最終予選会を通過し、出場権を獲得した横田真一

今季は、欧州シニアツアー(レジェンズツアー)メンバーとして、各地を転戦している横田真一。
今大会の最終出場枠をかけた最終予選会が、サニングデール近郊の4会場で行なわれ、計16名が本選出場権を獲得。
横田真一も、ベアウッドレイクスGCでの予選会で3位に入り、見事出場権をゲットした。
だが、結果は予選落ちに終わった。
「しょうがないね。これが今の実力。欧州シニアツアーに比べると、レベルはやや高い。もうちょっと自分のゴルフができれば……。でも一生懸命やったから悔いはない。本当は今週と、来週(欧州シニアツアーのメジャー『ステイシュアPGAシニア選手権』)で頑張りたかったけど、赤字を積み重ねてしまった」
トルコ、スイス、スペイン、ギリシャ、アイルランド、イギリス、イタリア、バルバドス、中国、ベトナム……など、欧州だけでなく中南米、アジアと、レギュラーツアー以上に広範囲にわたってスケジュールが組まれている欧州シニアツアー。
そこで戦うには、金銭面での負担も大きく、今大会のような高額賞金のメジャーで少しでも賞金を稼ぐために、上位に食い込みたかったところ。
12月まで試合は続くが、現在、ランキングで53位の横田が、来季のシード権(20位以内)を獲得するには、残りの試合で上位に食い込まないと難しい。
「今後の目標は、20位以内のシードを取るということですね。シード選手になれば、この大会も出やすくなるから」
イタリアを拠点に奮闘中の横田にとって、来季もこのツアーで戦うには、秋以降の試合で好成績を残すことが最重要となるが、一方、「日本シニアオープン」「日本プロシニア」などの日本のシニアメジャーにも出場予定だ。
最年長67歳のベルンハルト・ランガー
予選通過し、24位で終了


世界で通算125勝を挙げ、シニアツアーでも歴代1位の勝利数47を誇る、ドイツのベルンハルト・ランガー。8月末に68歳になっても、まだまだ衰えを見せず、昨年2月にアキレス腱を断裂したものの、最終戦の「チャールズ・シュワブカップ選手権」で優勝。
今年の「マスターズ」で引退を表明したが、現在もシニアツアーで元気に戦っている。
今大会でも最年長出場者として、見事に予選通過を果たし、通算3アンダーの24位タイで終了。
シニア入りして19年目を迎えているが、今もなお、シニア王者の強さ・技術は健在だ。
開催地の名門サニングデールGCで日本のレジェンド2人が優勝していた!



名物のソーセージドッグは、このハーフウェイハウスで楽しめる。


サニングデールGC・オールドコースは、「全英オープン」で2勝したウィリー・パーク・ジュニア設計の、1901年に開場した歴史ある名門コース。
そのハーフウェイハウス(茶店)で、日本のレジェンド2人の足跡を発見する出来事があった。
今年、チャンピオンズツアーメンバーとして米国を主戦場に戦っている藤田寛之と、2024年日本シニアツアー賞金ランク5位の増田伸洋が今大会に出場し、練習ラウンドを行なっていた時のこと。
茶店には、過去このコースで大会が行なわれた際の優勝者たちの写真が飾られているが、名物のソーセージドッグを頬張りながら、樋口久子と青木功という世界ゴルフ殿堂入りプレーヤー2人の写真を発見!
これには「青木さんも樋口さんも、ここで勝ってたんだ!すごい」と興奮気味だった。
さて、試合の方は、藤田は予選落ち、増田は腰痛で棄権と、残念な結果に終わった。
藤田はここ数ヶ月、スイングで悩んでおり、なかなか不調の沼から抜け出せない様子。
「もういっそのこと練習をしないで、クセのついたスイングを忘れてしまった方がいいかもしれない」と、思えるほどの絶不調。
来年のチャンピオンズツアーのシード権を確保するには、上位で戦い、ポイントを獲得しないと難しい状況だが、なかなかそこから脱却する方法が見つからず、苦悩の日々を送っている。
また増田は、もともと抱えていた腰痛を、痛み止めを飲み、騙し騙しケアしながら渡英、練習していたが、腰に激痛が走り、初日3ホールで棄権。
予選ラウンドを終えることなく、帰国の途についたのだった。
自宅からたった4分でコースに到着できる喜び コリン・モンゴメリー

欧州ツアーは通算31勝。1993年~1999年まで、7年連続で欧州ツアーの賞金王に輝いたモンゴメリー。
欧州では圧倒的な強さを誇っていたが、現役時代はメジャーの勝利に恵まれなかった。
そんな彼は、「全米プロシニア」(2勝)、「全米シニアオープン」とシニアメジャーで3勝。スコットランド出身で、ISPSアンバサダーの彼なら是が非でも欲しい「全英シニア」だが、通算2アンダーの31位タイに終わった。
サニングデールでの大会は、エルス同様、「ホーム開催」のようなもの。
「普段は職場(大会のコース)まで6400キロも移動しないといけないのに、今回は自宅からわずか4分で来ることができる。地元でプレーできる機会は本当に貴重。自分が人生最後の1ラウンドをプレーするなら、ここを選ぶと思う。設計、景観、雰囲気と全てが素晴らしく、ラブラドール犬を2匹連れてのんびり散歩したいくらい」と、サニングデールを絶賛していた。
現在62歳のモンティだが、優勝争いに加わるのが難しくなってきたとも吐露。だが、「勝ちたい」「挑戦したい」という情熱は持ち続けているという。
「1週間に2大会開催なんてすごすぎる!」ナイル・ホーラン

イギリスのボーイズバンド「ワン・ダイレクション」のメンバーであり、現在はシンガーソングライターとしてソロ活動しているナイル・ホーラン。
ローリー・マキロイの友人であり、ゴルフの腕前もシングル級だが、そんな彼はプロのマネージメント会社「モデスト! ゴルフ」の共同創設者であるとともに、ISPSアンバサダー、R&Aのアンバサダーも務めている。
そんな彼は、今大会のプロアマ戦にも参加し、試合中はロープ外から観戦。
「ゴルフ界のレジェンドたちが集まるこの大会に、ISPSという大きなスポンサーがつくことになり、素晴らしいと思う。ISPSは、常に次のレベルに大会を引き上げてくれる。そしてISPSがすごいのは、同週に女子の試合(『スコティッシュ女子オープン』)を開催していること。いったい、半田会長が、どうやってこれらの試合を同時に成功させているのかわからないけど、すごいことだよね。スポーツの力は偉大。ゴルフというゲームに光を当ててくれている」と語っていた。
2026年大会の開催地は、名門グレンイーグルス

2026年の今大会の開催地は、スコットランドのグレンイーグルス・キングスコースであることが発表された。
ここでは過去、「ライダーカップ」「ソルハイムカップ(『ライダーカップ』の女子プロ版)」、DPワールドツアーの試合が開催されてきたチャンピオンシップコース。
2022年にはダレン・クラークが、この地で開催された「全英シニアオープン」で優勝し、「全英オープン」と両大会を制覇した、史上4人目の選手となった場所である。
Text & Photo/Eiko Oizumi
Photo/R&A、Getty Images