アジアンツアー開幕戦で人生初の完全優勝
【アジアンツアー開幕戦】PIFサウジ・インターナショナル
2月2日~5日 ロイヤルグリーンズゴルフ&CC@サウジアラビア・キングアブドラ・エコノミックシティ
優勝
エイブラハム・アンサー(メキシコ)
1991年2月27日生まれ。170cm、70kg。米国テキサス生まれ、14歳までメキシコで育つ。オクラホマ大出身。「エミレーツ・全豪オープン」「WGCフェデックス・セントジュード招待」など世界で通算4勝。昨年7月からLIVゴルフに移籍。
過去この地で2勝を挙げているダスティン・ジョンソンは、現地入りしたものの、背中痛のため欠場した。
ブライソン・デシャンボーは、コブラ社とのクラブ契約が終わり、テーラーメイドのステルス2で戦ったが、予選落ち。
日本ツアーでもおなじみのスコット・ビンセント(左)と谷原秀人。ビンセントは今年、LIVゴルフを主戦場にアジアンツアー、日本ツアーを戦うという。
開催地のロイヤルグリーンズゴルフ&CCは、砂漠の地に広がる18ホールの本格チャンピオンシップコース。紅海に面しており、非常に美しい。
「世界中でプレーし、優勝したい。LIVゴルフへ移籍して後悔はない」−エイブラハム・アンサー
前週の「ヒーロー・ドバイデザートクラシック」で予選落ちを喫したアンサー。シーズン初めは、ゴルフの調子があまりよくないというが、今大会では初日から好調をキープし、優勝した。
キャメロン・チャンプも本大会に初参加。5アンダーで35位タイに終わった。
PGAツアープレーヤーのキャメロン・ヤングも参戦。2打差の2位に入った。
米国だけにこだわらず世界中で優勝したい
賞金総額6億6200万円超のアジアンツアー第1戦「PIFサウジ・インターナショナル」がサウジアラビア・キングアブドラ・エコノミックシティのロイヤルグリーンズゴルフ&カントリークラブで行なわれ、エイブラハム・アンサー(メキシコ)が初日から首位の座を守り抜き、通算19アンダーで完全優勝を果たした。
2位には2打差でキャメロン・ヤング(米国)、3位にはルーカス・ハーバート(豪州)がランクイン。
日本勢は香妻陣一朗が8アンダーで18位タイ。金谷拓実は5アンダーで35位タイに終わった。
なお、アンサーは2015年にWeb.comツアー(現在のコーンフェリーツアー)「ノバスコシアオープン(カナダ)」、2018年に「エミレーツ・オーストラリアンオープン(豪州)」、2021年に「WGCフェデックス・セントジュード招待(米国)」で優勝しており、今大会の優勝で、4か国目の勝利となる。
「僕は1か所だけに固執せず、世界中でプレーしたいんだ。だから、マネージャーにはそういうオファーがあったら、絶対に行きたい、そして優勝したいと言ってある。僕は過去、そんなにたくさん優勝しているわけじゃないけど。違うツアーで優勝できて、本当に最高だと思う。エンジョイしてるよ」
「完全優勝は、人生で初めて。自分がリーダーボードでどの位置にいるのか予想できなかったが、毎日1位にいたいと思っていた。初日のラウンドがすごくいい感じだったので、毎日これを続けたいと思ってたんだ」
通常、シーズンの序盤は調子が出ず、自分はスロースターターだと語る。
前週のDPワールドツアー「ヒーロー・ドバイデザートクラシック」も予選落ちに終わったが、ゴルフの調子自体は悪くはなかったという。
また、オフシーズンに減量に成功し、それがゴルフにも奏効している。
170センチと小柄で、決して飛ばし屋ではないが、「自分の持ち味はショットの精度」と割り切り、同組で回っていた飛ばし屋のマシュー・ウルフに距離で置いていかれても、「ウェッジで近くに寄せて、パットを沈めればいいんだ」と自分のプレーに集中し、ピンを果敢に狙ったことでバーディを量産。
4日間でボギーもたった2つと、ミスを最小限にとどめることもできた。
「自分は20位くらいのところにいて、相当スコアを出さないとダメだ、と想像して言い聞かせていたんだ。前に打ったショットのこともあまり気にせず、その後どんなショットを打ったのかも気にしなかった。だからこの4日間、こういう精神状態で臨めてよかったよ」
今回の優勝で大いに自信がついたと言うアンサー。
4月には「マスターズ」出場も控えており、メジャー優勝も狙いたいところ。
また、2月下旬にはLIVゴルフ初の母国開催(メキシコ・マヤコバ)で家族や友人の前でプレーを披露した。
「(LIVゴルフ入りの)すべての決断に対する後悔はゼロ。
ゴルフ場内外で本当に幸せだ」と現状にとても満足している様子だ。
最終成績
優勝 | エイブラハム・アンサー | −19 |
2位 | キャメロン・ヤング | −17 |
3位 | ルーカス・ハーバート | −15 |
4位 | サドム・ケーオカンジャナ | −14 |
5位 | ポール・ケーシー | −13 |
6位 | トラビス・スミス マーク・リーシュマン ミト・ペレイラ | −12 |
9位 | アンディ・オグレトリー | −11 |
10位 | ホアキン・ニーマン マシュー・ウルフ | −10 |
18位 | 香妻陣一朗 | −8 |
25位 | パトリック・リード | −7 |
28位 | セルヒオ・ガルシア ヘンリク・ステンソン | −6 |
35位 | 金谷拓実 | −5 |
46位 | ブルックス・ケプカ | −3 |
予選落ち/ババ・ワトソン、岩田寛、稲森佑貴、池村寛世、木下稜介、ブライソン・デシャンボー、谷原秀人、フィル・ミケルソン
Text & Photo/Eiko Oizumi
Photo/Asian Tour