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【PGAツアーレポート】第1回ワールドチャンピオンズカップは米国チームが世界選抜チームに2点差で初代チャンピオン!

2023年初開催イベント

World Champions Cup

ワールドチャンピオンズカップで米国・欧州・世界選抜のシニアが激突!

アメリカ、欧州、世界のメジャーチャンピオンや世界ゴルフ殿堂入り選手たち総勢18人がフロリダに集結。
チーム戦で戦う「ワールドチャンピオンズカップ」の第1回大会が開催された。

優勝

Team U.S.A.​
221 Points

優勝した米国チーム。左から、ビリー・アンドレード、ジェリー・ケリー、スティーブ・ストリッカー、ジム・フューリック(キャプテン)、ジャスティン・レナード、ブレット・クイグリー、デビッド・トムズ。©World Champions Cup
世界選抜チームのキャプテンを務めた、アーニー・エルス。©World Champions Cup
普段はTVコメンテーターを務めるジャスティン・レナードも参戦。©World Champions Cup

Team International
219 Points

世界選抜チームのメンバー。左からアーニー・エルス(キャプテン・南ア)、スチュワート・アップルビー(豪州)、ビジェイ・シン(フィジー)、レティーフ・グーセン(南ア)、スティーブン・エイムズ(カナダ)、チェキョンジュ(韓国)、スティーブン・アルカー(ニュージーランド)。©World Champions Cup

Team Europe
208 Points

欧州チームのメンバー。左からイェスパー・パーネビック(スウェーデン)、ダレン・クラーク(キャプテン・北アイルランド)、コリン・モンゴメリー(スコットランド)、アレックス・チェイカ(ドイツ)、ベルンハルト・ランガー(ドイツ)、ミゲル・アンヘル・ヒメネス(スペイン)、ロバート・カールソン(スウェーデン)。©World Champions Cup

最後までスリリングな展開のフォーマット

日頃、PGAチャンピオンズツアー(米シニアツアー)で戦うレジェンドたち18名が、米国、欧州、世界選抜の3チーム(1チーム6人)に分かれ、ポイントを競う、第1回「ワールドチャンピオンズカップ」が12月7日、8日、10日に行なわれた。

本大会は、「ライダーカップ」と「プレジデンツカップ」というチーム戦からアイデアを得て創設された試合だが、各セッションを4サム、あるいは4ボールで18ホールを戦うのではなく、6サム、あるいは6ボールで9ホールを戦うフォーマットとなっている。
また、各ホールごとにポイントが与えられ、そのホールで最もスコアがよかったチームには2ポイント、次にスコアがよかったチームには1ポイント、もう1チームは0ポイントという具合だ。
過去、「プレジデンツカップ」のフォーマットについて異論を唱えてきたアーニー・エルスも「なんて素晴らしい1週間なんだ。それにフォーマットも素晴らしい。うまくいった」と高評価。
第1回大会は、米国チームが世界選抜チームに2点差で優勝したが、3日目の終盤、米国が世界選抜に6ポイント差をつけられていたところからの逆転劇だっただけに、最後までスリリングな展開を提供できる魅力的なフォーマットだったと言えるだろう。

チーム戦の中でも最も楽しい試合

最終日のシングルス戦で、最終組で戦っていた米国のデビッド・トムズは「我々にチャンスがあるなんて本当に思わなかった。バック9の中盤、スコアボードを見たら我々は世界選抜に6ポイント差をつけられていたんだからね。でも、8番でパットを沈めて2ポイントを獲得した時、ギャラリーの中の1人が『ビッグパットだったよ』と声をかけてきたんだ」と語った。

米国チームのキャプテンを務め、優勝に導いたジム・フューリックは「我々は毎週、顔を合わせる仲間だけど、1つのチームとしてみんなが集まるというのは本当に最高だね。そして優勝できて、本当によかった」と言い、過去数々のチーム戦で戦ってきた、スティーブ・ストリッカーは「今まで参加したチーム戦の中でも、一番楽しい試合だったと思う。みんな優勝したいと思いながらプレーしているが、カジュアルな雰囲気もあるからね。妻も家族も子供たちも一緒にいて、キャディたちもみんな一緒だ。だから非常に特別だし、最高のイベントだ」と述べた。

