

タイとの国境紛争によりカンボジアでの大会が中止

2025年、この地域で最も注目される新大会として期待されていたアジアンツアーの高額賞金シリーズ「インターナショナルシリーズ・カンボジア」。
初開催の数週間前、主催者はこのトーナメントの中止を発表した。
主催者およびスポンサーとの一連の協議の末、アジアンツアーは「カンボジア国内の政治情勢を踏まえると、今年この大会を開催するのは適切ではない」との結論に達したのだ。
インターナショナル・シリーズ代表のラフル・シン氏は次のように述べている。
「カンボジアが将来、世界レベルの試合を開催できる舞台になることを確信しています。状況が許せば、再び開催できる日を楽しみにしています」
当初は10月9日~12日にチュンオンGCで開催予定だった本大会は、2025年インターナショナル・シリーズ全10戦のうち第6戦に予定されていた。
中止の発表に伴い、シン氏は2025年のシリーズが9大会で構成されることを確認。
10月には「インターナショナルシリーズ・フィリピン」と「リンク香港オープン」が行なわれ、続いて「マオタイ・シンガポールオープン」(11月6日~9日)、「PIFサウジ・インターナショナル(ソフトバンク・インベストメント・アドバイザーズ協賛)」(11月19日~22日)が開催されると説明した。
カンボジアで欧州レジェンドツアーを開催

カンボジアのゴルフ関係者の間では失望の声も上がったが、二つの朗報もあった。
まず、シン氏とアジアンツアーCEOのチョ・ミンタン氏は「インターナショナルシリーズ・カンボジア」を2026年のスケジュールに組み込むことに前向きな姿勢を示した。
さらに、バタナック・ゴルフリゾートが、11月21日~23日に初開催の「バタナック・レジェンズ・チャンピオンシップ」を行なうことが発表されたのだ。
出場選手の詳細は明かされていないものの、主催者は「ライダーカップ」キャプテン、メジャーチャンピオン、国際的スター選手など、著名なゴルファーが出場する、と予告している。
メジャー6勝のサー・ニック・ファルド設計によるバタナック・ゴルフリゾートは、世界水準のデザインとクメール文化の伝統美を融合させた受賞歴のある2つのコースを擁する。
バタナック・グループ専務取締役のニアック・オクニャ・サムアン・バタナック氏は次のように述べた。
「『バタナック・レジェンズ選手権』は、当リゾートの世界クラスの施設だけでなく、カンボジアの人々の誇り、たくましさ、そしておもてなしの心を世界に披露する大会となるでしょう。『ライダーカップ』主将やメジャーチャンピオンをプノンペンに招くことで、カンボジアのスポーツと観光に新たな章を開きます。この大会が若者に夢を与え、国民の誇りを一つにし、国際的な友情を深め、カンボジアが世界クラスのゴルフイベント開催地としての地位を確立するきっかけとなると信じています」
主催者は、国際放送によってプノンペンやバタナック・ゴルフリゾートにスポットライトを当てるだけでなく、カンボジア国民の団結、誇り、進歩にも光を当て、「バタナック・レジェンズ選手権」が同国を〝スポーツと観光の新たな目的地〟としてさらに高めることを期待している。
欧州レジェンズツアーCEOのフィル・ハリソン氏も次のように語っている。
「カンボジアは、ゴルフ観光の目的地として急速に台頭しており、最近開港したテチョ国際空港や、この大会に関わる世界的パートナーの存在が、その重要性をさらに際立たせている。ニック・ファルド設計による美しいコースを舞台に、レジェンズツアーの年間日程の中でも特別なイベントとなるだろう」
「世界アマチュアゴルフチーム選手権」
男子は南アフリカ、女子はアメリカが優勝


「世界アマチュアゴルフチーム選手権」開催
第31回「エスピリト・サントトロフィー」(世界女子アマチュアゴルフチーム選手権)、および第34回「アイゼンハワー・トロフィー」(世界アマチュアゴルフチーム選手権)が10月初旬、シンガポールのタナメラCCで開催され、36か国が3人1組で出場。
競技は毎日、各チーム上位2名のスコアを採用する方式で行なわれた。
タイガー・ウッズ、スコッティ・シェフラー、アニカ・ソレンスタム、リディア・コーらがプロへ羽ばたくきっかけとなった伝統ある大会であり、プレーのレベルは非常に高かった。
女子の部は、米国がスペインと韓国を制して優勝。
男子の部は、南アフリカが圧倒的な強さを見せ、世界ランク6位のクリスティアン・マースが22アンダーという驚異的なプレーでチームを牽引した。
女子の部には世界アマランク上位14人中9人が出場。
米国の優勝メンバーであるメガ・ガンネ、ファラー・オキーフ、キャサリン・パーク(負傷した世界1位キアラ・ロメロの代役)も含まれていた。
男子の部でも世界アマランク上位7人中4人が出場したが、イーサン・ファンとプレストン・スタウト(それぞれ世界3位と4位)を擁する米国チームは10位タイに終わり、史上最低の成績に沈んだ。
大会前の会見で「俺たちはシンガポールで相手をぶっ潰す!」と豪語していた彼らの言葉は、皮肉にも自らにハネ返る結果となった。
日本男子は長﨑大星、田村軍馬の好プレーと、中野麟太朗の安定したプレー(4日間中3日がアンダーパー、個人8位タイ)により健闘したが、アジアのトップ争いでタイに敗れた。
日本女子は、長澤愛羅が前半戦でチームを上位に導いたが、後半の2ラウンドは新地真美夏が3日目にアンダーパーを記録しただけで、最終的にチームは総合12位に後退。
長澤は個人5位タイで終え、中国のイン・シュー、フィリピンのリアン・マリクシ、韓国のオ・スミンら3人に次ぐ結果となった。
Photo/Getty Images、IGF、Chhun On Golf Club、Vattanac Golf Resort
Text/Spencer Robinson

スペンサー・ ロビンソン
(シンガポール)
ゴルフライター、ブロードキャスターとしてシンガポールを拠点に活動。
アジアゴルフインダストリーフェデレーションの最高コミュニケーション責任者。




