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【アジア・パシフィッ ク・アマチュア選手権】タイのフィファ・ラオパクディーが初優勝!マスターズに出場する、初のタイ人アマチュアへ

松山英樹も2勝し、世界に羽ばたくきっかけとなったアジア最大のアマチュア大会

©Asia Pacific Amateur Championship
©Asia Pacific Amateur Championship

Asia Pacific Amateur Championship
2025年10月23日〜26日/エミレーツゴルフクラブ(アラブ首長国連邦)

↑開催地は、DPワールドツアー「ヒーロー・ドバイ・デザートクラシック」でおなじみのエミレーツGC。©Asia Pacific Amateur Championship

2026年「マスターズ」「全英オープン」出場権獲得!

優勝 フィファ・ラオパクディー(タイ)

世界アマチュアランク37位。2022年に「アジア太平洋アマ」デビューを果たし、5位タイに。「アイゼンハワー・トロフィー」「ジュニアプレジデンツカップ」出場。アリゾナ州立大3年生で、2025年「NCAA選手権」準々決勝進出に貢献。©Asia Pacific Amateur Championship
世界アマチュアランク135位で出場した16歳の長﨑大星は、プレーオフの末、ラオパクディーに敗れて2位に。悔し涙を流し、「マスターズ」のフレッド・リドリー委員長から激励を受けた。©Asia Pacific Amateur Championship
注目選手の大会前の記念写真。左から中野麟太朗、シュー・シキン(中国)、ハリー・タキス(豪州)、優勝したラオパクディー(タイ)。©Asia Pacific Amateur Championship
ドバイの摩天楼に向かってティーショットを放つ、ラオパクディー。通算15アンダーで優勝した。©Asia Pacific Amateur Championship

タイにルーツを持つタイガー・ウッズに憧れ

2009年に第1回大会が開催された「アジア太平洋アマチュア選手権(以下、アジアアマ)」は、今年で16回目を迎え、アラブ首長国連邦・ドバイのエミレーツゴルフクラブで開催された。

優勝したのは、今大会で世界アマチュアランキング最上位(大会当時52位)のフィファ・ラオパクディー(タイ・20歳)。3日目を終えて、日本の長﨑大星(16歳)が2位の中野麟太朗(22歳)と5打差の単独首位に立っていたが、6打差の3位につけていたラオパクディーが最終日のバック9で5アンダーを叩き出し、通算15アンダーに。
長﨑とのプレーオフに持ち込み、プレーオフでも3連続バーディを奪って、長﨑を下した。
今大会の優勝で、2026年の「マスターズ」「全英オープン」の出場権を手にしたラオパクディーは、タイ人アマチュアとして、初めて本大会で優勝し、2つのメジャーへの出場権を手にしたのだ。

「勝てたことが信じられない! 本当に素晴らしい戦いだった。最後まで僕を苦しめたタイセイもリスペクトしている。キャディやコーチ(アリゾナ州立大のマット・サーモンド監督)には、この大会で優勝して、『マスターズ』に出場する初めてのタイ人アマチュアになる、って言ってたんです」

タイのゴルフファンにとっては、「マスターズ」は特別な大会。
タイにルーツを持つタイガー・ウッズの存在が大きいからだ(母親のクルティダさんがタイ出身)。
ラオパクディーも2~3歳頃から「マスターズ」中継を観ていたといい、「タイガー・ウッズがマスターズで圧勝する姿を観て育ったが、父と一緒にテレビで観た最初のゴルフトーナメントがマスターズだったと思う。優勝者の姿に感動してきたが、まさかそのプロたちの道を自分が辿れるなんて夢みたいだ」と語っている。

