• 国境や人種を超えたスポーツの力とゴルフの愉しさをすべての人に。
  1. ホーム >
  2. バックナンバー >
  3. 【世界のゴルフ通信】From Asia ベトナムゴルフの発展...

【世界のゴルフ通信】From Asia ベトナムゴルフの発展!日本からわずか6時間弱のベトナム・ダナンはゴルフ天国

2016年、ダナン・バナヒルズの麓にオープンした、バナヒルズGC。ルーク・ドナルドによって設計され、数々の賞を受賞している。ナイター設備、ゴルフアカデミーもあり。
ダナン市内から車で約1時間の山頂にあるテーマパーク「サンワールド・バナヒルズ」。この橋は、バナヒルズ内にあるゴールデンブリッジで、「神の手」と呼ばれ、フォトスポットとして人気が高い。

ゴルフ通が舌なめずりするダナンの世界クラスコース

今年の4月、ダナンはハノイやホーチミンに次ぎ、ベトナムで3番目の都市として、ミシュランガイドの掲載エリアに加えられることが発表された。
世界的に有名なミシュランガイドの料理コレクションによる、ベトナム中部の沿岸都市に隠された美食の逸品を発見する旅は、特にベトナム料理とベトナム観光全般にとって新たな扉が開かれることになるだろう。

食通たちは、ダナンでもっと頻繁にグルメを楽しめることを期待して、舌なめずりし始めているかもしれないが、ゴルファーはここ10年ほどの間、この地域にある数々の受賞歴のあるゴルフコースを既に満喫してきた。
実際、ルーク・ドナルド、ニック・ファルド、コリン・モンゴメリー、ジャック・ニクラス、グレッグ・ノーマン、ロバート・トレント・ジョーンズJrが手掛けたダナンの世界クラスのコースを体験したいという、世界中の裕福なゴルファーたちの欲求は、控えめに言っても非常に旺盛だ。

ダナンのコースはなぜこれほど評価が高いのか?

2023年には、ダナンの6コースでプレーされたラウンド数が、過去最高に達した。
2024年もその勢いは衰えることなく、ティータイムは4月末まで、予約でいっぱいだった。

「世界中のゴルフ旅行者の間で、ベトナム、特にダナンが世界最高のゴルフ観光地の全ての要素を備えているという認識が、ますます高まっている」と、バナヒルズゴルフクラブの支配人であり、ベトナムゴルフコースト(VGC)の会長であるゲーリー・ディクソン氏は述べた。
同じVGCの主要コースであるラグーナゴルフ・ランコーやモンゴメリーリンクスとともに、バナヒルズGCは昨年、Golf.comによってアジアのリゾートのトップ11に選ばれた。
これらのコースをプレーしたことのある人なら、このような高い評価を受けることに異議を唱える人はいないだろう。

純粋にゴルフの観点から見ると、ダナンのコースは他の追随を許さないほど、非常に新鮮な挑戦と環境の選択肢を提供している。
ラグーナゴルフ・ランコーのゴルフディレクター、スティーブン・バンクス氏は次のように語る。

「ゴルフのデスティネーションとしてのベトナムの評価は、かつてないほど高く、国の中心部にあるコース群がその王冠の宝石を象徴していると我々は確信している。ある日には海辺のゴルフを楽しみ、次の日には素晴らしい山の景色を楽しむというように、いろいろなゴルフ体験ができるんだ」

しかし、ダナンをこれほどの高みに引き上げたのは、ゴルフコースとそれに付随する宿泊施設の質だけではない。
白砂のビーチ、料理、ナイトライフ、そして車で1時間以内にある3つのユネスコ世界遺産(フエの建造物群、ホイアンの旧市街地、古代チャンパ王国の聖なる遺跡と言われるミーソン聖域)を全て網羅した、パッケージが素晴らしいからだ。

ディクソン氏は、「ダナンには、誰にとっても文字通り何かがある。初心者ゴルファーから経験豊富なプレーヤーまで、あらゆるレベルのゴルファーにとって挑戦と体験がある」と語った。

「個人、カップル、グループ、家族など、あらゆる人が楽しめるデスティネーションでもある。それだけでなく、ホイアンからフエまで、ベトナムの伝統と文化もまた魅力だ」

「多くの人々は、1週間から10日間滞在しても、退屈しない場所に来たいと考える。それがまさにダナンだ」

世界遺産や美しいビーチを楽しめる
ゴルフだけじゃないダナン

コリン・モンゴメリーが設計したモンゴメリーリンクスゴルフは、ダナン市内から車で20分の場所にあるビーチリゾートエリアの南に位置するコース。ホテル、ヴィラも隣接し、宿泊&プレーが可能。

ダナンの今後の成長とゴルフとの関係性

ゴルファーにとって、そしてダナンの急成長する観光業にとっての朗報は、ゴルフ施設の数を増やすだけでなく、国際的なゴルフトーナメントを開催することにも取り組んでいるということだ。
昨年、アジアゴルフ産業連盟主催の会議で、ダナン観光局のグエン・スアン・ビン副局長はベトナムのゴルフコースの数が、現在の約80から、今後5年以内に200に増えるだろうと語った。
ダナンだけでも、少なくとも十数か所のゴルフ場が誕生するだろうと広く噂されている。

ビン副局長は「アジアでNo.1のゴルフの目的地になるために、ダナンの観光評価の高まりを強調することが目的だ」と述べている。
このような主張は、2024年の第1四半期の傑出したインバウンド観光客数によって裏付けられている。

観光当局によると、海外からの観光客は約63万6000人近くと推定され、2023年の同時期に比べて21.6%増加している。
また、国内からの観光客は125万人で24.3%増加している。
2024年の最初の3か月間に、ダナン行きの総便数は9550便を超え、約159万人の乗客を記録。
この内訳は、国内線4798便と国際線4752便だ。そして今年の第2四半期には、台中と高雄(台湾)、ビエンチャン(ラオス)、マニラ(フィリピン)、福島(日本、チャーター便)という5つの国際航空路線が新設および復活の予定だ。

これらの最新の情報に基づけば、アジアのゴルフ観光の第一人者である「ゴルフ・アジアン」のディレクター、マーク・シーゲル氏が、ダナンの今後について強気なのも不思議ではない。

「素晴らしいビーチや高級リゾートと質の高いゴルフ場を組み合わせたベトナム中部は、間違いなく国内のゴルフ観光の中心地であり、歴史的なホイアンの遺産を含む、さまざまな魅力を提供している」と語る。

地方自治体の惜しみない支援によって、さらに楽観的な見方が強まっている。
ディクソン氏は、「彼らは皆、ゴルフに対して非常に協力的だ。彼らはより大きな観光コミュニティにとってのゴルフの関連性と重要性を理解し、認識している」と語っている。

Text/Spencer Robinson

スペンサー・ ロビンソン
(シンガポール)

ゴルフライター、ブロードキャスターとしてシンガポールを拠点に活動。

アジアゴルフインダストリーフェデレーションの最高コミュニケーション責任者。

関連する記事