

ゴルフで屈辱を受けたソン・ジュンギだがゴルフ愛は変わらず

韓国の俳優、ソン・ジュンギは、最近ではドラマ『財閥家の末息子』でユン・ヒョヌ役を演じたが、かつてゴルフで屈辱を受けた経験がある。
元プロ野球選手のヤン・ジュンヒョクが主催する「ヤン・ジュンヒョク野球財団」のチャリティゴルフトーナメントで、ある酒造会社がソンの等身大フィギュアを設置し、それに向かってボールを打つイベントを行なったのだ。
このイベントは2回行なわれ、ファンの怒りを買った。
ファンが愛する俳優が、ゴルフによって屈辱を受けたと感じたためだ。
しかし実際のところ、ソンはゴルフが大好きだ。
彼はゴルフイベントにもよく参加している。
2022年、ソンはPGAツアーのプロゴルファー、イム・ソンジェの結婚式にも出席しており、その際、外国人の恋人も同行していた。
彼女はイギリス出身のケイティ・ルイス・ソンダースさん。
ソンは、2022年12月に元女優のソンダースさんと結婚し、2023年1月に、自身のファンコミュニティを通じて結婚を発表した。
二人は韓国・ソウルとイタリア・トスカーナに家を構え、愛を育んできた。
そんな多忙な二人だったが、2023年6月、ソンダースさんは、ローマの病院で息子を出産。
さらに、2024年には天使のような娘も誕生した。
父親、俳優、そしてファッショニスタとして生きるソンは、より一層ゴルフを愛するようになった。
昨年10月、ロサンゼルス・ドジャースで活躍した元メジャーリーガーのパク・チャンホが、自身のSNSにソンとの写真を公開。
その写真の背景にはゴルフ場が広がっており、二人はゴルフウェアを着用していた。
ソンは、ゆったりした白いトップスに、ふんわりとした黄色のボトムスを合わせていた。
左手首にはバンドを巻き、白いスリクソンのグローブを着用していた。
とはいえ、ソンがスリクソンとスポンサー契約を結んでいるとは断言できない。
なぜなら、彼は元妻のソン・ヘギョと結婚していた頃、キャロウェイの帽子やナイキのトップスを着てゴルフをしていたからだ。
ソンの影響力に期待し、ゴルフの裾野を広げるR&A
2019年KLPGAツアー「第9回・ロッテカンタータ女子オープン」プロアマ戦に、ソンはセントアンドリュースの帽子とJ・リンドバーグのトップスを着用して出場していたが、そのゴルフ愛は彼をR&Aのグローバルアンバサダーに導いた。
R&Aは、インスタグラムフォロワー1198万人を誇るソンの知名度と影響力に注目した。
R&Aの最高開発責任者、フィル・アンダーソン氏は、次のように述べている。
「韓国は、世界でも最大級のゴルフ市場の一つで、ゴルファーが急増しています。ソン・ジュンギ氏は、870万人の韓国の成人ゴルファーの一人であり、今回のアンバサダー就任を通じて、ゴルフの魅力を広め、新たにゴルフを始める人々に影響を与えることを期待しています」
これまでにR&Aは、ミシェル・ウィー・ウェスト、元サッカー選手のガレス・ベイル、そしてワン・ダイレクションのメンバーであるナイル・ホーランをグローバルアンバサダーに任命してきた。
これに対し、ソンは次のように語った。
「ゴルフは、男女を問わずあらゆる年齢の人が楽しめるスポーツ。R&Aのビジョンと価値に深く感銘を受けました。より多くの人に、ゴルフを体験してもらい、ゴルフの魅力や恩恵を知ってもらうことを光栄に思います」
シンガポールでR&Aの初仕事


彼は、2月にR&Aの初イベントに参加した。
LPGAツアーの「HSBC女子世界選手権」の大会期間中、ビジネスフォーラムが開かれ、スウェーデンのゴルフレジェンドであるアニカ・ソレンスタム、中国の元世界ランキング1位の女子ゴルファー、フォン・シャンシャンが登壇。
ソンも彼女たちと共にステージに上がり、「私は幼少期、将来有望なショートトラック・スピードスケート選手でした。その経験もあり、若い選手たちに関心があります。これを機に、将来有望なゴルファーを応援したいと思っています」と語った。
また、現地で取材したメディアのインタビューでは、「私の妻と義父は、共にイギリス国籍です。アンバサダー就任が決まった時、とても誇りに思いました。初のアジア出身アンバサダーということで、大きな責任も感じています。現在、R&Aとさまざまな対話を重ねていますが、今後の任務に全力で取り組んでいきたいと思います」と意気込みを語った。
ソンのアンバサダー就任を「ただのセレブ扱い」と見る向きもあったが、これに対し、ソンは次のように反論した。
「有名な俳優だから、アンバサダーになれたとは思っていません。真摯に取り組むつもりです。現在、イム・ソンジェ選手と『ドリームツリー(未来のゴルファー)』を支援する方向性を模索中です」
ゴルフ好きのソンのハンデは20。
最近は、ピッチングウェッジに悩みを抱えている。
彼はこの悩みについて、「ゴルフバッグからピッチングウェッジを外すかどうか、すごく悩んでいます。イム・ソンジェ選手のレッスンのおかげで、5番ウッドには自信がつきました。これは数少ない自分の得意技のひとつです」と語った。
韓国のゴルフ市場は実は、低迷中
一見すると韓国のゴルフ人気は衰えていないようだが、実際にはコロナ後、韓国のゴルフ市場は縮小傾向にある。
他国と同様、ゴルフ場の予約の空きが増加している状況だ。
さらに、ゴルフ用品メーカーでリストラが相次いでいるが、そんな中、R&Aのグローバルアンバサダーに就任したソンが、韓国ゴルフの復活を牽引することへの期待が高まっている。
Text/Donghoon Lee

イ・ドンフン
ソウル生まれのゴルフライター。アジュビジネスデイリー紙、ゴルフマガジン、ゴルフジャーナル(ともに韓国)などに寄稿。2021年韓国PGA感謝賞受賞。