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【ゴルフ上達のメンタル法】vol.19「ゴルフシーズン到来! 絶好調時のゴルフに戻るための心構えと練習法」

ゴルファーのバイブル『禅ゴルフ』のジョー・ペアレントが『ゴルフ・グローバル』の読者のために特別寄稿!

最初はボールを打たず、素振りをしよう。
クラブヘッドが芝や地面を通過する際の反応や動きを見ることが大事

しばらくコースに出ていなかった人も暖かい日差しのもと、ゴルフをしたくなる季節がやってきた。
しかし、絶好調時のゴルフに比べると、どうしても錆びついた自分のゴルフに不満を覚える人も多いだろう。
精神面&技術面のウォームアップ方法をお伝えしよう。

Joe Parent
(ジョー・ペアレント)

過去、ビジェイ・シン、デビッド・トムズ、クリスティ・カーら男女有名米ツアー選手のメンタル面をコーチ。著作にベストセラー『禅ゴルフーメンタル・ゲームをマスターする法』などがある。米国『ゴルフ・ダイジェスト』誌で世界のトップ10に入るメンタルゲーム専門家に選ばれ、何千人ものあらゆるレベルのゴルファーを指導。公式HPは、drjoeparent.com

ラウンド前のウォームアッププランを立てる

Illustration/Masaya Yasugahira

ゴルフシーズンがいよいよ到来するが、しばらくゴルフをやっていなかった人にとって、自身の絶好調時のスイングに戻すには時間がかかるものだ。
最も重要なことは、無理をせず、ケガをしないように、あまり力を入れて振り回さないことだ。
そして、自分自身に対して、うまく打てないからといって、イライラしないようにしよう。
それを実現する最良の方法は、ラウンド前のウォームアッププランを立てること。
そのための理想的なウォームアップ方法を紹介しよう。
今回は、シーズンの初めに注意した方がいい、ショートゲームとフルスイングに焦点を当てる。
冬の間、カーペットでパッティング練習をしてきた人もいるかもしれないが……!

まず、ラウンド前の「ウォームアップセッション」と、「練習セッション」の違いを理解することが重要だ。
「ウォームアップセッション」ではスイング技術の練習を避け、その練習はラウンド後や別の日に取っておこう。
ウォームアップ中は、単に流れに沿って、コースで実践したい感覚のカギを特定できるようにしておくことが大事である。

ショートゲームのためのウォームアップ

小さい振り幅のアプローチショットのウォームアップから始めよう。

まず、ウォームアップはショートゲームから始めよう。
ある意味、フルスイングよりも小さなスイング幅で行なうグリーン周りのショートゲームは、フルスイングの縮小版とも言える。
最も重要なのは、インパクトエリアだ。

ショートゲームのウォームアップは、ウェッジを数本とショートアイアンを持ち、ボールを打たずに何回か素振りを行なうことから始めよう。
その後、さまざまなライで各番手のクラブヘッドが芝を通過する感覚をつかむこと。
これがショートゲームのカギとなる。
ボールを打つこと自体にあまり集中せず、クラブヘッドが表面(芝、硬い地面、砂など)に当たった時、どのようなリアクションがあるかに焦点を当てるのが良いだろう。
ボールを打たずに素振りを行なったら、いくつかボールを置いて、どこを目標にしてもいいからアプローチショットを何球か打ってみよう。
ここでは、ボールをカップに向かってではなく、グリーン上の広いエリアに向かってアプローチショットを行なうこと。
この場合、ボールがどのくらい飛び、特定のライ、特定の振り幅のスイングから、ボールがどのような軌道を描くかを見ることが重要だ。
これにより、コース上のさまざまな状況で、どれくらいのスイング幅で打つ必要があるかについての感覚が身につくだろう。
各クラブで何球か打ってみることだ。