メジャーチャンピオンもいれば、世界ゴルフ殿堂入りしたレジェンドもいる、という豪華な顔ぶれで開催されたチーム戦。
毎週、競技に真剣に取り組んできた現役時代とは異なり、これまでの人生を振り返りながら、長年戦ってきた仲間たちとワイワイ楽しく、そして真剣にプレーするという、ご褒美を楽しんだ1週間でもあった。

欧州チームV

2023年12月7~8日
ISPS HANDAオールアビリティーズコンペティション

ブレンダン・ローラー(アイルランド・右から2番目)、ホアン・ポスティーゴ(スペイン・左から3番目)、トマソ・ペリーニョ(イタリア・左)の3人で構成された欧州チームが優勝。©World Champions Cup
障害者ゴルファー世界ランク2位で、ISPSアンバサダーのブレンダン・ローラー。©World Champions Cup

「ワールドチャンピオンズカップ」と同期間、同コースで行なわれた障害者ゴルファーによるチーム戦「ISPS HANDAオールアビリティーズ・コンペティション」。
各3選手で構成されている米国、欧州、世界選抜の障害者ゴルファーたちがチームを組んで戦ったが、第1回大会で優勝したのは障害者ゴルファーランキング2位のブレンダン・ローラーを擁する欧州チーム(92ポイント)。
2位は87ポイントの世界選抜チーム、3位は64ポイントの米国チームだった。

元アイルランド首相でISPSのパトロンを務めるエンダ・ケニー氏は、「この大会には、世界中の障害を抱える若者たちに、人生を楽しみ、ゴルフの成長に参加するという選択肢があることを伝える重要なメッセージがある」と語った。

2023年初開催イベント

ジェイソン・デイ&リディア・コーの「チーム・ダウンアンダー」優勝!

PGAツアー、LPGAツアーのスターがタッグを組んで戦う
Grant Thornton Invitational

グラント・ソントン招待

優勝したリディア・コー(左)&ジェイソン・デイ組。©GettyImages
コーリー・コナーズ&ブルック・ヘンダーソンのチーム・カナダは2位に入賞。©GettyImages

12月はチーム戦による余興イベントがてんこ盛りだが、昨年、PGAツアーとLPGAの選手たちによる豪華な男女共演が四半世紀ぶりに行なわれた。

ゴルフの発展のために男女プロが集結

新進気鋭のルドビグ・オーバーグ(左)とマデレン・サグストロームのスウェーデン組は3位に終わった。©GettyImages
リッキー・ファウラー&レキシー・トンプソンのチーム・プーマ。©GettyImages

PGAツアーとLPGAのコラボによる男女混合チーム戦「グラント・ソントン招待」が12月8日~10日の3日間にわたってフロリダ州ネイプルズのティブロンGCで開催された。

この「男女混合」イベントは、実は今回が初めてではない。
以前「JCペニークラシック」という大会名で開催されており、1960年以来、約40年にわたって親しまれてきた。
だが、ジョン・デーリー&ローラー・デービス組が優勝した1999年を最後に、中止に。そして2022年まで開催されていた「QBEシュートアウト」がスポンサーと大会形式を変えて、24年ぶりに男女混合チーム戦が復活したのである。

本大会の初代チャンピオンは、女子世界ランク11位のリディア・コー(ニュージーランド)と男子世界ランク19位のジェイソン・デイ(豪州)といういわゆる「ダウンアンダー」組。
最終ラウンドを66で回り、通算26アンダーとして優勝した。2位にはコーリー・コナーズ&ブルック・ヘンダーソンのカナダ人コンビ、3位にはルドビグ・オーバーグ&マデレン・サグストロームのスウェーデンコンビが入った。

