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【ベイカレントクラシック・プレゼンテッド・ バイ・レクサス】ザンダー・シャウフェレがツアー出場200試合目でPGAツアー10勝目「日本で勝てたことは特別なこと」

Baycurrent Classic Presented by LEXUS/2025年10月9日~12日/横浜カントリークラブ(神奈川県)/7315ヤード・パー71

優勝 ザンダー・シャウフェレ(米国)

1993年10月25日生まれ。2015年プロ転向。PGAツアー10勝(うちメジャー2勝)。日本育ちの台湾人の母親と、フランス人、ドイツ人のハーフの父親の間に生まれる。2021年「東京五輪ゴルフ」金メダリスト。今年の8月、第一子ビクターくんが誕生。父親のステファンさん(右)、母親のピンイーさん(左)と共に記念撮影を行なうシャウフェレ。©Yoshitaka Watanabe
最終日、最終ホールのグリーン上でパッティングするシャウフェレ。2位と1打差で優勝し、大勢のギャラリーから祝福の拍手と声援を受けた。©Yoshitaka Watanabe

世界ランク4位のザンダー・シャウフェレが、日本開催のPGAツアー「ベイカレント・クラシック・プレゼンテッド・バイ・レクサス」でツアー10勝目を達成した。
2021年に「東京五輪ゴルフ」で金メダルを獲得して以来、日本で2勝目。
日本にルーツを持ち、特別な想いを抱くシャウフェレが、優勝後、熱い想いを語った。

「この優勝をきっかけに、30代中盤へのいい流れができるといい」

最終日のフェアウェイキープ率は、100%(1位)で、パーオン率は88.89%(5位)だった。©Yoshitaka Watanabe
シルバーの美しい優勝トロフィーを掲げてスピーチ。©Yoshitaka Watanabe

祖父母が日本に住むシャウフェレが優勝

3日目を終えて、初日から首位をキープしてきたマックス・グレイサーマンと共に、首位タイに立った世界ランク4位のザンダー・シャウフェレが、最終日に8バーディ、1ボギーの64をマークし、通算19アンダーでホールアウト。
2位のグレイサーマンに1打差で今季初優勝を遂げ、ツアー出場200試合目でPGAツアー通算10勝目を達成した。
また、優勝賞金144万ドル(約2億1600万円)を獲得し、世界ランクも3位に浮上した。

「最後に優勝してから、1年くらい経過しているので、正直緊張した。ゴルフ界も選手たちがどんどん若くなっているし、マックス(グレイサーマン)もマイケル(トービヨンセン)も安定したゴルフをしていて、途中まで接戦だった。優勝で今年を締めくくれたのは良かったし、今月で僕も32歳になるので、この優勝をきっかけに30代中盤への流れができるといいね」

シャウフェレにとって日本は特別な場所。
今も台湾出身の祖父母が東京・渋谷で生活している。
そこは母親のピンイーさんが育った場所であり、幼少の頃から日本を訪れている彼にとって馴染み深い場所でもある。

「祖父母に会うために、日本に初めて来たのは9歳の時。その時に日本の文化について学び、好きになった。自分の息子を日本に連れてこられる日を楽しみにしている。シャウフェレファミリーが、日本との深いつながりがあるのは確かだ。そんな日本で勝てたことは本当に嬉しいし、特別なこと」

祖父の陳栄生さんは現在91歳で、祖母の波子さんは81歳になるが、アップダウンのある横浜CCを歩いて応援していたという。

長男ビクターくんの誕生で精神面に変化
父親としての自覚も芽生えた

日本に住む親戚一同も集まり、優勝後の記念撮影。渋谷に住む祖母(写真中央)も応援に駆けつけた。©Yoshitaka Watanabe
ボランティアと共に、自撮りをするシャウフェレ。©Yoshitaka Watanabe

父親として初優勝を遂げたザンダーの変化

今年の8月末、シャウフェレとマヤ夫人の間に長男・ビクターくんが誕生した。今回は、マヤ夫人とビクターくんは来日せず、アメリカの自宅でお留守番となった。

「マヤとの間に最初の子供が生まれて、間違いなく精神面の変化はあった。まだ息子は6週間ちょっとだが、彼のためならなんでもできると思える。これまで感じたことのない感覚で、言葉でうまく説明できないが、とても新鮮で、父親になることがこんなに最高なんだと感じている。この後、(米国に)帰って息子とマヤに会うのが楽しみだ」

  最終日には、日本に住む親戚たちが大勢集まり、シャウフェレの応援に駆けつけた。
表彰式後の記念撮影では、20人以上の家族と親戚が一堂に会し、1枚の写真に収まった。
今回は、父親ステファンさんと母親ピンイーさんも揃って来日。
ここ数年、ステファンさんはハワイに自宅を建設中で、メジャーにも姿を見せていなかったが、日本開催の今大会で久しぶりに息子のプレーを見守った。

「(今晩は)家族みんなで集まって、少しお酒を飲みながらお祝いすると思う。まだお酒を飲めない子もいるけれど、一緒にゆっくり過ごしたい。なかなか会う機会がないから、家族は横浜でも千葉でも、どこで試合があっても時間を作って来てくれる。本当に感謝しているよ」

第2の祖国・日本で2勝目を挙げたシャウフェレ。
1勝目は、2021年の「東京オリンピック」での金メダル獲得だった。
今季序盤はケガの影響で欠場を余儀なくされ、自信を失う時期もあったというが、今回の優勝で再び自信を取り戻し、来シーズンへ向けて大きな弾みをつけたいところだ。

注目の松山英樹(左)は、8アンダーの20位タイ。最終日に松山と同組でプレーした比嘉一貴は、9アンダーの18位タイに終わった。©Yoshitaka Watanabe
日本勢最高位は、金谷拓実。シャウフェレとは5打差の、4位タイに終わった。©Yoshitaka Watanabe

ベイカレント C レクサス最終成績

優勝ザンダー・シャウフェレ−19
2位マックス・グレイサーマン−18
3位マイケル・トービヨンセン−16
4位金谷拓実
リコ・ホーイ
アン・ビョンフン
アレックス・スモーリー
ギャリック・ヒゴー
−14
9位ニコ・エチャバリア−13
10位キース・ミッチェル
クリスチアン・ベゾイデンハウト
マット・ウォレス
ミンウー・リー
−11
14位コリン・モリカワ
ニコライ・ホイガード
ラスムス・ホイガード
−10
18位比嘉一貴−9
20位松山英樹
米澤 蓮
−8
27位アダム・スコット
サヒス・シガーラ
−7
33位金子駆大−6
40位中島啓太−4
48位ウィンダム・クラーク−2
52位堀川未来夢−1
54位大西魁斗E
56位トム・キム+1
60位蟬川泰果+2
62位小西たかのり+3
65位生源寺龍憲+4
67位小林大河(アマチュア)
小平 智
+5
69位石川 遼+6
72位久常 涼+7
76位中西直人+9
77位河本 力+10

Text/Eiko Oizumi
Photo/Yoshitaka Watanabe

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