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誰でも簡単に打てる!パー5で2オンが狙えるFWレッスン!矢野東、浅地洋佑、片岡大育が伝授する必見のコツとは?

FWが上手く打てれば、パー5で2オンしバーディ、あるいはイーグルだって狙える! 
その基本となる打ち方を、男子ツアーきっての“教え上手”が指南してくれた。
矢野東が打ち方の基本となる2つのヒント、浅地洋佑がダフることなく打つための方法、片岡大育がFWを使っていいライ、ダメなライをレクチャー!

矢野東のFW2つのヒント

©Yoshitaka Watanabe

Azuma Yano
1977年7月6日生まれ、176cm、73kg。 群馬県出身。 05年の「アサヒ緑健よみうり」で初優勝。08年に「ANAオープン」「ブリヂストンオープン」で優勝し賞金ランク2位となる。その後、椎間板ヘルニアや右ヒジの痛みなどに苦しむが、21年「ANAオープン」で5年ぶりに最終日最終組でプレー。見事にシード復帰を果たす。ラキール所属。

FWを上手く打つためには?

球を上げようとせず、「上がらないもの」と割り切る

FWは、プロでも球が上がりにくいので、無理に上げにいかない!
これを徹底的に意識することで、ダフリのミスはなくなるという。

©Yoshitaka Watanabe

FWはヘッドスピードがないと球が上がらないので、しっかりとフェース面に当てることをだけに意識を集中しよう。

トップも、チョロも、その原因はダフリと同じ

FWはシャフトが長く、ロフト角も小さい。
しかも平らに見えても微妙に凸凹のあるライから打つことが多いので、ナイスショットするのが難しいクラブです。
少しでも体がフラつくと、上手くフェースの芯で球をとらえることができません。
さらに、ある程度ヘッドスピードがないと、球が高く上がりません。

FWはダフリだけでなく、チョロ、トップも出るので、苦手! という人は多いですが、チョロやトップもヘッドが球の手前に一度落ちてから球に当たるミスなので、原因はダフリと同じ。
ダフリを誘発する2つの原因と、それを解消するヒントをじっくり教えます。

ダフリの原因①

球を上げようと下からすくい打ち

©Yoshitaka Watanabe

球を上げにいったり、すくおうとすると、ダウンスイングで右肩が下がり、ヘッドが早く地面に落ちやすい。

手でヒョイと上げない左肩の入ったトップに!

ダフる原因の一つは「テークバックでのクラブの上げ方」にあると矢野は言う。ダフらないクラブの上げ方を身に付けよう。

©Yoshitaka Watanabe

テークバックで手だけでクラブをヒョイと担ぎ上げると、ダウンスイングでは腕が伸び切って、ヘッドが早く地面に落ちてしまう。

手でヒョイと上げると、ヘッドが早く下りてしまう

ダウンスイングからインパクトにかけて球を上げにいく、つまり球の手前をすくうような打ち方になるとダフリ(トップやチョロも)が出ます。
これは、テークバックで手だけを使ってクラブをヒョイと担ぎ上げるから。
両ヒジも曲がり、腕が縮こまり、クラブが体に極端に近いトップになると、ダウンスイングでは反対にクラブが体から遠く離れようとして遠回りして下りていきます。
そうなると、釣り竿をキャストする(放り投げる)ようにクラブを振り下ろすしかなく、ヘッドが球の手前に落ちてしまう。
そこから球をすくい上げようとするから、ダフるのです。

©Yoshitaka Watanabe

テークバックで右肩を回すように意識すると、手先で上げる感覚がなくなる。

©Yoshitaka Watanabe

(左)右腰辺りまでは右手一本でクラブを振り上げるイメージで!ヘッドが大きな弧を描き、飛ばしのパワーがたまるトップを作れる。

(右)左手を添えると、左肩も十分に回り、ヘッドスピードも出る理想のトップになる。

©Yoshitaka Watanabe

アドレスした時の両腕の長さを変えずに振り上げると、ダウンスイングでクラブは体の近くにパワーがたまった状態で下りてくる。

右手一本でクラブを上げ、左手は添えるだけ

 ダフリをなくすためにはFWの長さを生かしたテークバックを心がけましょう。
アドレスしたら、両肩と両腕を連動。右肩を回すように意識すると、左肩も一緒に回ります。

右腰辺りまでは右手一本でクラブを上げ、そこに左手を添えるようなイメージでテークバックをしてみてください。
クラブを遠くに振り上げるようにしてトップを作ると、ダウンスイングではクラブを体に引き付けて振り下ろせるようになるので、ヘッドが遅れて下りてきます。
パワーがたまった状態でダウンスイングを迎えることができてヘッドスピードも上がる。
球の手前をダフることもなくなるでしょう。

