チーム戦優勝 Crushers GC
2023年LIVゴルフ最終戦 IN MIAMI
LIV GOLF Team Championship Miami
2023年10月20日〜22日/Trump National Doral
昨年はダスティン・ジョンソン率いる4Aces(フォーエイシズ) GCがチーム戦・総合優勝を果たしたが、同年、決勝戦まで進めなかったCrushers(クラッシャーズ)GCが、Range Goats(レンジゴーツ)GC、Torque(トルク)GCを抑え最終戦のマイアミ大会で、チーム戦初の総合優勝を遂げた。
今年の初戦を制したクラッシャーズが最終戦で勝利
今年で2年目を迎えた、サウジアラビア政府系ファンドが支援するLIVゴルフ。
個人戦とチーム戦の優勝者を決めるイベントが10月に2週連続で開催され、13試合目の「ジェッダ大会」と最終戦(14試合目)の「マイアミ大会」でそれぞれの優勝者が決定した。
チーム戦は、10月20日~22日に米国フロリダ州マイアミのトランプナショナル・ドラールGC(かつてPGAツアー『WGCアメックス選手権』などを開催していた有名人気コース)で行なわれ、昨年はダスティン・ジョンソン率いる4エイシズGCがチーム戦で総合優勝を飾ったが、今年は初戦の「マヤコバ大会」を制したブライソン・デシャンボー率いるクラッシャーズGC(ポール・ケイシー、チャールズ・ハウエルⅢ、アニルバン・ラヒリ)が、総合優勝。
最終戦の一つ前の「ジェッダ大会」まで首位に立っていたディフェンディングチャンピオンの4エイシズGCは、第1シードでマイアミに乗り込んだものの、逆転を許し、4位に終わった。
「最終ホールでは、緊張しすぎて腕の感覚がないくらいだった」
ブライソン・デシャンボー
クラッシャーズのキャプテン、ブライソン・デシャンボーは、次のように語っている。
「去年は(決勝に進めず)苦い思いをしたが、今年は僕のチームメイトと優勝を分かち合えてこんなに嬉しいことはない。彼らは最高だよ!」
「(最終日は)とても緊張した。14番からの残り5ホールでは何が起こるかわからない状況でプレーしていて、すごく緊張していたよ。みんなのスコアは流動的で、僕のドライバーショットもベストなものではなかったからね。前半の9ホールはうまくいったけど、後半はうまく打てなかった。だから、できる限り最高のショットを打とうとしていた。でも、本当に緊張しすぎて最終ホールなんて、インパクトの感触がないくらいだったんだ」
今年の初戦の「マヤコバ大会」では、LIVゴルフ入りしたばかりのチャールズ・ハウエルⅢが優勝し、チーム戦でも勝利。
また、デシャンボーが個人戦勝利を収めた「シカゴ大会」でもクラッシャーズGCがチーム戦優勝を果たし、マイアミまでに2勝を飾っていた。
デシャンボーの飛距離と爆発力、ポール・ケイシーとチャールズ・ハウエルⅢのショットの精度、アニルバン・ラヒリの爆発力がうまく噛み合い、チーム総合優勝に結びついた。
メジャーも素晴らしいが、LIVゴルフにしかないもの
それは、「チーム」の団結力と友情、達成感
2位 Range Goats GC
3位 Torque GC
ラヒリとデシャンボーが大暴れの決勝戦
マイアミ大会へは、第2シードで乗り込んだクラッシャーズGCは、準決勝でマーティン・カイマー率いるクリークスGCと対戦。
3マッチのうち2マッチで勝利を挙げ、決勝に進出。最終日の決勝戦は4人のスコアを全てカウントしてスコアが決まるストローク戦が採用された。
ノーボギーの65(7アンダー)を叩き出したアニルバン・ラヒリや8バーディ、3ボギーの67(5アンダー)をマークしたブライソン・デシャンボーらの爆発力もあり、個人戦で総合優勝を遂げたテーラー・グーチを擁するレンジゴーツGCに2打差の11アンダーでクラッシャーズGCが優勝した。
「今年は特別な1年だった。(初戦の)優勝から始まって、バーン(ラヒリ)とブライソンはここ最近、非常に素晴らしいゴルフをしていたからね」(クラッシャーズGC、チャールズ・ハウエルⅢ)
