



昨年、日本開催の「ZOZOチャンピオンシップ(『ベイカレントCレクサス』の前身)」で2位タイに入り、日本でのプレーがすっかりお気に入りとなったグレイサーマン。
今年は初日から首位に立ち、3日目を終えて、ザンダー・シャウフェレと首位タイで最終日を迎えた。
だが、最終日に65をマークしながらも、ツアー初優勝にあと一歩届かず。
今年も1打差の2位に終わった。
「いろいろな受け取り方ができると思う。一つは、2位という結果、そして失望という気持ちも一つ。一方で本当にいいプレーができたとも言える。最終組で首位タイでスタートし、65を出せたのは良かったが、とても悔しい思いもある。PGAツアーでは、日曜日に素晴らしいプレーができないと勝てない。いいプレーはしたけど、勝てなかったという感じですね」
今年は、6月末の「ロケットクラシック」でプレーオフの末、2位タイに甘んじたグレイサーマンだったが、同大会後6試合は、「フェデックス・セントジュード選手権」で32位タイに入った他は、全て予選落ちして今大会に臨んでいた。
「日本でプレーするのが好き。素晴らしい文化だし、皆さん、敬意を持っているファンばかり。アメリカでは30フィートにショットがついたとしても拍手はもらえないが、日本では違う。日本のファンはゴルフを芸術のように見ているのかもしれない。僕が練習場でスイングしていても、スイングを真似してみようとか、何かを学ぼうとする姿勢が見られる。アメリカでは、もっと娯楽性の高いスポーツなのかも。横浜CCは、通年でもベストコースの一つだ」
2年連続で優勝争いをしたことについて、「結果が良くても悪くても、優勝争いをしている日曜日の経験を積むことが大事」と語ったグレイサーマン。
友人とリラックスしながらラウンドしている時の心拍数と、最終日に優勝争いをしている時の心拍数を比較すると、「走ったあとのようにドキドキしている状態でゴルフをするのが、優勝争いだ」と説明する。
優勝争い時の体の感じ方や緊張感は、通常と全く違うというが、こうした状況に身を置くことが、必ず自分の糧になると確信している。
今大会の成績で、「フェデックスカップ・フォール」で最上位の51位に浮上。
シーズンが終わり、51~60位に入った選手は、来年のシグネチャーイベント2試合(「AT&Tペブルビーチプロアマ」と「ジェネシス招待」)に出場することができる。
この好調を持続できれば、来季には念願のツアー初優勝を飾ることができるかもしれない。
Text/Eiko Oizumi
Photo/Yoshitaka Watanabe