©Yoshitaka Watanabe

テークバックが小さいと、ダウンスイングが反対に大きくなり、両腕がインパクト前に伸び切ってしまう。

ダフリの原因②

インサイドからクラブが下りて、手元が浮く

©Yoshitaka Watanabe

インサイドからクラブが下りてくると右肩が下がりやすく、さらに左腰の動きも止まりやすくなるので手元が浮き、ヘッドが垂れてダフる。

上半身と下半身の回転を同調させ、左腰を回す

ダフるもう一つの原因は「テークバックでの上半身の回し方」と「左腰の動き」にあると矢野は言う。ここさえ直せば、ダフらなくなる。

©Yoshitaka Watanabe

ダウンスイングで左腰の動きが止まると、ヘッドの通り道ができず、手元が浮いてしまう。

©Yoshitaka Watanabe

スイング中は常に左腰を回すことで、大きなテークバックでヘッドを加速させ、インパクト以降も手が詰まることなく大きく振り抜ける。

左腰の動きが止まるとインパクトで手が浮く

トップから切り返す際には、手を先に動かすのではなく、手の位置を変えずに左腰をまず左に回すことからスタート。
ダウンスイング、インパクト、フォローまで左腰を回し続けましょう。
常に左腰が先に動き、その後で上半身が戻ってきて、最後に腕を振るイメージです。
この動きが出来れば、腕の通り道ができたところにヘッドが遅れて下りてきます。
手元が浮くことなくインパクトできるので、ダフりません。

トップから手だけでクラブを振り下ろすと、ダウンスイング以降で左腰が動かなくなり、手の通り道がなくなります。
手元が浮いて、ヘッドが垂れてしまい、ダフってしまうのです。

©Yoshitaka Watanabe

アドレスで作った前傾角度を、スイング中もキープすること。

©Yoshitaka Watanabe

(左)アドレスでは上半身を前傾するので、テークバックでは左肩が下がり、右肩が上がる。

(右)上半身と腰の回転が同調すると、クラブヘッドはインサイドに入らず、右足の前に上がる。

©Yoshitaka Watanabe

(左)テークバックが進むにつれ前傾角度が浅くなると、肩が水平に回ってしまう。

(右)肩が水平に回ると、クラブヘッドがインサイドに入り過ぎて、ヘッドは背中の後ろに上がる。

©Yoshitaka Watanabe

テークバックからトップでは、左足のツマ先と右足のカカトで、ダウンスイングからフォローでは、右足ツマ先と左足カカトで体重を支えると、スムーズに体を回せる。

肩を水平に回すとクラブはインサイドに入る

上半身を前傾してアドレスするので、正しく上半身を回そうとすると、テークバックからトップにかけては左肩が下がり、右肩が上がります。
この動きが出来ると、クラブが地面と水平になる辺りでヘッドは右足の前に上がります。

ダフる人は、上半身を前傾してアドレスしたのに、テークバックが進むにつれて前傾が浅くなり、肩を水平に回す傾向があります。
クラブがインサイドに入り過ぎて、ダウンスイングでは右サイドが詰まり、左サイドが伸びて手が浮いてしまうのです。

前傾角度が変わらないように注意し、軸に対して上半身と腰の回転を同調させるように心がけましょう。

浅地洋佑のFWがダフらず打てるヒント

©Yoshitaka Watanabe

Yosuke Asaji
1993年5月24日生まれ、169cm、68kg。 東京都出身。 08年の「日本ジュニア」で優勝。11年にプロ宣言。12年にチャレンジツアーで初勝利。19歳14日は当時の最年少優勝記録。同年にレギュラーツアーでも初シードを獲得。19年の「ダイヤモンドカップ」でツアー初優勝。21年「マイナビABCチャンピオンシップ」の優勝など、ツアー3勝。所属フリー。

打ち込まずに、ソールを滑らせる

矢野と同じように、すくい上げる打ち方だと当たらないと浅地も言う。
かと言って打ち込んでもダメ。では、正解は?