彼は「マスターズ」に出場する7人目のタイ人ゴルファーであり、タイゴルフ史上初のアマチュアとなる。

16歳の長﨑大星は2位に
中野麟太朗は3位で、リベンジならず

当初出場予定だった、本大志が欠場したため、急遽出場した松山茉生。予選通過は果たしたものの、42位タイに終わった。©Asia Pacific Amateur Championship
3日目を終えて、2位の中野麟太朗に5打差の17アンダーまでスコアを伸ばし、首位に立った長﨑大星。最終日は2つスコアを落とし、ラオパクディーに並ばれてプレーオフの末、惜敗。©Asia Pacific Amateur Championship
今大会がアマチュアとして最後の出場となる中野麟太朗は、最終日に伸ばしきれず通算13アンダーの3位に終わった。©Asia Pacific Amateur Championship
↑R&Aアンバサダーの韓流スター、ソン・ジュンギ氏(右)とハイタッチする中野麟太朗(左から2番目)。©Asia Pacific Amateur Championship
→ソン氏は、「各国を代表して誇りと技術を持って戦う若者たちの姿に感動した。私自身も、より多くの若者にゴルフの魅力を伝えたい気持ちが強まった」と語った。©Asia Pacific Amateur Championship

昨年のリベンジを狙った中野今年も優勝ならず

日本人の輝かしい「アジアアマ」の歴史は、2010年に遡る。
第2回「アジアアマ」で優勝した松山英樹は、翌年の「マスターズ」でローアマを獲得。
その年の「アジアアマ」でも優勝し、2連覇を果たした。
その後は2018年に金谷拓実が優勝。
2021年、中島啓太がドバイの地で優勝したが、その後は日本人チャンピオンは誕生していない。

そして今年、7人の日本人選手が出場し、中島以来4年ぶりの日本人優勝を目指した。
中でも昨年の大会で3位に入り、今年の年末にプロ転向が予定されている中野麟太朗に注目が集まっていたが、結果は2打差の3位に終わった。

「優勝と上位っていうのは何か違うものがあると思うが、その苦しさを耐え抜いて優勝したかった。去年も優勝まであと一歩で、今回も1打差まで迫ったり、追い抜けるチャンスもあった中、まだまだだな、という感じだった。プロでこのような舞台で戦えるように一念発起してやり直す。そして世界一を必死で目指していく」と力強く語った。

また16歳の長﨑は、本大会初出場で、2位に入る大健闘。
「中島啓太さんが優勝したドバイで、同じ大会に出られるのはすごく光栄。出るからには優勝を目指して頑張りたい」と語っていたが、4日間の戦いを終え、「自分の最善を尽くせたと思う。『マスターズ』や『全英』という舞台を想像すると緊張してしまう。まだまだメンタル的な部分も足りないと思うので、 もっと練習や優勝争いを重ねて、また来年この舞台で優勝できるように頑張りたい」とリベンジを誓った。

アジア太平洋アマチュア選手権 最終成績

優勝フィファ·ラオパクディー—15
2位長﨑大星—15
3位中野麟太朗—13
4位ハリー·タキス—12
5位ビリー·ダウリング
カン·フン·レ
—11
7位キム·ミンス
アンシュル·ミシュラ
アン·ソンヒョン
チャン·シュアン
—9
14位片野貫一朗—6
19位小林翔音—3
21位小林 匠—2
38位隅内雅人+5
42位松山茉生+7

2026年10月29日~11月1日にニュージーランドで開催

2026年大会開催地は、ニュージーランドのテ・アライリンクス・サウスコース。©Asia Pacific Amateur Championship
大会期間中に、R&A、オーガスタナショナル、テ・アライリンクスの代表者らが集まり、来年の開催地を発表した。©Asia Pacific Amateur Championship

2017年に1度、ニュージーランドで開催された「アジアアマ」が、来年再び同国で行なわれる。

場所は、オークランドから北に車で約1時間15分の海沿いに位置するテ・アライリンクス。
2022年10月にオープンしたばかりだが、その景観の美しさと戦略性に富んだレイアウトで、世界的に評価が高いコースだ。
ビル・クーアとベン・クレンショーによって設計され、すでに「世界のトップ100コース」に名を連ねている。
16ホールからは太平洋を望み、自然の砂丘の上に敷かれた硬く速いフェスキューが特徴だ。

Text/Eiko Oizumi 
Photo/Asia Pacific Amateur Championship

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