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【PGAツアーレポート】スコッティ・シェフラーがシグネチャーイベントで2週連続Vをかざり2週間で13億円獲得!

THE PLAYERS Championship 2024
2024年3月14日〜17日/米国・フロリダ州TPCソーグラススタジアムコース

シグネチャーイベントで2週連続V

スコッティ・シェフラー2週間で13億円獲得!
第5のメジャー『プレーヤーズ選手権』初の2連覇達成

優勝

Scottie Scheffler
スコッティ・シェフラー(アメリカ)
1996年6月21日生まれ。190cm、91kg。PGAツアー10勝。メジャーは2024年「マスターズ」で2勝目。世界ランク1位。©GettyImages

現在、世界ランク1位に君臨中のスコッティ・シェフラー。
公式試合では、昨年の「プレーヤーズ選手権」以来勝ち星に恵まれていなかったが、約1年ぶりに2週連続でビッグイベントに優勝した。
獲得賞金は、たった2週で約13億円。ここではシェフラーの強さと弱点に迫る。

「アーノルド・パーマー招待」でも優勝

アーノルド・パーマーが生前、好んで着用していた赤のアルパカのカーディガンがチャンピオンに贈られる。©GettyImages

2日目に首痛を発症しながらも完走。
精神面、肉体面で試されたシェフラーの底力

第2ラウンドの途中で、首痛のため、トレーナーからマッサージを受けるシェフラー。©GettyImages
190センチという長身を揺さぶるような、独特のスイングを持つシェフラー。©GettyImages
左がグリーンまでずっと池、というTPCソーグラスのシグネチャーホールの1つ、18番ホール・パー4(462ヤード)。写真はスコッティ・シェフラーのティーショット。©GettyImages
最終ホールのバーディパットが、カップに一瞬入りかけたものの飛び出てしまい、プレーオフに進めなかったウィンダム・クラーク。©GettyImages
3日目を終えて、首位に立っていたザンダー・シャウフェレ。シェフラーに逆転を許し、2位タイに終わった。©GettyImages

50年の歴史を持つ第5のメジャーで初の2連覇達成

世界ランク1位のスコッティ・シェフラーが、PGAツアーの歴史に新たな偉業達成の記録を加えた。
今年で50周年を迎えた、PGAツアーのフラッグシップイベントにして第5のメジャーとも呼ばれる「プレーヤーズ選手権」で、最終日を首位と5打差でスタートした彼は、逆転に成功。2連覇を達成したのだ。
過去、ジャック・ニクラス(3勝)やタイガー・ウッズ(2勝)らが複数回優勝を遂げているが、連覇は初めて。
27歳8ヶ月26日で達成し、ツアー通算8勝目(当時)を飾った。
なお、その前週の「アーノルド・パーマー招待」でも優勝しているが、「プレーヤーズ選手権」同様、高額賞金のかかったシグネチャーイベントとなっており、2週連続優勝を遂げた彼は、たった2週間で約13億円の賞金を獲得した。
賞金ランキングでは、「プレーヤーズ選手権」終了時点で約16億5642万円を獲得し1位。
フェデックスポイントランキングでは、2位のウィンダム・クラークに767ポイント差で1位となった。

「2週連続優勝というのは、大変なことで、毎週リーダーボードの頂点に立つことは、精神面も肉体面も試される。特に今週は金曜日と土曜日に首痛のことがあったので、肉体面でのテストだった。こうして優勝トロフィーを手にすることができて、本当に満足している」

彼は金曜日(第2ラウンド)に首痛を発症し、急遽トレーナーが痛みを和らげるマッサージをラウンドの途中で施すほどだった。
そのマッサージが奏功し、翌日も悪化することなくプレーを続けることができたが、痛みがひどい時は、ピンまで90ヤードのショットを打つ時でも激痛が走り、グリーン上でカップまでのラインを見る時にも痛みで集中できないこともあったという。

「完璧を求めすぎないこと」がパッティング克服の秘訣

シェフラーの弱点は、パッティングと言われているが、現在、テーラーメイドのマレット型パター(スパイダーツアーX)を使うようになって、好調だ。©GettyImages

