Text/Eiko Oizumi
Photo/Yasuhiro Iwai
今年からISPSアンバサダーに就任し、PGAツアーに本格参戦しているマチュー・パボン(フランス)。昨年、DPワールドツアーのレース・トゥ・ドバイランキングで15位にランクイン。PGAツアーのシード権を獲得できる、有資格者を除くトップ10入りを果たして、今年から米国を拠点に参戦しているが、自身3戦目の「ファーマーズインシュランスオープン」で優勝し、現在、フェデックスカップランキングで8位につけている。
そんな彼は、昨年に続き今年も「ISPS HANDA欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」に出場。今年は契約選手としての参戦となるが、「ここ最近、いい成績を残しており、調子は上がっている。日本に来るのを楽しみにしていたし、前回日本に来て、この国が大好きになりました。東京のような場所もあれば、この富士山麓のような自然もある。コースコンディションも素晴らしい。このコースでプレーするのが楽しみだ」と公式会見で語った。
古巣のDPワールドツアーと新天地PGAツアーの違いを聞いてみると、「資金力や組織力などの大きさが違う。DPワールドツアーは素晴らしい団体だが、PGAツアーはさらに上の段階にいる。選手に対する扱いや、コースの準備の仕方など、全てが違う。言葉では伝えきれないが、PGAツアーは動き続ける大きな機械のよう。レベルも、DPワールドツアーでは自分は上位にいるが、PGAツアーで平均的なプレーをすると、50位くらいで終わり、2打くらい縮められれば20位くらいになる可能性もある。それだけ良い選手が拮抗しているのが、PGAツアー。でも自分が勝つことができたように、DPワールドツアーの選手でもそこに食らいついていけるくらいの実力は持っている」と言う。
先日の「マスターズ」では初出場ながら、12位タイに入ったが、今後も「全米プロ」「全米オープン」「全英オープン」とメジャーが目白押しで、その後に「パリオリンピック」を控えている。母国でのオリンピックとなるが、フランス代表として戦うことがほぼ決まっている(男子オリンピックゴルフ・ランキング12位)。「オリンピックの金メダルよりは、メジャーのタイトルが欲しい」のが本音だが、「国を代表してプレーできるのは、とても光栄なこと。4年に1度の祭典で、他のスポーツのオリンピアンと肩を並べて戦うことは、これ以上ないことだ」と語った。リオ五輪には出場したが、東京五輪には出場できなかったパボン。母国での金メダル獲りと、その前にメジャー優勝も目指す。