Text & Photo/Eiko Oizumi
「全米プロ」第2ラウンド開始前から、バルハラゴルフクラブ周辺は騒然となった。世界ランク1位のスコッティ・シェフラーが、ラウンド前になんと逮捕されたのだ。
5月17日金曜日の午前5時9分。試合会場に物資を運ぶベンダーの1人が、シャトルバスで轢かれて死亡。その影響でコース周辺には警察官が集まり、交通整理をしていた。
そして午前6時過ぎ、午前スタート(もともとは8時48分スタート予定だが、1時間20分遅れで10時8分スタートに)のシェフラーが会場入りしようとやってきたが、この時、警察官の交通整理を無視して、コースに入ろうとパトカーを追い越したという。そこで警察官がシェフラーの元にやってきて、車から出るよう促した。車から出たシェフラーは、後ろ手にされ、手錠をはめられてパトカーへ。そのままルイビル警察に連行された。取り調べを受け、第3級の犯罪行為、第2級の警察官への暴行行為で7時28分に逮捕されたが、8時40分に釈放。9時12分にコースに到着した。
コースに到着すると練習場へ直行し、練習開始。スタート時間まで1時間を切る慌ただしい中での練習となったが、予定通りにティーオフした。
シェフラーはラウンド前に次のように語っている。
「今朝、警察官の指示に従って行動していたが、先ほど起こった悲惨な事故(ベンダーの1人がシャトルバスで轢かれて死亡)を考えると当然のことだが、非常に混乱した状況だった。そして、自分が警察官から求められていると思っていたことについて、大きな誤解があった。指示を無視するつもりはまったくなかった。今日はこのことを傍に置いてゴルフに集中できればいい。もちろん、僕を含む大会関係者全員が、今朝の事故で亡くなった男性のご家族に心からお悔やみ申し上げたい」