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【世界のゴルフ通信】From Australia LIVゴルフ史上最大の集客数!観客は3日間で約9万5000人「LIVゴルフ・アデレード」今年も大成功

母国オーストラリアの観衆の前で、ショットを放つキャメロン・スミス。©LIV GOLF
全員オーストラリア人のリッパーGC が、「LIVゴルフ・アデレード」で団体戦優勝。左からマーク・リーシュマン、キャメロン・スミス(キャプテン)、マット・ジョーンズ、ルーカス・ハーバート。©LIV GOLF

アデレードのLIVイベントが最大の成功を収める理由

昨年の第1回「LIVゴルフ・アデレード」は、2023年スケジュールにある14試合中で最大の観客動員数を達成したが、今年はさらに増えて、3日間で9万4000人以上のファンが来場した。
重要なのは、他の都市では米国のPGAツアーやDPワールドツアー、LPGAツアーなどが開催されているが、アデレードではそれがないということ。
そのため、豪州のファンは、世界で最も有名なゴルファーを一目見られる貴重な機会に興奮し、4人の地元選手、キャメロン・スミス、マーク・リーシュマン、マット・ジョーンズ、ルーカス・ハーバートを応援していたのだった。

特に、4人の豪州人選手が所属するチーム、リッパーGCが、LIVイベント初のプレーオフで団体戦に勝利したことで、LIVゴルフ人気が上昇。
その後、シンガポールで行なわれた団体戦でも優勝し、スミスとリーシュマンが個人戦で優勝したブルックス・ケプカに、2打差で続いたことも、LIVの人気急上昇に貢献している。

LIVゴルフの団体戦は、世界中の主要メディアの注目を集めるのに常に苦労してきたが、アデレードでの地元チームの勝利は、最終日に3万人以上のファンが熱狂的な声援を送る盛り上がりを見せた。

個人戦では、ブレンダン・スティールが、54ホールで18アンダーを記録し、LIV初優勝。
南アフリカのルイ・ウーストハイゼンを、1打差で破った。
豪州人で最高の成績を収めたジョーンズは、14アンダーで9位タイだったが、他の3人の豪州勢も13アンダーで、同点となった南アのスティンガーズGCをプレーオフで撃破。

リッパーGCのキャプテン、キャメロン・スミスは、アデレードでの団体戦優勝の興奮を「全英オープン」の優勝に匹敵するとした上で、「セントアンドリュースでの最終ラウンドの記憶はほとんどないが、もし誰かがグランジ(開催コース)の18番グリーンについて尋ねれば、全てを語ることができる。これまでで最もクレイジーな体験だった」と語り、「今週の出来事は、予想をはるかに超えていた。僕は、常に豪州がLIVを文化や音楽、エンターテイメントなどの全てとともに受け入れるだろうと感じていた。ここがこれから大きく成功する場所だと常に感じていたが、ここ数年の状況は信じられないものだった」と続けた。

LIVゴルフのコミッショナー兼CEOであるグレッグ・ノーマンは、「アデレード大会」がチームゴルフにとって重要な機会となったと考えている。

「この国は明らかに、私たちのリーグとそれの象徴するもの、すなわちチームゴルフを受け入れている。スポーツの将来にとって新しく必要とされている製品を提供しているのだ。ありがとう、アデレード、オーストラリア。そしてこの素晴らしい週に関わったすべての人々に感謝する」

他のいくつかの豪州の州政府は、「LIVアデレード」の成功を目の当たりにし、大会をアデレードから移すための交渉を試みたが、グランジでの開催は、少なくとも2026年までは確定している。

グリーンとリー、2人の豪州女子勢の活躍ぶり

「全米女子オープン」最終日に1バーディ、5ボギー、2ダブルボギーの78を叩き、一気に優勝争いから姿を消したミンジー・リー。通算3オーバーの9位タイに終わった。©USGA

女子ゴルフ界では、ハナ・グリーンが今年の上半期に見事な活躍を見せ、世界ランク5位に上昇。
豪州女子の中で最高位の選手となった。彼女は今季のLPGAで2勝を挙げている。

グリーンは、同じ西豪州のミンジー・リーとオーストラリアのトップランクのゴルファーの座を争うエキサイティングな対決を見せてきたが、彼女は3月の「HSBC女子世界選手権」に続き、4月の「JMイーグルLA選手権」でも勝利を収め、初めて世界のトップ10入りを果たした。
優勝直後は8位で、リーは9位だった。

2021年の1週間を除いて、リーは2015年にカリー・ウェブの後を引き継いで以来、豪州人の中での1位の座を保持していた。
今年前半にLPGAで複数回勝利を収めているのはネリー・コルダとグリーンの2人だけだが、その2人が「みずほアメリカズオープン」で優勝争い。
コルダが最終ホールで、グリーンを僅かに上回り、今シーズンの6勝目をマークした。

リーは、「全米女子オープン」の最終ラウンドで首位に立っていたものの、笹生優花が優勝し、リーは9位タイに。
世界ランクでは、グリーンは5位にとどまり、リーは10位に順位を下げた。
どちらが上位にいるかに関係なく、カリー・ウェブとレイチェル・ヘザーリントンがキャリアのピーク時にトップ10にいた20年前以来、初めて2人の豪州勢がトップ10にランクインしている。

また、24歳のギャビ・ラッフルズがLPGA年間最優秀新人賞をリードしていることは、豪州人の選手層の厚さをさらに証明している。
ラッフルズは今シーズン3回の3位を記録し、世界ランキングでは100以上順位を上げて、トップ50に入っており、さらなる上昇が期待されている。

豪州女子の活躍と惜しまれる若手の死

5月末にシドニーで交通事故のため死亡した、ドーイ・チョイ。©GettyImages

24歳のドーイ・チョイ
交通事故で死亡

以上の明るいニュースとは一転、5月下旬にシドニーで発生した悲惨な交通事故で、優れた若手プロのドーイ・チョイが亡くなったという衝撃的なニュースが豪州のゴルフ界に届けられた。
24歳の彼女は、バイクの後部座席に乗っており、恋人とともに車と衝突した際、命を落としたのだ。

彼女の人気は非常に高く、欧州女子ツアーとLPGAツアーの両ツアーが、チョイの突然の早すぎる死に対して哀悼メッセージを送った。

Text/Karen Harding

カレン・ハーディング

(オーストラリア)

メルボルン出身のゴルフジャーナリストで、数々の賞を受賞。女子ゴルフやゴルフ場の環境問題、大衆ゴルフなどに関する執筆に注力。

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