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【ISPS NEWS】ISPS HANDA スコティッシュ女子オープンでロッティー・ウォードが歴史的快挙!プロデビュー戦でLPGA初優勝!

ISPS HANDA スコティッシュ女子オープン/2025年7月24日~27日/ダンドナルドリンクス(英国)/6538ヤード・パー72

優勝 Lottie Woad

ロッティー・ウォード(イングランド)
2004年1月17日生まれ。フロリダ州立大出身。元世界女子アマチュアランキング1位。2022年「女子アマ選手権」、2024年「オーガスタ女子アマ」優勝など。2025年「KPMGアイルランド女子オープン」では、アマチュアで優勝。「エビアン選手権」では3位タイに入り、その直後にプロ転向。©LET
米女子ツアー参戦に備えて、アメリカで車の免許を取得したいと明かしたウォード。初めて手にした賞金を使って、アメリカで車を買いたいと語った。©LET
予選ラウンドを、世界ランク1位のネリー・コルダ(中央)と、イギリスの世界ランク最高位プレーヤー(19位)で、ISPSアンバサダーのチャーリー・ハル(右)という注目組でラウンドしたウォード。©LET
メジャーチャンピオンで、世界ランク10位のキム・ヒョージュは、最終日にウォードを猛追したものの3打差の2位に終わった。©LET

プロ入り後初の試合で優勝賞金30万ドルを獲得

元世界女子アマランキング1位で、2024年には「オーガスタ女子アマ」でも優勝した経験を持つ、イングランドのロッティー・ウォードが、欧米女子ツアー共催試合「ISPS HANDAスコティッシュ女子オープン」で2位のキム・ヒョージュに3打差をつけて、LPGA初優勝。
プロデビュー戦で、鮮烈なプロゴルファーとしてのキャリアをスタートさせ、優勝賞金30万ドル(約4500万円)を手にした。

まずは、ウォードが今大会直前にプロ転向した経緯をご紹介しよう。
7月に開催された「KPMGアイルランド女子オープン」では、アマチュアながらプロの試合で優勝。
続く海外メジャー「アムンディ・エビアン選手権」では3位タイに入る活躍を見せた。
それにより、LPGAエリート・アマチュア・パスウェイ(以下LEAP)を通じてLPGAメンバー資格を得るために必要な20ポイントに到達。
2023年以降、アマチュア大会やメジャーでポイントを積み重ねてきたことにより、LEAP導入以来、このパスウェイを通じてLPGAメンバー資格を獲得した初の選手となったばかりだったのだ。

 「プロデビュー戦で勝つのは、簡単なことではありません。でも、LPGA初出場で優勝できたのは、本当に特別なこと。最後までリードを守るのは大変でしたが、自分のプレーには満足しています」

ツアーメンバーのデビュー戦Vは3人目
世界のトップランカーらも大絶賛!

最終日、ウォードは「終盤までいいプレーができて嬉しかった。次の1打だけに集中するようにした」と語った。©LET

世界のトッププロも「完成度の高い選手」と絶賛

リンクス特有の風やコースコンディションの難しさがあり、スコアを崩す選手が多い中、ウォードがボギーを叩いたのは、4日間でわずか3回。
イングランド出身の彼女は、決してスコットランドでのプレーに慣れてはいないと語っていたが、「リンクスではボギーを避けることが大切。それが勝因だった」と振り返った。
得意のウェッジショットでチャンスを作り続け、ピンチを回避。
予選ラウンドでは、世界ランク1位のネリー  ・コルダと同組で回るなど、大型新人のデビューに注目が集まっていたが、アマチュア時代に「オーガスタ女子アマ」で優勝した時のプレッシャーをはねのけた自信を糧に、今回の優勝を掴み取った。
優勝会見でウォードは、「今回の方が(オーガスタ女子アマよりも)少し気がラクだった。全てが初めてというわけではなかったので、できるだけ多くの経験を積むことが本当に大事」と語り、過去、アマチュア時代にプロの試合やメジャーに出場した経験がいかに大事であるか、を力説。
その冷静さと実力が、プロデビュー戦でも発揮され、ネリー  ・コルダやリディア・コーら、世界のトップランカーたちからも「全体的に完成度の高い選手」「ゴルフは自信が全てだが、彼女は自信に満ち溢れている」「冷静沈着で、経験も豊富」と大絶賛されている。

過去、ツアーメンバーとしてプロデビュー戦で優勝したのは、ビバリー  ・ハンソン(1951年「イースタンオープン」)、コ・ジンヨン(2018年「ISPS HANDAオーストラリア女子オープン」)の2人だけ。
今後、ネリー  ・コルダら世界の上位選手を脅かす存在として、どのような活躍を見せるか。
また、今回のような歴史的な偉業をどれだけ達成するのか、非常に楽しみな逸材である。

「惜しいパットが、もう少し決まってくれたら……」山下美夢有

日本勢で唯一、トップ10入りを果たした山下美夢有。©LET

「最終日は、もうちょっと伸ばしたかった。後半で、チャンスがありながらもパターが入ってくれなかった。惜しいパットがありながらの後半だったが、その辺が決まってくれたら、もうちょっとスコアが出てくれたのかな、と思う。トップ10については、あまり意識していなかった。少しずつ良くなっているのは良かったけど、上との差はすごく開いているので、まだまだですね。」

ISPS HANDA スコティッシュ女子オープン 最終成績

優勝ロッティー・ウォード−21
2位キム・ヒョージュ−18
3位キム・セヨン
ジュリア・ロペス・ラミレス
−14
5位ネリー・コルダ−13
6位ナンナ・コルツ・マドセン−11
7位ポーラ・レト−10
8位イ・ミヒャン
アリア・ジュタヌガーン
−9
10位チェ・ヘジン
ローレン・コフリン
リンディ・ダンカン
アリス・ヒューソン
山下美夢有
−8
16位岩井明愛−6
21位ミンジー・リー
チャーリー・ハル
−5
28位勝みなみ−4
38位竹田麗央
吉田優利
−1
50位渋野日向子+1

予選落ち/古江彩佳、馬場咲希、岩井千怜

Text/Eiko Oizumi
Photo/Mark Runnacles/LET, Getty Images

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