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【世界のゴルフ通信】From Korea ⻘龍の年に飛躍する選手たち!龍のごとく上昇する韓国男女若手プレーヤーに期待

2024年は甲辰の年にあたるが、韓国では青龍の年とも呼ばれている。
今年、世界中のゴルフツアーで青龍の背に乗って飛び立つ、韓国で最も有望な選手たちをご紹介しよう。

青龍年(辰年)生まれのぺ・ヨンジュン(2000年生まれ)
青龍年(辰年)生まれのチョ・ミンギュ(1988年生まれ)
青龍年(辰年)生まれのイム・ヒジョン(2000年生まれ)

韓国ゴルフの「ヨン様」も青龍年生まれ

KPGA韓国ツアー(男子)の青龍年生まれの選手たちには、1976年生まれのキム・センヨン、1988年生まれのチョ・ミンギュ、チェ・ミンチェル、イ・ジュンソク、そして2000年生まれのペ・ヨンジュン、イ・ギュミン、イ・ユスティン、チョン・テヤン、キム・スンミンがいる。

中でも注目すべきは、ぺ・ヨンジュンとチョ・ミンギュで、ヨンジュンは、「冬のソナタ」というドラマで有名な俳優と同じ名前だ。
彼は韓国ツアーでも「ヨン様」と呼ばれることがある。

ヨンジュンは、2022年「オナーズK|ソラゴ CC・ジャンサン・ハン招待」で初優勝を果たし、新人賞も受賞。
今年は、ツアー2勝目を目指している。

ミンギュは、2011年の「関西オープン」と2016年の「フジサンケイクラシック」(いずれもJGTO)でツアー2勝を挙げた実力の持ち主だが、韓国では未勝利。
だから彼は青龍の年に、韓国で初優勝したいと思っている。
これまでに彼は、韓国で6回、2位に入賞している。

KLPGAツアー(女子)の選手には、2000年生まれのイム・ヒジョン、チョ・アイヤン、チョン・ユンジ、ホン・ジウォン、ホン・ジニョン2、チョン・スビン、ユン・ファヨンがいるが、中でもヒジョン、アイヤン、ユンジの3人は主要メンバーだ。
彼女らはアマチュア時代にKGAでプレーし、3人とも2022年に優勝したが、昨年は優勝を逃している。

ヒジョンは「砂漠のキツネ」というニックネームがあるが、「去年は得意のスタミナを発揮することができなかった。今は体力トレーニングに励んでいる」と語る。
彼女はさらに、「新年を迎えて、気持ちも新たになった。悪い思い出を吹き飛ばして、龍のように飛んでいきたい」と付け加えた。

アイヤンとユンジも「青龍の年がやってきた。昨年の悔しさを勝利で晴らしたい」と口を揃えた。
ジウォンとジニョン2は、着実な成長を見せている。
ジウォンは「今年もフェアウェイキープ率1位を維持したいし、より良いパフォーマンスをお見せできるようベストを尽くしたい」と語った。
ジニョン2は「昨年はツアー2年目だったが、悔しさを晴らして、人生初優勝を目指したい」と述べた。

ファヨンとスビンは、ドリームツアー(KLPGAの2部ツアー)に参加していたが、今年からレギュラーツアーに復帰。
「昨年は大変な思いをしたが、最後まで諦めず、復帰のチャンスをつかんだ。2024年シーズンが楽しみ。初優勝したい」と語っている。

「韓国のハルク」がアジアンツアーを主戦場に

2023年「GSカルテックス・メギョンオープン」で初優勝を飾ったチョン・チャンミン。韓国ツアー2勝。

チョン・チャンミンといえば、昨年5月にKGAとアジアンツアーが共同開催した「GSカルテックス・メギョンオープン」で初優勝したことが思い出される。
当時、チャンミンはそのでっぷりとした体格、ワイルドなヒゲ、そして飛距離から「韓国のハルク」と呼ばれていた。
11月には、「ゴルフゾン・東レオープン」でも優勝。
韓国ツアーで2勝したチャンミンは、青龍の年に、海外へ飛躍することを夢見ている。
彼は昨年12月に「LIVゴルフプロモーション」に出場。LIVゴルフに挑戦することを目指していた。

「PGAツアーと同じくらいのプレッシャーがあった。予選会には、過去ツアーで優勝したことのあるアジア人が大勢いたんだ。僕は勝ち残ることができなかったが、とても良い経験ができた」

彼はアジアンツアーのシード権を持っており、今年は、アジアンツアーを主戦場に戦う予定だ。
1月6日にトレーニングを開始し、その後ベトナムへ。2月初旬にはマレーシアでのアジアンツアー開幕戦に出場し、インターナショナルシリーズのオマーンの大会にも出場した。

「僕が世界の舞台で活躍できるという評価に感謝しているが、まだまだその道のりは遠い」とチャンミンは語っている。

メジャーで優勝したいLPGA新人王、ユ・ヘラン

現在、ロレックスランキング31位のユ・ヘラン。昨年から米LPGAツアーを主戦場とし、「ウォルマートNWアーカンソー選手権」で初優勝を飾った。

ユ・ヘランは、昨年のLPGAツアーで最も成功した韓国人ゴルファーの1人だ。
ヘランは、LPGAツアーの「アーカンソー選手権」での優勝により、新人王を受賞。
この賞によって韓国とアメリカ両ツアーの新人王を手にしたが、彼女には欲しいものがあった。
メジャーのタイトルである。ヘランは、女子ゴルフのメジャー5試合で優勝していないが、韓国のメジャーでも同様だ。

「私にはまだメジャーでの優勝がない。LPGAツアーにはロレックス・アニカ・メジャーアワードというものがあるけど、その賞を獲得できれば、意義深い年になると思う」

「昨年はLPGAツアー25試合に出場した。できるだけ多くの経験を積もうとしたけど、2年目の今年は、慣れ親しんだコースに集中したい」と語った。

最近、イ・ソミ、ソン・ユジン、イム・ジンヒが、プロ入り後、直接LPGAツアーに進んだが、彼女たちについて「3人とも全員、優秀な選手。新人王候補として、誰について話せばいいかわからないが、新人王のチャンスは全ての選手にある」とヘランは言う。

欧州女子ツアー参戦のホン・ジョンミンに注目

今年から欧州女子ツアーに本格参戦しているホン・ジョンミン。

ホン・ジョンミンは、米LPGAの予選会に参加したが、フルシーズンのシード権を確保することはできず、条件付き出場権を得た。
彼女は悔しい気持ちでいっぱいになりながら、欧州女子ツアー(以下LET)の予選会に出場し、シード権を獲得した。
LETはジョンミンを、今シーズンの注目ルーキーに挙げている。

彼女は条件付きの出場権しかもたないLPGAより、LETを選び、現在参戦中だ。
LETは、2月の「マジカルケニア女子オープン」を皮切りに、5大陸で30試合を開催するが、サウジアラビアの石油会社がスポンサーの「アラムコチームシリーズ」も今年も5大会規模で開催される。
5月10日~12日まで、ソウル近郊で3日間行なわれるが、これは韓国初のことだ。
ジョンミンは、「LETチームの一員としてスタートしますが、アラムコチームシリーズが韓国で開催される予定なので、とても楽しみにしています」と話す。

Text/Donghoon Lee

イ・ドンフン

ソウル生まれのゴルフライター。アジュビジネスデイリー紙、ゴルフマガジン、ゴルフジャーナル(ともに韓国)などに寄稿。2021年韓国PGA感謝賞受賞。

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