ゴルファーとしても人間としても成長中のローズ・チャン
ローズ・チャン (米国)
2003年5月24日生まれ。スタンフォード大在学中で、2020年「全米女子アマ」、2023年「オーガスタ女子アマ」など、数々のアマチュアタイトルを引っ提げて2023年5月にプロ入り。「みずほ・アメリカオープン」でデビュー戦優勝を飾った。世界ランク32位。
女子アマチュア界で141週にわたり、1位の座に君臨していたローズ・チャン。
スタンフォード大ゴルフ部に在籍し、NCAA個人タイトル2連覇を達成。「全米女子アマ」や「オーガスタ女子アマ」でも優勝した。
主催者推薦で出場した「みずほ・アメリカオープン」でデビュー戦優勝を果たし、プロ転向後も注目を集めるチャンとはどんな選手なのだろうか?
スタンフォード大学の先輩、ミッシェル・ウィ・ウエスト(左)と笑顔で練習ラウンドをするチャン。
「大学に在籍することで、ゴルフだけでなく、人間としても成長したい」ローズ・チャン
アマチュア時代、女子アマ最優秀選手に贈られる「アニカアワード」をチャンは2年連続で受賞。女子プロゴルフ界史上最強のアニカ・ソレンスタム(左)も一目置く存在だ。
わずか5試合でトップ10入り4回
今もスタンフォード大に在籍するスーパールーキーのローズ・チャン(20)は、6月にプロデビューを飾って以来、驚異的な成績を収めている。
デビュー戦「みずほ・アメリカオープン」では、1951年のビバリー・ハンソン以来、72年ぶりとなるプロデビュー戦・初優勝を飾る快挙を達成。
その後は「全米女子プロ(メジャー)」8位タイ、「全米女子オープン(メジャー)」9位タイ、「Danaオープン」予選落ち、「エビアン選手権(メジャー)」9位タイと、わずか2か月間で5試合に出場し、トップ10入りはなんと4回。
しかも3回はメジャー大会である。
世界女子アマランキングで141週にわたり1位の座をキープしてきた彼女は、スタンフォード大の先輩でもあるタイガー・ウッズが成し得なかった「デビュー戦V」を達成。
「女性版タイガー・ウッズ」として注目を集めているのだ。
そんな彼女が「全米女子オープン」の会場で語った言葉の数々は、人間としてもゴルファーとしても既に成熟していることを証明している。
「(プロ入り後)このような位置で戦えていることで、自分には高いポテンシャルがあると同時に、もっと伸び代があることを認識できた。自分の足元をしっかり見て、これからも改善していかないと……」
「私はもうアマチュアではなく、プロ。たくさんのことが変化し、ここ数か月は本当に大変な日々だった。プロになったことで、エネルギーをいかにキープし、安定したプレーができるかが大切」
「(大学ゴルフ部の)チームメイトがいてくれることで、私はもっと高みを目指すことができるし、謙虚でいられる。素晴らしいサポーターであると同時に、自分はまだまだということを思い知らせてくれる。だから黙って、ただ自分の仕事をするしかない(笑)」
プロ入り後も大学を辞めずに在籍しているのは、「スタンフォードはゴルフだけでなく、人間形成、新しい人々との出会いを通じて、新たな高みに到達できる場所。そんな経験を2年間で終わらせたくはない。もっと広い視野を持てるようになりたい」からだという。
プロゴルファーとして、一人の人間として、自信と謙虚さを兼ね備えながら、高みを目指すチャン。
その輝かしいキャリアは、まだ始まったばかりだ。
データは、2023年8月13日現在のものです。