次に、カップに向かってアプローチショットの練習をしよう。
ボールを置き、そのライと同じような場所で素振りを行ない、クラブヘッドが芝を通過する感覚をつかむ。
これにより、ボールに対して構える前に、そのライでどのようにヘッドが動くのかを感じ取ることができるのだ。

実際、ショットを打つ際の最重要ポイントは、ボールを打つこと自体ではなく、クラブヘッドが思い通りに芝を通過するかに集中することにある。
アプローチショットがうまくいったかどうかの目安は、素振りをどれだけ再現できたか、ということ。
この方法でさまざまなショットを打っておけば、コースでパーセーブするための打ち方が準備できており、パー5でバーディを取る準備もできていることになるだろう。

もしバンカー練習場がある場合、アプローチショットと同じ方法でウォームアップすることが可能だ。
ウォームアップでは、ボールを打たずにヘッドで砂を打ち抜くだけの素振りを行ない、その後でボールを打って、バンカーからの異なる距離に対して必要なスイングの大きさの感覚を養おう。

フルスイングのためのウォームアップ法

ショートゲームのウォームアップが終わったら、次はフルショットのウォームアップを始める準備をしよう。
まず、ウェッジや9番アイアンを使ってハーフスイングを行ない、ショットがどこに行くかを気にせず、連続して、リズムよく、インパクトゾーンを通るコンタクトに焦点を当てる。
この段階では、ショットの結果よりもそのスイングを実行することに重点を置くこと。
正確な距離が打てるようになったら、徐々にスイング幅を大きくしていこう。
精度が失われ始めたら、小さい番手でスイング幅を調整し、最良の結果が得られるスイング幅をつかむこと。

このプロセスを全てのクラブ(時間があまりない場合は、1番手おきのクラブ)で進めよう。
問題がある場合は、スイングをゆっくり数回行なって、連続してリズム良く振れるように調整すること。
その後、調子が戻れば、テンポを上げていくこと。
バッグの中のクラブを全部練習し終えたら、ウォームアップセッションの最後の部分に進もう。

1本のクラブで何度も打つ練習リズムから、ラウンドを想定しながら、1打1打違うクラブで打つ、コースのリズムに変えて行く

芝や地面など、ライごとに素振りをし、ヘッドがどのような入り方やリアクションをするかに集中する。その後で実際にボールを打って、距離感を合わせること。

練習場のリズムからコースのリズムに変えるウォームアップ

実行している人はほとんどいないが、非常に重要なことは、練習場でのルーティーンからゴルフ場でのショットの完全なルーティーンへの移行を行なうことだ。
したがって、ウォームアップセッションの最後の段階は、仮想ホールをプレーすることにある。
コース上の3つのホール(パー5、パー4、パー3)を思い浮かべ、普段そのホールで使っているクラブで、これらのホールをプレーしているように想像してみよう。
実際、コースで何をするかをシミュレートしたいので、ショット前のルーティーンを行ない、ショット後にもそれぞれのルーティーンを行うこと。
ショットの1つが気に入らなかった場合でも、もう1球打つのはやめること。

パー5では、ドライバー、フェアウェイで使うクラブ(アイアン・FWなど)、ウェッジを打ち、 パー4では、ドライバーとミドルアイアンを。
パー3では、ロングアイアン、またはハイブリッドクラブでティーアップして打とう。

これにより、1本のクラブで連続して何度もショットを打つ「練習場のリズム」から、異なるクラブで1度につき1ショットを打つ「コースのリズム」に移行できる。
したがって、1番ティーに到着すると、すでにいくつかのホールをプレーした感覚があり、「コースのリズム」に入っているというわけだ。

このようなウォームアップにより、ラウンド中、もっと安心感、自信を持って、思い通りにプレーできるように、精神的にも肉体的にも準備を整えることができる。
私が一部のトッププロに教えたのと同じウォームアップシステムを使って準備することにより、1番ティーに向かう際に安心感を持つことができるだろう。
あとは皆さんがコースで素晴らしい時間を過ごせるよう、幸運を祈るばかりだ。

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