©Yoshitaka Watanabe

球の位置が右にありすぎると、手前を叩いてダフりやすいので、左足カカトから少し右めにボールをセットアップする。

©Yoshitaka Watanabe

右足前辺りからソールを滑らせるようにインパクト後もヘッドを低く長く出す。

©Yoshitaka Watanabe

上半身に力が入り過ぎたり、テークバックが速すぎると、クラブが必要以上に加速し、オーバースイングになってしまう

©Yoshitaka Watanabe

結果が気になって球の行方を追うように顔を早く上げると、右肩が下がり、ヘッドが早く落ちるのでダフる。

顔が早く上がると、上から打ち込むようにヘッドが鋭角に下りてくることもあるので、要注意だ。

©Yoshitaka Watanabe

小さめのトップからインパクト以降で左に振り抜く大きなフォローが、FWでダフらずに飛ばすコツだ。

大振りせずに、最後まで球を見る

FWが上手く打てないのは、球に当てにいくから。
上から鋭角に打ち込もうとするとダフるし、上から叩く感じになるので「打って終わり」に。
フォローが出せず、出球も左右に散らばります。

そこで、ダウンスイングからインパクトにかけては、右足の手前辺りからソールを滑らせるようにして打ちましょう。
打った後もヘッドを低く長く出すようにすればダフリません。

トップでヘッドが垂れるほどのオーバースイングになると、ダウンスイングで体が伸びやすくなり、ヘッドアップすると右肩が下がってしまいます。
体が上下動するとダフリやトップのミスが出るので気を付けましょう。

片岡大育のFWが使えるライの見分け方

©Yoshitaka Watanabe

Daisuke Kataoka
1988年10月17日生まれ、167cm、71kg。 高知県出身。 07年には「中四国オープン」で80年の倉本昌弘以来となるアマチュア優勝。15年の「関西オープン」でツアー初勝利。16年「トップ杯東海クラシック」優勝など、ツアー3勝。Kochi黒潮CC所属。

ラフで球が沈んでいたら、FWは×

ラフに球が入った場合は、沈み具合を見極めてからクラブ選択するのが、ダフらないコツだ!

©Yoshitaka Watanabe

FWは形状的に、強いラフの抵抗に負けやすい。インパクトでフェースが開閉しやすいので要注意だ。

©Yoshitaka Watanabe

球の手前からソールを滑らせるように打つので、ネックに芝が絡んだり、ダフリやすく、フェースが開いたまま球に当たりやすい。

©Yoshitaka Watanabe

球が1/2以上沈んでいたら、ハイブリッド(ユーティリティ)クラブを使うと、フェースもスクエアに戻りやすいので、飛距離は落ちるが確実に脱出できる。

©Yoshitaka Watanabe

ハイブリッド(ユーティリティ)クラブはFWに比べてヘッドが小さいので、インパクト前後でフェースの開閉が起こりにくい。

5Wを4Uに替えるなど、飛距離よりも脱出を優先!

FWはヘッドがアイアンよりも大きいので、そのぶん、ラフの抵抗を受けやすく、フェースの向きが狂いやすいことに注意しましょう。
通常、ラフは想像するよりはるかに抵抗が強いことが多いですね。

球がラフにつかまったら沈み具合いをまずは観察。FWが使えるのは1/3くらい沈んでいる場合です。
それ以上深く沈んでいたら、ヘッドの小さいハイブリッド(ユーティリティ)クラブに替えましょう。
例えば5Wを4Uに替えるなどします。そのぶん、飛距離は落ちますが、ダフらずに確実に飛ばせます。

Text/Eiko Oizumi
Photo/Yoshitaka Watanabe
Tournament/2022 ISPS HANDA Championship

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