未来の世界No.1
メジャーデビューで2位のルドビグ・オーバーグ
「メジャーチャンピオンになりたいし、世界ランク1位にもなりたい」
ファジー・ゼラー以来の初出場・初優勝ならず
1年前にはまだテキサス工科大の学生だったルドビグ・オーバーグが、45年ぶりに「マスターズ」の記録を塗り替えるほどの活躍を見せた。
昨年6月にプロ転向し、DPワールドツアー「オメガヨーロピアンマスターズ」、PGAツアー「RSMクラシック」で優勝し、「ライダーカップ」欧州チームにも大抜擢されたオーバーグ。
「マスターズ」でメジャーデビューを飾ったが、まるで初出場の選手ではないような堂々としたプレーぶりで大活躍し、優勝したスコッティ・シェフラーに4打差の単独2位に入った。
最終日は11番ホールでダブルボギーを叩いたものの、5バーディを奪い、69でホールアウト。
前半はシェフラーと対等に優勝争いを演じていた。
「今週、いい感じでプレーできており、自分の思い通りのスイングができていると感じていた。過去数週間、コーチや僕のチームメンバーと一緒に『マスターズ』に向けて取り組んできたが、こうしてこの舞台で成果を出すことができてよかった」
初出場ながらも、経験豊富なキャディのジョー・スコブロン氏の助けを得ながら、通算7アンダーでホールアウト。もしシェフラーがここまで好調でなかったら、1979年に初出場、初優勝を飾ったファジー・ゼラー以来、45年ぶりの大記録を達成するところだった。
オーバーグは、「僕はいつもポジティブでいようと努めている。オーガスタはグリーン上やティーグラウンド上で微妙なニュアンスがある中、プレーすることがたくさんあるが、ジョーをとても信頼しており、彼は大いに助けてくれた。ここではアグレッシブにいくところと、そうでないところのバランスが重要だが、ジョーを信頼しながら、うまくやれたと思う」と語った。
現在世界ランク7位にまで浮上しているオーバーグを、ローリー・マキロイらは「将来、世界ランク1位になるだろう」と予測。
それに対し「そのような言葉を聞くと、とても励みになる。とても嬉しい」とニッコリ笑った。
「将来、メジャーチャンピオンにもなりたいし、世界ランク1位にもなりたい」と公言しているが、これは幼い頃にゴルフクラブを手に取った頃から変わっていない目標。
彼のポテンシャルの高さを推し量れば、その姿を見るのも時間の問題のようだ。
Text/Eiko Oizumi
大泉英子
「ゴルフ・グローバル」編集長。海外メジャー取材は男・女・シニア合わせて130試合以上。現在も海外ツアーをメインに取材。全米ゴルフ記者協会、欧州ゴルフ記者協会、日本ゴルフジャーナリスト協会会員。