シェフラーの強みは安定感
弱点はパッティング

3月の「プレーヤーズ選手権」終了時点で、7戦2勝のシェフラーだが、2勝以外の5試合の成績を見ても「アメリカンエキスプレス」の17位タイを除くと、全てトップ10入りしている。
PGAツアーの部門別データには、「ストロークゲインド(以下SG)」という、選手の平均に対して、何打稼いでいるか、失っているか(劣っているか)を示す指標データがあるが、シェフラーの場合、SG ティー・トゥ・グリーン(ティーからグリーンまでのショットの精度)、SGオフ・ザ・ティー(ティーショットの精度)、SGアプローチ・ザ・グリーン(グリーンを狙うショットの精度)で1位。SGアラウンド・ザ・グリーン(グリーン周りの寄せの精度)は4位で、SGトータル(SGの合計)では、1位となっている。
これを見れば、いかにショットが安定しており、効率よくスコアを伸ばしているかがわかるのだ。
彼の唯一の弱点とも言えるのは、パッティングであり、SGパッティングで89位となっている。
ただこれも、2023年までは162位だっただけに、現在改善の途中にある。

「フィル(ケニオン)と過去6か月ほどパッティングに取り組んでいるが、彼は本当にいい仕事をしてくれており、精神的にも正しい方向に導いてくれている。本当に一生懸命取り組んできたが、時々一生懸命やりすぎないように調整したくらいだ。取り組んできたことが実を結び、本当に嬉しい」

「プレーヤーズ選手権」の時には、普段使っているスコッティ・キャメロンのパターではなく、テーラーメイドの「スパイダーツアーXSSプロトマレットパター」を使用していた。

「時々、ボールをフェースの中心にセットするのに苦労していたが、このパターだととても簡単にラインナップできる。ボールのラインを使う必要はなく、ボールをフェースの中心に合わせることができるんだ。パッティングに関して、自分は完璧を求めすぎた時もあった。他のことでも同様だ。でも今は、ボールのラインを使ってキッチリ打つのではなく、ある程度自由に、完璧に当てようとしないことで、いいパッティングが打てるようになっている」

ローリー・マキロイは「ジェネシス招待」のプレーを終えた後、テレビのインタビューで「シェフラーがパッティングに苦しんでいるのに対して、何か解決策はあるか?」と聞かれたことがあった。
その際、「僕は長年、ブレードパターにこだわっていたけど、ストロークが完璧でないと真っすぐ打ち出せないような気がしていた。でもマレットなら、完璧なストロークができなくても、そんなに軌道からは外れない、とパッティングに自信を持てた。だからスコッティにはマレットを試して欲しいけど、正直、パッティング以外の全てが素晴らしいから、今のままブレードパターを使って、僕たちにもチャンスを与えてくれてる方がいいかな」と語っていた。

ローリー・マキロイやトミー・フリートウッドらのパッティングコーチを務めるフィル・ケニオンに師事し、取り組んできたことと、マレットパターに変更したことにより、劇的に弱点を克服しつつあるシェフラーの、「プレーヤーズ選手権」でのSGパッティングは37位。
「アーノルド・パーマー招待」では、5位だった。
今後もさらにパッティングが改善されて、ショットもパットも死角がなくなれば、タイガー・ウッズ並みの圧倒的な強さで、他の選手たちをねじ伏せていくかもしれない。

最終成績

優勝スコッティ·シェフラー−20
2位ザンダー·シャウフェレ
ウィンダム·クラーク
ブライアン·ハーマン
−19
5位マシュー·フィッツパトリック−16
6位キム·シウー
松山英樹
−15
8位ルドビグ·オーバーグ−14
9位サヒス·シガーラ
マーベリック·マクニーリー
−13
19位ローリー·マキロイ−9
35位トミー·フリートウッド
ジェイソン·デイ
−6
45位アダム·スコット
コリン·モリカワ
−4
62位ビクトル·ホブラン−1

予選落ち/久常涼、ジャスティン・トーマス、ジョーダン・スピース

Text/Eiko Oizumi
Photo/Getty Images

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