
昭和の英雄が抱いたゴルフへの情熱
昭和を代表するスーパースター、長嶋茂雄氏が6月3日に亡くなった。
『ミスタープロ野球』を略して、ただ『ミスター』と言えば誰のことだかわかるほど、唯一無二の存在だったのはご存知の通り。
プロ入り後は現役、監督時代を含めて読売ジャイアンツ一筋だった長嶋氏だが、引退後、監督を務めていなかったいわゆる〝浪人時代〟には、様々なスポーツに関わった。
オリンピックの取材はよく知られているが、ゴルフ界との縁も深い。
最も新しいところでは、男子ツアー「長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップ」の大会名誉会長を務めていた。
残念ながら2024年を最後に消滅した日本ツアーのこの一戦は、若いプロたちとスーパースターとをつなぐ場でもあった。
プロゴルファーとの関係も深い。
プロゴルフに転向前、西鉄ライオンズの投手だった尾崎将司は、長嶋氏を尊敬し、氏が2度目の巨人監督の際『33』を背負った時にはボールだけでなく、車のナンバーまで『33』。
身の回りにその数字があふれていた。
また氏は、岡本綾子とともに「フォア・ザ・チルドレンWAVE2000」というチャリティ活動に携わったこともある。
競技の枠を超えたスポーツ界の先達の訃報に接し、7月には大会を行なっていたセガサミーが中心となり、追悼のチャリティイベントを行なう予定となっている。
長嶋氏が残したものは、ゴルフ界にもしっかり根付いている。
選手会主催の第2の大会が男子ツアーに誕生
話は変わるが、日本の男子ツアーにも、明るい兆しが見え始めている。
6月になって選手会主催の新規大会「フォーティネット・プレーヤーズカップ」(10月30日~11月2日、千葉・成田ヒルズCC)の開催が発表されたのだ。
選手会主催大会は「JAPAN PLAYERS CHAMPION SHIP by サトウ食品」に続く2試合目。
特別協賛のフォーティネット社は、これまで米ツアー、DPワールド(欧州)ツアーもスポンサードしてきたグローバル企業。
男子ツアー、特に選手たちの方向性に賛同してのサポートだという。
選手たちの意欲も増しており、ようやくポジティブな流れが見えつつある。
海外女子メジャーでも日本勢が大活躍!
今季、米女子ツアーで日本人が3勝



メジャーでも存在感抜群の日本女子勢

女子は、米国での日本人の活躍が目覚ましい。
米ツアーに腰を据えて戦う選手が年々増えており、開幕から15試合連続で誰かがトップ10入りしているほどだ。
「ブルーベイLPGA」の竹田麗央、海外女子メジャー初戦「シェブロン選手権」の西郷真央、「リビエラマヤオープン」の岩井千怜とすでに3勝。
優勝争いに日本勢がいるのが当たり前のような状況が続いている。
21人が出場し、10人が予選を通過した「全米女子オープン」では、首位に2打差の3位タイで、渋野日向子、西郷真央、竹田麗央の3人が最終日を迎えた。
2019年の「全英女子オープン」に優勝し、昨年の「全米女子オープン」2位の渋野。
「シェブロン選手権」に続くメジャー連勝を狙う西郷。
そして初メジャー優勝に挑む竹田。
それぞれが全力で挑んだ最終日だったが、マヤ・スターク(スウェーデン)が優勝した。
それでも、竹田が2位タイ、西郷が4位タイ、渋野が7位タイといずれもトップ10入りを果たし、日本勢の強さが一過性のものでないことをアピールするには十分だった。
毎週、米女子ツアーの優勝争いをにぎわす日本勢。
この構図はシーズンを通じて続きそうだ。
それは同時に、西郷が首位を突っ走り竹田が4位につけているプレーヤー・オブ・ザ・イヤー。
竹田が首位で2位が山下美夢有、3位が岩井千怜、4位が岩井明愛のルーキー・オブ・ザ・イヤー(いずれも6月22日現在)のタイトル争いでも楽しませてくれるということに他ならない。
国内ツアーも、若い選手の初優勝が続くなど、今後の展開が興味深いところだ。
Text/Junko Ogawa
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小川 淳子
東京スポーツのゴルフ担当記者として日米欧のトーナメントを取材。
現在はフリーでゴルフ雑誌などで執筆。