 |
3位 | クリス・カーク | −15 |
4位 | アンドリュー・パットナム デビッド・リプスキー ベン・テーラー | −14 |
7位 | マット・クーチャー ニック・テーラー マーベリック・マクニーリー ネイト・ラシュリー アーロン・バデリー | −13 |
21位 | アダム・スコット | −11 |
48位 | 松山英樹 | −7 |
54位 | 中島啓太 | −6 |
67位 | 蝉川泰果 | −3 |
72位 | 比嘉一貴 | −2 |
予選落ち/ジョーダン・スピース、 大西魁斗、桂川有人、岡田晃平(アマ)