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【DPワールドツアー】2025年もDPワールドツアーで頑張る! 桂川有人&中島啓太一 世界を股にかけて戦う男たち

「ヒーロー・ドバイデザートクラシック」に出場した桂川有人(右から4番目)と中島啓太(右から3番目)。開催コースのエミレーツGCで、アマチュアへの指導をしている谷口拓也(右)と、オフにはドバイを訪れる谷原秀人(左から3番目)も応援に駆けつけた。

昨年、DPワールドツアー(以下、欧州ツアー)で優勝し、欧州ツアーメンバーとして2025年も戦っている桂川有人と中島啓太。
「ヒーロー・ドバイデザートクラシック」から出場していた2人に、現在の状態や今年の抱負を語ってもらった。

一緒に練習ラウンドをする中島啓太(右)と桂川有人。
©Eiko Oizumi

「体のコンディションを整えて、できるだけ多くの試合に出て優勝したい」
中島啓太

中島啓太(フリー)
2000年6月24日生まれ。177cm、75kg。日本体育大学出身。元世界アマチュアランキング1位。2023年には賞金王に。昨年は「ヒーロー・インディアンオープン」で優勝し、欧州ツアー初優勝。国内ツアー4勝、欧州ツアー1勝。
ドバイマリーナの摩天楼を眺めながらティーショットを放つ、エミレーツGCのシグネチャーホール(8番ホール・パー4)で。
©Eiko Oizumi
欧州ツアーに来てから、ティーショットをドライバーで攻めることが多くなったという。左は、ユアン・ファーガソン。
©Eiko Oizumi
「全米プロ」チャンピオンのジミー・ウォーカー(右)とラウンドする中島。
©Eiko Oizumi

昨年、11月中旬にドバイで行なわれた最終戦「DPワールドツアー」選手権で7位タイに入り、ツアー1年目で「レース・トゥ・ドバイ」ランキング35位に入った中島啓太。
その後帰国し、「日本シリーズ・JTカップ」に出場したあとは、「ドバイデザートクラシック」まで1か月ちょっとのオフを過ごしたが、昨秋から続く腰痛の治療と休息に時間を充てたという。

「JTカップが終わってからも、ずっと腰痛は続いていたので、とにかく休んで、ほとんど練習できなかったですね。日によって体の痛みが違ったので、痛くない日は少し体を動かして運動し、痛い日はもう休むという感じでした。というわけで、オフの間に特別に変えたことはありません。昨年のDPワールドツアーの最後の2試合(『アブダビHSBC選手権』13位タイと『DPワールドツアー選手権』7位タイ)は良い成績で終わったので、ポジティブな気持ちでオフを過ごせたかな、と思います」

昨年は、腰痛のせいで出場試合数が減少。国内ツアーも含めて21試合しか出場できなかったことを悔やんでいた中島だが、今年の目標を聞くと「今年はもちろん勝つことも大事ですけど、たくさん試合でプレーすることも大事にしたいと思っている。数字で言えば、27試合くらい出場することが目標です。最大で4連戦くらいでスケジュールを組む感じですね。DPワールドツアーは結構好きなので、まずはたくさん試合に出られるように、体のコンディショニングが一番の目標です」と語った。

アマチュア時代から、「将来はPGAツアーで戦いたい」と語っていた中島には、プロ入り1年目から「すぐにPGAツアーに行って、プレーするだろう」という周囲からの期待もあった。
しかし中島は、「そんなに簡単なものではない。欧州ツアー1年目で、PGAツアー行きを決めた久常(涼)選手はすごい。欧州ツアーで長年、シード権をとっている川村(昌弘)さんのすごさも感じたし、自分もここをベースにして、ここでプレーし続けることも大事かなと思う。このツアーは予選を通るのも大変で、厳しいですが、 DPの試合に集中して優勝したい。それに、選手や関係者からも覚えてもらえるようになったので、居心地はいいですね」と欧州ツアーでのやりがいと、居心地の良さも感じている。

2月2日現在、「レース・トゥ・ドバイランキングで86位タイとなっている。

「今年はポイントランキングトップ50に入って最終戦に出場したい」桂川有人

桂川有人(国際スポーツ振興協会)
1998年10月9日生まれ。167cm、70kg。日本大学出身。中学卒業後にフィリピンへゴルフ留学。昨年、日欧共催大会「ISPS HANDA欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」で優勝し、欧州ツアーメンバーとして活動中。国内ツアー2勝、欧州ツアー1勝。
ドバイの摩天楼に向かってセカンドショットを放つ桂川。
©Eiko Oizumi
ISPS契約選手のユアン・ファーガソン(左)と。
©Eiko Oizumi
練習場で、谷原秀人(右)からスイングのアドバイスを受ける。
©Eiko Oizumi
最近は、もともと得意だったロングショットの調子が悪く、ショートゲームが良くなっているという。
©Eiko Oizumi

昨年は4月に日本で開催された日本と欧州ツアーの共催試合「ISPS HANDA欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」で優勝し、DPワールドツアーメンバーとなった桂川有人。
レース・トゥ・ドバイランキングは84位で終了し、トップ50のみが出場できる最終戦「DPワールドツアー選手権」へと駒を進めることはできなかった。

そして2025年シーズンは、12月に南アフリカで開催された「ネッドバンク・ゴルフチャレンジ」から参戦し、18位タイで終了。
1月の「ドバイデザートクラシック」は予選落ちに終わった。
ここまでは思うような成績が出ておらず、ドバイでは、「ショットがダメすぎますね。狙ったところに全然行かない。もともとグリーンを外したらボギー、というタイプで、ショットがちょっと悪いとダメなんですけど、最近は逆で、自分じゃないショットばかり出始めている。そして、逆に、ショートゲームが自分じゃないみたいにうまくいってるんです。アプローチとパッティングに成長を感じます。そういう時期みたいですね」と語っていた。

もともとショットメーカーの桂川は、「スイングは別に調子悪いわけじゃないんですけど」と年末の「ネッドバンク・ゴルフチャレンジ」の際に語っていたが、「うまく打てず、球が曲がる。ずっと治らない」とこぼしていた。
オフにはタイでトレーニングをメインに体を鍛えており、12月上旬と今年の2月にこれを行なっているが、今後は8月をトレーニング合宿に充てる予定にしている。

「しっかり自分を極める時間にしたいですね。スイングをいじっているわけではないけど、時間がかかるし、飛距離アップという段階までも、まだ時間がかかる。すぐには効果が出ないんで、継続してやっていきます」

今後、どこを目指しているのかを聞くと、「人より強くなりたい。みんな一緒だと思いますけど、人より強くなれば、勝つことに繋がってくる。そのイメージで、なるべくトップ選手についていって自分なりに一つずつ勝ちたいですね。去年は、最終戦に行けなかったのが悔しかったので、今年は行きたいです」と、普段は柔和で穏やかな性格の桂川がキッパリ決意を口にした。
得意のロングショットがいち早く復調し、今年も優勝して最終戦へと進めることを期待したい。

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