


トップゴルフの次に提携したゴルフ関連企業
昨年、トップゴルフとの提携と、サウジアラビアにおけるテクノロジー主導の3つのゴルフ施設建設を発表したゴルフ・サウジは、このたび「ファイブ・アイアン・ゴルフ(以下、FIG)」との提携を発表。
没入型のゴルフ体験を同国にもたらすことになった。
先進的なインドアゴルフ施設が、サウジアラビア各地に展開される予定で、第1号店となるFIG・リヤド店は、2026年第1四半期にオープン予定だ。
施設は首都リヤドのビジネスハブとして知られるキング・アブドラ金融地区の象徴的な建物「PIFタワー」1階に開設される。
このリヤド店は広さ1500平方メートルにおよび、ツアー基準のトラックマンデータを活用したシミュレーター、クラブフィッティング技術、コーチングといった最先端のテクノロジーに加え、活気あるホスピタリティと没入感あふれるデザインが融合した、社交的な体験を提供する。
ビジョン2030実現につながるFIG
FIGは2017年に設立され、瞬く間に世界的な人気を博すようになった。
都市部に住み、ゴルフ場まで何時間も移動する余裕がない人々にもゴルフを楽しめる場を提供したいという思いからスタートしたのだ。
ゴルフ・サウジのCEOノア・アリレザ氏は次のように語っている。
「世界で最もダイナミックかつ包括的なゴルフ体験を、サウジアラビアにもたらすべく、FIGと提携できることを非常に嬉しく思う。このコラボは、ゴルフ参加の拡大、若年層の育成、年間を通じたゴルフインフラの整備という、共通の目標を反映している。『ビジョン2030』の一環として、活気に満ちた、誰もがアクセス可能なゴルフ・エコシステムを築くことを目指している」
なお、中東初のFIG施設は、昨年ドバイにオープンしており、サウジアラビアでは今後、複数都市への展開が予定されている。
ドバイ店はウェスティン・ドバイ・ミナ・セヤヒ・ビーチ・リゾート&マリーナ内に位置し、3000平方メートルを超える敷地に17台のシミュレーターを完備。
世界最大規模のFIG施設である。
米国発のFIGとの連携は、スポーツ分野での「ビジョン2030」達成に向けて、地域コミュニティとのつながりを広げ、持続可能かつ包括的なゴルフ・エコシステムを構築しようとするゴルフ・サウジの取り組みを後押しするものだ。
FIGの共同創業者兼CEO、ジャレッド・ソロモン氏は次のように述べている。
「FIGは、単なる打ちっ放し施設ではない。ゴルフの現代的な姿を形成する文化体験そのものであると信じている。私たちのブランド、エネルギー、そして包括性へのコミットメントをサウジアラビアに届けることを楽しみにしている。サウジアラビアが活気あるゴルフ・エコシステムを築き、新世代のゴルファーにインスピレーションを与える中で、私たちもこの勢いの一部となり、より広範に成功に貢献できることを誇りに思う」
FIGは、ニューヨークのフラットアイアン地区、5番街にある1店舗からスタートした。
社名は、「5番街の〝ファイブ〟」と「フラットアイアン地区の〝アイアン〟」に由来している。
この施設は、都市型インドアゴルフ体験として、ゴルフとテクノロジー、エンターテイメントを融合させ、あらゆるレベルのプレーヤーに楽しさを提供し、コミュニティを活性化させる。
早朝から深夜まで、各施設では業界最先端のゴルフ・シミュレーターを30分単位で利用でき、個人、またはグループレッスン用のインストラクター、バー、フードメニュー、イベントスペースも備えている。
多くの店舗では、クラブフィッティング専用の「フィッティング・ラボ」も併設されており、メンバーシップ制度もあるが、シミュレーターの予約に入会は必須ではない。
リーグ戦やイベントスペースの利用も可能だ。
なお同社は、キャロウェイゴルフ(2021年に3億ドル出資)や、著名なレストラン経営者で「シェイク ・シャック」の創業者ダニー ・マイヤー氏が設立したエンライテンド ・ホスピタリティ・インベストメンツ(2億ドル出資)といった投資家が出資している。
キディヤシティに、ファルド設計の新コース誕生

サウジアラビアにおいて、あらゆるスポーツ活動に特化して設計された世界初の都市「キディヤシティ」で、ニック・ファルド設計による新ゴルフコースが完成。
ジュニアとアマチュアを対象とした世界的ゴルフシリーズ「ファルド・シリーズ」とのグローバルパートナーシップが決定した。
また、キディヤシティは「ファルド・シリーズ」サウジアラビア大会の開催地にもなる。
18ホールのチャンピオンシップコースは、今回の発表にあわせてお披露目された。
一般向けのオープンは来年を予定しており、世界水準のアカデミーや練習施設(2028年に開設予定)を備えるクラブハウスも注目だ。
ファルドは次のように語った。
「スポーツ、エンターテイメント、文化が融合した全く新しい都市の形が創造される、この非常にエキサイティングなプロジェクトに関われることは、またとない機会だ。この場所を『ファルド・シリーズ』の新たな開催地とし、世代を超えてゴルフを学び、楽しみ、そして愛する拠点として築いていけることを大変嬉しく思う」
このコースはナイトゴルフが楽しめるよう、照明設備が整えられており、標高200メートルを超えるツワイク山脈の崖に囲まれた劇的な地形に設けられている。
クラブハウスは緑化屋根構造となっており、一般にも開放され、イベントスペースとしても使用される。
クラブハウスは、運営とプレーヤー対応の中核となる『クラブハウス』、社交と健康を重視した『ソーシャル・ウェルネス・ハブ』、そして先進的な『アカデミーエリア』という3つの主要ゾーンをつなぐ中心拠点となる。
キディヤシティは、リヤドから車でわずか40分。
ゴルフコースのほかにも、2034年「FIFAワールドカップ」の開催地の一つとなる「ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子スタジアム」、モータースポーツ用のスピードパークトラックの「メルセデスAMGワールド・オブ・パフォーマンス」、舞台芸術センターなどが整備される予定である。
Text/Joy Chakravarty

ジョイ・チャクラバルティ
(アラブ首長国連邦)
ドバイを拠点に25年以上に渡り世界中でゴルフ取材を続けている。




