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【ゴル経】ゴルフ経済がビジネスのヒント! 第29回 気候変動に対策 インドアゴルフ&ナイターゴルフ

©Koji Kitamura

 

ゴルフの経済を知ればビジネスのヒントも見つかる!

今回のテーマは「気候変動に対策 インドアゴルフ&ナイターゴルフ」です。

地球温暖化に伴い、今後も猛暑の夏は毎年続くが
ナイター&インドアが夏場のトレンドになる?!

Illustration/Koji Kitamura

今年の夏は、猛暑続きだった。日本気象協会によると、2024年夏(6~8月)の日本の平均気温は過去30年間の平均値に対してプラス1・76度、2023年夏に並ぶ観測史上1位の高温となった。
長期間続いたことも特徴的で、35度以上の猛暑日地点数の積算は、2010年以降で最多を記録した。
高温は日本だけでなく世界規模で顕著で、7月22日には世界の日平均気温が1940年の観測開始以降で最高となっている。

日本ゴルフ場経営者協会によると「2024年7月度全国ゴルフ場利用者数は、前年同月比 575千人減少(92・8%)の7465千人となっているが、この要因として、7月の日本の平均気温が1898年の統計開始以降で最も高く、熱中症り患を危惧して屋外活動を自粛したのではないかと推測されている。
熱中症警戒アラートが、7月は622回(前年407回)と急増し、自粛の意識が強く働たようだ」千葉県のゴルフ場支配人に聞くと、「8月は7月より更に悪く、閑古鳥が鳴くような状況。暑さには勝てません」とのことだった。

 来年もこのような状況が続くと、ゴルフ業界にとって大打撃。
その対応として、注目を浴びているのが、ナイターゴルフとインドアゴルフである。
ナイターゴルフについて、筆者も7月に千葉県のムーンレイクGC市原コースで体験したが、当日、市原市は全国最高気温39度を記録していた。
一方、緑に囲まれた夜のゴルフ場は風が吹き、昼間の暑さを感じず快適であった。
LED照明が当たっているフェアウェイやグリーンは、問題なくプレーできた。
ただ、ナイター設備は18ホールの新設で4億円程度かかるとのことで、ナイター設備のあるゴルフ場は日本で15コースのみ。
経費はかさむが、今後、猛暑の夏が続くことを考えると、ナイターゴルフの有効性をもっとPRして、施設数を増やす必要があるだろう。

そしてもう一つが、インドアゴルフである。
インドアゴルフはコロナ禍で3密を避けるスポーツとして、ブームが起こり、飲食店からの転業も含めて、2023年には2020年対比150%アップの1518施設へと増加(全日本ゴルフ練習場連盟調べ)。
米国でも、シミュレーターゴルフの参加が年間620万人で、コロナ禍前より73%急増している(NGF・米国ゴルフ財団)。

Text/Hirato Shimasaki
Illustration/Koji Kitamura

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