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【ゴル経】ゴルフ経済がビジネスのヒント! 第27回 かつて優勝賞金は最高額だった海外メジャートーナメント。 今ではPGAツアーのフラッグシップ試合が最高峰

©Koji Kitamura

 

ゴルフの経済を知ればビジネスのヒントも見つかる!

今回のテーマは「近年の優勝賞金の上昇について」です。

「マスターズ」の優勝賞金額は、PGAツアー・シグネチャーイベントより下

Illustration/Koji Kitamura

「マスターズ」や他のメジャーでは、賞金総額が試合中に発表されることが多いが、「マスターズ」の場合、大会3日目の午前中に発表された。
賞金総額は2000万ドル(約30憶8000万円)で、前年が1800万ドル(約27憶7200万円)だったので前年比11%アップ。
優勝賞金は360万ドル(約5憶5400万円)で、スコッティ・シェフラー(米国)が獲得した。
2022年の「マスターズ」でシェフラーが優勝した時は、優勝賞金が270万ドル(約4億1500万円)だったため、この2年間で90万ドル(約1億3800万円)上昇したことになる。

今年の「マスターズ」の賞金が注目されたのは、PGAツアーの賞金が高騰し、「マスターズ」もそれに倣うのか、あるいは独自性を貫くのかという点があったから。
だが、結局は独自路線を貫き、今年のPGAツアーのシグネチャーイベントの賞金額と比べると、低かったのである。
2月に松山英樹が優勝した「ジェネシス招待」や「アーノルド・パーマー招待」「メモリアルトーナメント」の優勝賞金は400万ドル(約6億1600万円)で、PGAツアーのフラッグシップトーナメントである「プレーヤーズ選手権」は450万ドル(約6億9300万円)と、今年の「マスターズ」の優勝賞金360万ドルを超えていた。
なお、シグネチャーイベントは全8試合で、「プレーヤーズ選手権」は含まれていない。
前述の3試合は400万ドルだが、それ以外の5試合の優勝賞金は360万ドルとなっている。
この賞金高騰の背景には、サウジアラビア政府系ファンド(PIF)が支援する高額賞金のLIVゴルフの存在がある。
2024年は年間14試合が予定され、各試合の優勝賞金は400万ドルと高額。さらにチーム戦の賞金(3位まで)や年間ボーナスもある。

「マスターズ」に続き、5月に開催されたメジャー2戦目の「全米プロ」はザンダー・シャウフェレがメジャー初優勝し、333万ドル(約5億1200万円)を獲得。
しかし、この額もシグネチャーイベントの優勝賞金額以下。
以前は、メジャーが最高峰であったが、今ではPGAツアーの一部の試合の方が高額になった。

※文中、1ドル=154円で換算しています。

Text/Hirato Shimasaki
Illustration/Koji Kitamura

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