「ゴルフの発展のために、この大会は重要な意味がある。来年以降もずっと続いてほしい」――ジェイソン・デイ

優勝チームのジェイソン・デイは、「今回は大成功だったと思う。PGAツアーのメンバーたちは、LPGAの女子とプレーしてすごく楽しんでいたし、LPGAとPGAツアーは素晴らしいパートナーだね。ファンもプレーヤーもこんな大会を長年待ち望んでいたような気がする。ただ楽しい、というイベントをね」と語ると、リディア・コーも「普通は、オーストラリアとニュージーランドはライバル関係にあるんだけど、今週はそんなものはなかった(笑)。賞金とか優勝するということよりももっと大事な、ゴルフというゲームの発展のために来ているんだと思う。この大会でゴルフを初めて見て、ゴルフを始めようとする人がいることを信じているし、この大会はそのための玄関口のようなもの」とこの大会の意義を語った。

普段、両ツアーのプロが一緒に回ることはないだけに、互いにアドバイスを送ったり、あるいは見て学ぶ、という発見もあったようで、「長年、成功しているリディアのプレーを見て勉強になった。彼女にはウェッジの使い方も聞いたけど、来年(2024年)、いいプレーができるといいね」(デイ)

コーは「ジェイソンから今週、アドバイスを受けたけど、それに引き続き取り組んで、できれば悪いところを少しずつなくしていきたい」と語った。

この大会はPGAツアー、LPGAの非公式試合ではあるが、優勝チームに優勝賞金100万ドル(1人50万ドル)が贈られた。
ちなみにLPGAでは、5大メジャーと「CMEグループ・ツアー選手権」以外では最高額となっている。

最終成績

優勝ジェイソン・デイ/リディア・コー−26
2位コーリー・コナーズ/ブルック・ヘンダーソン−25
3位ルドビグ・オーバーグ/マデレン・サグストローム−24
4位デニー・マッカーシー/メーガン・カン
トニー・フィナウ/ネリー・コルダ
−23
6位ルーカス・グローバー/レオナ・マグワイヤ
リッキー・ファウラー/レキシー・トンプソン
−22
8位ニック・テーラー/イン・ルオニン−21
9位サヒス・シーガラ/ローズ・チャン
ジョエル・ダーメン/リリア・ヴー
ジャスティン・ローズ/チャーリー・ハル
−20

TOPICS

ジョン・ラームの「LIVゴルフ」移籍で得した人

©Eiko Oizumi

ジョン・ラームがLIVゴルフ入りし、PGAツアー出場停止となった。
そのため、フェデックスカップランキング(以下FCR)18位だったラームはリストから名前が外れ、ラーム以下の選手は1つずつ順位が繰り上がった。
それによりトーナメントに出場する権利を新たに獲得した選手がいる。
もともとFCR51位だったマッケンジー・ヒューズは、50位となり、50位までの選手が出場できる「シグネチャーイベント(賞金総額2000万ドル/約28億円の高額賞金大会・予選落ちなし)に出場可能になった。
また、FCR61位だったアレックス・スモーリーは60位となり、「AT&Tペブルビーチ・プロアマ」と「ジェネシス招待」に出場が可能に。
FCR126位のカール・ヤンは125位に繰り上がってフルシード選手となり、FCR 151位のポール・ハーレーⅡは150位で、準シードを獲得した。

また、FCR201位のヨナス・ブリクストは、200位に浮上したことで、2024年のDPワールドツアーの出場権を獲得した。
FCR126位~200位の選手は、DPワールドツアーイベントに最大5人が出場できると、昨年10月にDPワールドツアーが発表している。

タイガーとマキロイの新リーグ「TGL」が2025年に延期

©TGL

2024年1月からスタートする予定だった、タイガー・ウッズとローリー・マキロイが創設した新リーグ「TGL」が、大会で使用するアリーナ施設のエアドームが建設中に停電の影響で損傷したため、2025年まで延期となった。
共同オーナーのタイガーは、「前週の出来事(フロリダ南部に11月14日に起きた停電)によって、スケジュールの変更を余儀なくされたが、この構想は素晴らしい、献身的な選手によって実現されると信じている」と述べた。
なお、大会にはタイガー、マキロイの他、ジャスティン・トーマス、リッキー・ファウラー、コリン・モリカワ、アダム・スコット、マシュー・フィッツパトリックなどが参加する予定となっている。

Text/Eiko Oizumi
Photo/World Champions Cup

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