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【世界のゴルフ通信】From Japan 才能ある日本男女が海外へ流出!国内ツアーは群雄割拠の時代

男女の逸材が続々と海外に挑戦!

今季は「KKT杯バンテリンレディス」「ブリヂストンレディス」「アース·モンダミンカップ」など4勝を挙げ、31試合中、トップ10入りは15回の佐久間朱莉。現在、賞金ランク1位。©GettyImages
今年「日本女子オープン」でツアー3勝目、メジャー初優勝を飾った堀琴音。フェアウェイキープ率は81.0594%で現在1位©GettyImages
米女子ツアー2次予選を1位で通過し、12月4日から行なわれるファイナルステージ進出を決めた櫻井心那(右)。左は2023年にプロ入りし、今季は「SkyRKBレディス」「住友生命レディス東海クラシック」で2勝、ツアー通算4勝を飾っている神谷そら。©GettyImages
「明治安田レディス」で今季初優勝し、ツアー通算12勝目。18試合中、11試合でトップ10入りを果たしていた小祝さくらだが、左手首の「TFCC損傷」のため手術し、現在リハビリに専念中。©GettyImages

複数回優勝者が減少し初優勝が増加した女子ツアー

2025年の日本女子ツアーについて、おもしろかったと思うか、そうでないか。
大きく意見が分かれるところだろう。

コロナ禍の変則ロングシーズン(2020~2021年)に稲見萌寧が9勝、古江彩佳が6勝して以降、しばらくは圧倒的な強さを見せる選手がツアーを引っ張ることが続いた。
年間女王が賞金ランキングからポイント制のメルセデスランキングに移行した2022年は、女王となった山下美夢有と西郷真央がそれぞれ5勝。
2023年は山下が5勝。
2024年は竹田麗央が8勝と、抜きん出た実力者に勝利が偏る傾向にあった。

それが一転したのが2025年だ。
前年のメルセデスランキングトップ5のうち、4人(竹田麗央、山下美夢有、岩井明愛、岩井千怜)が米ツアーに〝流出〟したことで、混戦は予想されていたが、その通りになった。

唯一、日本に残った小祝さくら(2024年メルセデスランキング4位)が、「明治安田レディス」で優勝した後、左手首の故障で7月末からツアーを離脱。
手術を決断して後半戦には出場しなかったことがそれに拍車をかけ、まさに群雄割拠の様相を呈した。

残り5試合となった時点までの、31試合を改めて見てみよう。
開幕から2試合は岩井千怜、吉田優利の米ツアー組が一時帰国して優勝をさらった。
その後、複数回優勝したのは前半戦3勝、10月になって1勝した佐久間朱莉、2勝の神谷そらと河本結の3人だけ。
佐久間の他には、工藤遥加、稲垣那奈子、髙野愛姫、入谷響、内田ことこ、荒木優奈、金澤志奈、菅楓華と、初優勝者が8人も出ている。

前出の工藤(優勝時32歳)を含めて、穴井詩、申ジエ、鈴木愛、渡邉彩香のベテランの勝利もあった。
ちょうど30歳となる、1995年度生まれの優勝者も多い。
初優勝が「ソニー日本女子プロゴルフ選手権」のビッグタイトルとなった金澤、「日本女子オープン」で激戦を制した堀琴音、柏原明日架、永峰咲希、木村彩子と全部で5人。
「自分たちで〝石ころ世代〟って言ってたこともありましたけど…。〇〇世代って誰かつけてください、募集中です」と呼びかけたのは、「富士通レディース」に優勝した木村だった。
〝石ころ〟たちが磨かれて光ったシーズンでもあった。

2026年の米ツアー挑戦に向けて、今季1勝の櫻井心那が2次QTを突破。
ファイナルでも上位に入れば、主戦場を米国に移すことが予想される。

米国では、西郷(「シェブロン選手権」)、山下(「全英女子オープン」)とメジャー5戦のうち日本人が2勝。
竹田、千怜&明愛のツインズもLPGAの大会で優勝したが、来年はルーキーとして櫻井が加わる可能性もある。
その分、日本ツアーからは実力者が抜けることになり、残った選手にとってはチャンスが広がる。
反面、日本ツアーとしては、今年のような傾向が続くことが考えられる。

松山英樹の背中を追い欧米ツアーに続々と進出する男子

「日本オープン」でメジャー初優勝し、ツアー通算2勝目を飾った片岡尚之。5年シードとともに、来年の「マスターズ」「全英オープン」の出場権も獲得した。©GettyImages
「日本プロ」でツアー&メジャー初優勝を飾った清水大成。「日本オープン」でも3日目を終えて首位に立っていたが、最終日に崩れて4位タイに終わった。平均パット1位。©GettyImages

群雄割拠の男子ツアー
欧米ツアーへの挑戦者も増

男子ツアーは、激戦が多かった印象だ。
特に公式戦は、「日本プロ」で清水大成が生源寺龍憲との4ホールプレーオフを制して優勝。
「ツアー選手権」は1ホールのプレーオフで、蟬川泰果が堀川未来夢を下した。
今年から優勝すれば「マスターズ」「全英オープン」の切符が得られる「日本オープン」は、夕暮れ迫る中、片岡尚之が原敏之に勝って歓喜した。
全てプレーオフ決着という中身の濃いものだった。
ただ、前半戦に試合数が少なく、現地であれ、テレビ、ネットのメディアであれ、ファンが観戦する習慣が減ってしまっていることなど、選手たちの責任ではない部分での露出度の低さは相変わらずなのが残念でならない。

JGTO(日本ゴルフツアー機構)が現体制になって2年目。
営業活動が様々な形で実を結んでいるのはまちがいない。
賛否両論はあるものの、スポンサーの希望をできる限り受け入れる形で、新しい試みを様々に行ないながらツアー復活を探っていることは伝わってくる。
これが今後、どんな形で実を結ぶのか。
とりあえず、現体制は来年3月の定時社員総会までの任期だが、その先も含めてツアーがどうなるか、目が離せない。

女子とは違う形で、DPワールドツアー(欧州ツアー)、PGAツアー(米ツアー)に挑戦しようとする選手もまだまだ多い。
星野陸也、金谷拓実、中島啓太、桂川有人ら、「マスターズ」チャンピオンの松山英樹に続こうとしている選手たちの背中を追って日本を出ていく流れが続くのは、むしろ自然なことではないのか。
国内男女ツアーとも、今後の在り方を真剣に問う時期に来ている。

Text/Junko Ogawa

小川 淳子

東京スポーツのゴルフ担当記者として日米欧のトーナメントを取材。

現在はフリーでゴルフ雑誌などで執筆。

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