DPワールドツアー2年目を迎える中島啓太。
昨年は、腰痛で1ヶ月試合に出られない時期もあった。

2023年の国内男子賞金王として、DPワールドツアー出場権を獲得した中島啓太。
2024年をフルに戦い、トップ50の選手だけが集まるエリート大会「DPワールドツアー選手権」にも出場を果たした。そんな彼の1年を、インタビューで振り返ってもらった。
「自分はDPワールドツアーが好き。長年、ここでシードを取り続けることも大事」



欧州ツアー1年目で初優勝&総合35位
2023年、JGTO(日本男子ツアー)の賞金王に輝いた中島啓太は、2022年12月に発表された、JGTO賞金ランク上位3人に翌年のDPワールドツアー(以下DPWT)出場資格を付与するという取り決めにより、DPワールドツアー本格参戦を決めた。
彼は、ルーキーイヤーに「ヒーロー ・インディアンオープン」でツアー初優勝を遂げ、トップ50のみが出場できる最終戦「DPワールドツアー選手権」では7位タイに入賞。
優勝すればPGAツアー出場権を獲得できる10位以内に入ることもできたが、それは叶わず。
しかし、ローリー ・マキロイ、トミー ・フリートウッドら世界のトッププロたちが大勢出場する中、TOP 10入りを果たす実力を見せた。
ここでは、最終戦の地ドバイで行なった中島のインタビューをお届けする。
本当はあと3~4試合出たかった
ゴルフ・グローバル(以下GG):ルーキーイヤーで初優勝と、トップ50入りを果たしましたが、どんな1年でしたか?
中島:まずは優勝できたのがよかったのと、1年目で最終戦まで残れたのは、しっかり自分を評価していいところかな、と思います。
でもオリンピック後の「ブリティッシュマスターズ」の時に腰を痛めてしまい、そこから1か月くらい、試合に出られない時期がありました。
その時点で今年はもう試合をやめようとか、休もうとか考えたんですけど、地元開催の「日本オープン」もありましたし、それに出て、最後にもう一度気持ちが入ったら、韓国(ジェネシス選手権)とアブダビに出ようかなと思ったので、やめずに試合に出続けてよかった。
でも、2024年は21試合しか出ていなかったので、来年はあと3~4試合増やしたいと思っています。
GG:今、腰の調子は大丈夫?
中島:今はだいぶいいですし、しっかり振れています。
GG:DPWT1年目としては、思っていたよりもうまくいったと思いますか?
中島:厳しかったですね。
予選を通るのも大変ですし、レース・トゥ・ドバイランキング(DPWTのポイントランキング)もなかなか上がらないので、レベルがすごく高いし、大変です。
でも、1年目で最終戦まで来れたのは、しっかり評価していいと思います。
それにしても、久常選手の1年目でトップ10入り→PGAツアーというのは、本当にすごいことですね。
すごいことを彼はやったと思います。自分はよく、DPWT1年目でトップ10入りをして、PGAツアーへ、という話をされますが、そんなに簡単なことではないし、DPWTで長年シードを獲っている川村(昌弘)さんのすごさも感じます。
まずは自分も、ここをベースにしてプレーし続けることも大事かなと思います。
GG:DPWTでプレーすることで得られる経験や磨かれる技術というのは大きいですか?
中島:大きいですね。コースが本当に難しい。
日本はセッティングで難しくしますけど、こっちはもともとコース設計が難しいので、そこの違いはありますね。
ティーショットでみんな意外とアグレッシブにドライバーで攻めているところは自分も真似しています。
ティーショットに対する自信というか、ドライバーの攻めはできるようになりました。
GG:ドライバーで攻める、というのは、今までのゴルフの中で新しいことだったんですね。
中島:そうですね。
バンカーがあるから、短いクラブでレイアップするのではなく、しっかりドライバーで打って、バンカーを避けるという選択ができるようになったので、それは嬉しいです。
GG:他にも成長したな、というところはありますか?
中島:2~3月頃はショートゲームが全くダメだったんですけど、芝に慣れてきて、あとはショートサイド(グリーンエッジからピンまでの距離が短いエリア)にしっかり攻められるようになりました。
アプローチでもショートサイドからの方がピンに近いので、飛ばないアプローチをするだけでいい。シンプルになりましたね。
ショットもある程度逃げずにピンを狙えるようになりましたし、前よりもアグレッシブになりました。
日本ではまず安全にいって、遠いところに外した方が簡単、という頭がありましたが、こっちでは、遠いところからの方が難しいですし、そこから逃げ道がないこともあるので、ある程度、ピンを狙いに行った方がラクだな、というのはあります。
予選カットラインがかなり大事なので、攻めながらですけど、スコアをまとめるためにはショートゲームは本当に重要です。
GG:今年一緒に回った選手で、参考になった選手はいますか?
中島:基本的にみんなドライバーで打つ人が多いな、というのはまず最初に感じたことなんですけど、一緒に回っててすごいと思ったのが、ニュージーランドのライアン・フォックス。
彼は賞金王になったこともあったと思いますが、ボギーを打たない選手でかなりうまいですね。
GG:ガレス・ジョーンズ氏が、まだコーチを務めてますか?
中島:今、コーチは誰ですか?と聞かれればガレス・ジョーンズです、と言いますし、何かあればLINEで聞きますが、自分もある程度知識が入っているので、考えられる知識の中でやろうと思います。
今はそこに常駐のコーチは必要ないですね。
でも、決裂したわけではないですよ(笑)。
GG:2025年の目標は?
中島:PGAツアーは世界最高峰の舞台ですけど、DPWTが好きですし、出場選手のレベルも高いので、ここでプレーできることを楽しんで、長年ここで戦い、シードを取り続けることも大事かなと思います。
選手やキャディ、大会関係者の知り合いや仲間が増えてきたのも嬉しいですし、居心地はいいですね。
2024年 中島啓太のDPワールドツアー全成績
ラス·アル·カイマ選手権 | 4位タイ |
バーレーン選手権 | 予選落ち |
コマーシャルバンク·カタールマスターズ | 33位タイ |
SDC選手権 | 予選落ち |
ポルシェ·シンガポールクラシック | 29位タイ |
ヒーロー·インディアンオープン | 優勝 |
ISPS HANDA選手権 | 11位タイ |
全米プロ | 予選落ち |
ヨーロピアンオープン | 6位 |
BMWインターナショナルオープン | 20位タイ |
ジェネシス·スコットランドオープン | 予選落ち |
全英オープン | 予選落ち |
パリ五輪 | 49位タイ |
ベトフレッド·ブリティッシュマスターズ | 33位タイ |
アシオナ・スペインオープン | 予選落ち |
ジェネシス選手権 | 27位タイ |
アブダビHSBC選手権 | 13位タイ |
DPワールドツアー選手権 | 7位タイ |
※このインタビューは、2024年11月の「DPワールドツアー選手権」で行なったものです。