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【世界のゴルフ通信】From Middle East UAEでゴルフを発展させる最良の方法?1月のDPワールドツアー会場でアジア太平洋地域VS欧州の男女アマチーム戦を開催

アジア太平洋地域VS欧州の男女アマチーム戦をDPワールドツアー会場で1月に開催

来年、アジア太平洋地域VS欧州の男女アマチュアチーム戦「サー・マイケル・ボナラック・トロフィー」と「パッツィー・ハンキンス・トロフィー」が開催されるアラブ首長国連邦のアル・ハムラGC。©GettyImages
2021年「アジア太平洋アマチュア選手権」がドバイ・クリーク・ゴルフ・アンド・ヨットクラブで開催され、中島啓太が優勝した。©アジア太平洋アマチュア選手権

ラス・アル・カイマで開催
男女アマチュアチーム戦

アラブ首長国連邦(以下UAE)は、DPワールドツアーの一部である「ロレックスシリーズ」の5大会のうち3大会を毎年開催しているが、過去数年間にわたって開催された数々のエリートアマチュアの大会の数については、見過ごされてきた。

エミレーツゴルフ連盟(以下EGF)は先日、アジア太平洋地域と欧州の男女のチームが隔年で対戦する、「ライダーカップ」スタイルの大会、「サー・マイケル・ボナラック・トロフィー(男子・以下SMBT)」と「パッツィー・ハンキンス・トロフィー(女子・以下PHT)」を来年、UAEの北部、ラス・アル・カイマにあるアル・ハムラGCで開催することを発表。
エリートアマチュアの大会リストに加えたのだ。

このマッチプレー形式の大会は、アジア太平洋ゴルフ連盟(APGC)と欧州ゴルフ協会(EGA)のチームを代表する地域で最高のアマチュアゴルファーたちが競い合う、大いに注目されているトーナメントだ。
「SMBT」と「PHT」の開催は、2021年にドバイのドバイ・クリーク・ゴルフ・アンド・ヨットクラブで開催された「アジアパシフィック・アマチュア選手権(以下AAC)」と、同年にアブダビGCで開催された「女子アマチュア・アジアパシフィック選手権(WAAP)」に続くもの。
UAEは、新型コロナウイルスのパンデミックにより世界のほとんどの地域への移動が困難だった時期に、これらの主要な個人戦の開催を成功させた。

アル・ハムラGCはドバイから約100キロメートル離れた場所に位置しており、アマチュアにとっては全く新しい会場となる。
このコースでは、過去3年間「ラス・アル・カイマ選手権」や2022年「ラス・アル・カイマ・クラシック」など、コロナバブルの中でDPワールドツアーの試合を連続で開催したことがある。

プロの試合同様、アマチュアの試合を開催するのは重要

第12回「SMBT」と第4回「PHT」は、DPワールドツアーが例年通り、UAEで新年のスケジュールを開始する週の前、1月8日~10日に開催される。
EGFの副会長であるアブドラ・アル・ハシュミ氏は、UAEでゴルフを発展させるための最善の方法の一つは、このような大会を開催することだと確信している。

「EGFが2025年の『SMBT』と『PHT』を開催することは、非常に光栄なことだ。ドバイが1989年に初めて『ドバイ・デザートクラシック』を開催して以来、ドバイとエミレーツGCは世界のゴルフカレンダーにおいて恒久的で重要な位置を占めている。これまでに多くの注目度の高いプロトーナメントを開催してきたが、EGFは今、これに加えて世界クラスのアマチュア大会も開催するという意識的な決定を下した。タイガー・ウッズやローリー・マキロイのような選手がここでプレーするのを観て、若い選手がモチベーションを高めることと、中島啓太のような選手がここで『AAC』で優勝するのを観ることは同じくらい重要だと感じている」

「アジア・欧州の才能は非常に豊かで、『SMBT』や『PHT』に参加した過去の選手の中には、現在数多くのメジャーや数えきれないほどのPGAツアー、DPワールドツアー、LPGAツアー、レディースヨーロピアンツアーの大会で優勝した選手がいる。1月にはまた記憶に残るゴルフウィークが訪れることを確信し、そして我々の選手の1人が大会に参加することを期待している」

「SMBT」や「PHT」から羽ばたいた世界の強豪たち

アジア太平洋選抜VS欧州選抜の女子アマチーム戦「パッツィー・ハンキンス・トロフィー」の大会名にもなっている、ニュージーランドのパッツィー・ハンキンス(右)。写真は、2013年「ニュージーランド女子オープン」で優勝したリディア・コーに、優勝トロフィーを授与するハンキンス。©GettyImages
2023年「サー・マイケル・ボナラック・トロフィー」で優勝したアジア太平洋選抜チーム。杉浦悠太(前から2列目の左から3番目)や、出利葉太一郎(前列左)、チョ・ウヨン(前列中央)、ハリソン・クロウ(前列右)などが出場していた。©GettyImages

1998年に始まって以来、「SMBT」に出場したスター選手には、アジア太平洋地域からは松山英樹、キャメロン・スミス、ミンウー・リー、金谷拓実、キラデク・アフィバーンラト。
ヨーロッパからはジョン・ラーム、ジャスティン・ローズ、ローリー・マキロイ、フランチェスコ・モリナリがいる。
「PHT」は2016年に創設され、笹生優花、ハナ・グリーン、パティ・タバタナキットやアタヤ・ティティクルなどの選手が出場した。

「SMBT」では、欧州が7勝4敗でリードしているが、アジア太平洋チームは昨年、スペインのラ・マンガで勝利した。
アジア太平洋が欧州の地でボナラック・トロフィーを獲得したのは、2004年にイタリアのチルコロ・ゴルフ・ローマで優勝して以来、これで2度目である。
アジア太平洋の他の2回の勝利は、2002年の廣野GC(日本)と2018年のドーハGC(カタール)でのものだ。

「PHT」では、アジア太平洋が2勝1敗で欧州をリードしている。
APGCのタイムール・ハッサン・アミン会長は、次のようにコメントしている。

「『SMBT』と『PHT』は、APGCとEGAにとって特別な試合だ。メジャータイトルを獲得する未来のスターを見ることができるからだ」

2025年の開催地アル・ハムラGC

アル・ハムラGCは、アブダビGCやドーハGCも手がけたピーター・ハリディンによって設計された。
2007年にオープンしたこのコースは、バックティーから7400ヤードのパー72。
有名なウォルドーフ・アストリア・ラス・アル・カイマがゴルフコースの見事な背景を形成している。
「SMBT」と「PHT」は、3日間にわたって行なわれ、最初の2日間は午前中に5つのフォアサムマッチ、午後に5つのフォーボールマッチが行なわれる。
3日目は、全12名の選手のシングルスマッチ。
合計32ポイントが争われ、優勝するには16・5ポイントを獲得する必要がある。

Text/Joy Chakravarty

ジョイ・チャクラバルティ
(アラブ首長国連邦)

ドバイを拠点に25年以上に渡り世界中でゴルフ取材を続けている。

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