「チームでの優勝はいつでも、正直言って個人戦よりももっと大事なものだと思っている。メジャーは素晴らしいが、ここにはチームのメンバーがいるんだ。自分のチームのメンバーが!それにしてもクラッシャーズが表彰台の真ん中で表彰され、我々は歴史の一部であると思えるし、彼らと一緒に優勝できたことを、こんなに誇りに思うことはないよ」(クラッシャーズGCキャプテン、ブライソン・デシャンボー)
なお、「マイアミ大会」はチーム戦のみが行なわれる大会で、賞金総額は50ミリオンドル(約75億円)とLIVゴルフイベントの中でも破格の賞金額。優勝チームには14ミリオンドル(約21億円)が授与され、その60%の840万ドル(約12億6000万円)はチームに、10%の140万ドル(約2億1000万円)は一人ひとりに授与されるようになっている。
チームに入る賞金は、選手たちの移動費や体のコンディションを整えるための軍資金、フランチャイズ化に伴う経費などに充てられる。
2位はババ・ワトソン率いるレンジゴーツGC、3位はホアキン・ニーマン率いる最年少チームのトルクGC(平均年齢25・75歳)だった。
「レンジゴーツは、どこからともなく現れるような(強い)チーム。我々は素晴らしいゴルフができた。少し改善点はあるにせよ、1年間で2位に入ったんだから、素晴らしい成績だよ」(レンジゴーツGCキャプテン、ババ・ワトソン)
チーム戦・最終成績
1位 | CRUSHERS GC | –11(1400万ドル) |
2位 | RANGE GOATS GC | –9(800万ドル) |
3位 | TORQUE GC | –6(600万ドル) |
4位 | 4 ACES GC | EVEN(400万ドル) |
5位 | STINGER GC | 準決勝(325万ドル) |
6位 | FIRE BALLS GC | 準決勝(300万ドル) |
7位 | CLEEKS GC | 準決勝(275万ドル) |
8位 | HYFLYERS GC | 準決勝(250万ドル) |
9位 | RIPPER GC | 準々決勝(200万ドル) |
10位 | SMASH GC | 準々決勝(175万ドル) |
11位 | MAJESTICKS GC | 準々決勝(150万ドル) |
12位 | IRON HEADS GC | 準々決勝(125万ドル) |
出場選手リスト(マイアミ大会)
CRUSHERS GC | ブライソン・デシャンボー、チャールズ・ハウエルⅢ、 ポール・ケイシー、アニルバン・ラヒリ |
RANGE GOATS GC | ババ・ワトソン、テーラー・グーチ、 ハロルド・バーナーⅢ、トーマス・ピータース |
TORQUE GC | ホアキン・ニーマン、セバスチャン・ムニョス、 ミト・ペレイラ、デビッド・プイグ |
4 ACES GC | ダスティン・ジョンソン、パトリック・リード、 ピーター・ユーライン、パット・ペレツ |
STINGER GC | ルイ・ウーストハイゼン、シャール・シュワーツェル、 ブランデン・グレース、ディーン・バーメスター |
FIREBALLS GC | セルヒオ・ガルシア、エイブラハム・アンサー、 カルロス・オルティス、エウヘニオ・チャカラ |
CLEEKS GC | マーティン・カイマー、バーンド・ウィースバーガー、 グレアム・マクドウェル、リチャード・ブランド |
HYFLYERS GC | フィル・ミケルソン、キャメロン・トリンガーレ、 ジェイムス・ピオット、ブレンダン・スティール |
RIPPER GC | キャメロン・スミス、マーク・リーシュマン、 マット・ジョーンズ、ジェッド・モーガン |
SMASH GC | ブルックス・ケプカ、マシュー・ウルフ、 ジェイソン・コクラック、チェイス・ケプカ |
MAJESTICKS GC | ヘンリク・ステンソン、リー・ウエストウッド、 イアン・ポールター、サム・ホースフィールド |
IRON HEADS GC | ケビン・ナ、スコット・ビンセント、 キム・シバン、ダニー・リー |
Text/Eiko Oizumi
Photo/LIV Golf