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【DPワールドツアー・独占インタビュー】中島啓太「1年目で優勝し最終戦まで残れた自分をしっかり評価していいと思う」

DPワールドツアー2年目を迎える中島啓太。
昨年は、腰痛で1ヶ月試合に出られない時期もあった。

昨年の3月、インドで開催された「ヒーロー・インディアンオープン」で2位と4打差で優勝した中島。©DP World Tour

2023年の国内男子賞金王として、DPワールドツアー出場権を獲得した中島啓太。
2024年をフルに戦い、トップ50の選手だけが集まるエリート大会「DPワールドツアー選手権」にも出場を果たした。そんな彼の1年を、インタビューで振り返ってもらった。

「自分はDPワールドツアーが好き。長年、ここでシードを取り続けることも大事」

トップ50だけが出場できる、最終戦の「DPワールドツアー選手権」で、中島は7位タイに入賞。レース・トゥ・ドバイランキング35位に入った。©Eiko Oizumi
DPワールドツアーメンバーのエリートのみが出場できる「DPワールドツアー選手権」に出場した星野陸也と中島啓太。キャディ、トレーナーらと記念撮影。©Eiko Oizumi
テーラーメイドの新モデル「Qi35」を、早くも練習場で試打していた。©Eiko Oizumi

欧州ツアー1年目で初優勝&総合35位

2023年、JGTO(日本男子ツアー)の賞金王に輝いた中島啓太は、2022年12月に発表された、JGTO賞金ランク上位3人に翌年のDPワールドツアー(以下DPWT)出場資格を付与するという取り決めにより、DPワールドツアー本格参戦を決めた。
彼は、ルーキーイヤーに「ヒーロー ・インディアンオープン」でツアー初優勝を遂げ、トップ50のみが出場できる最終戦「DPワールドツアー選手権」では7位タイに入賞。
優勝すればPGAツアー出場権を獲得できる10位以内に入ることもできたが、それは叶わず。
しかし、ローリー  ・マキロイ、トミー  ・フリートウッドら世界のトッププロたちが大勢出場する中、TOP 10入りを果たす実力を見せた。

ここでは、最終戦の地ドバイで行なった中島のインタビューをお届けする。

本当はあと3~4試合出たかった

ゴルフ・グローバル(以下GG):ルーキーイヤーで初優勝と、トップ50入りを果たしましたが、どんな1年でしたか?

中島:まずは優勝できたのがよかったのと、1年目で最終戦まで残れたのは、しっかり自分を評価していいところかな、と思います。
でもオリンピック後の「ブリティッシュマスターズ」の時に腰を痛めてしまい、そこから1か月くらい、試合に出られない時期がありました。
その時点で今年はもう試合をやめようとか、休もうとか考えたんですけど、地元開催の「日本オープン」もありましたし、それに出て、最後にもう一度気持ちが入ったら、韓国(ジェネシス選手権)とアブダビに出ようかなと思ったので、やめずに試合に出続けてよかった。
でも、2024年は21試合しか出ていなかったので、来年はあと3~4試合増やしたいと思っています。

GG:今、腰の調子は大丈夫?

中島:今はだいぶいいですし、しっかり振れています。

GG:DPWT1年目としては、思っていたよりもうまくいったと思いますか?

中島:厳しかったですね。
予選を通るのも大変ですし、レース・トゥ・ドバイランキング(DPWTのポイントランキング)もなかなか上がらないので、レベルがすごく高いし、大変です。
でも、1年目で最終戦まで来れたのは、しっかり評価していいと思います。
それにしても、久常選手の1年目でトップ10入り→PGAツアーというのは、本当にすごいことですね。
すごいことを彼はやったと思います。自分はよく、DPWT1年目でトップ10入りをして、PGAツアーへ、という話をされますが、そんなに簡単なことではないし、DPWTで長年シードを獲っている川村(昌弘)さんのすごさも感じます。
まずは自分も、ここをベースにしてプレーし続けることも大事かなと思います。

GG:DPWTでプレーすることで得られる経験や磨かれる技術というのは大きいですか?

中島:大きいですね。コースが本当に難しい。
日本はセッティングで難しくしますけど、こっちはもともとコース設計が難しいので、そこの違いはありますね。
ティーショットでみんな意外とアグレッシブにドライバーで攻めているところは自分も真似しています。
ティーショットに対する自信というか、ドライバーの攻めはできるようになりました。

GG:ドライバーで攻める、というのは、今までのゴルフの中で新しいことだったんですね。

中島:そうですね。
バンカーがあるから、短いクラブでレイアップするのではなく、しっかりドライバーで打って、バンカーを避けるという選択ができるようになったので、それは嬉しいです。

GG:他にも成長したな、というところはありますか?

中島:2~3月頃はショートゲームが全くダメだったんですけど、芝に慣れてきて、あとはショートサイド(グリーンエッジからピンまでの距離が短いエリア)にしっかり攻められるようになりました。
アプローチでもショートサイドからの方がピンに近いので、飛ばないアプローチをするだけでいい。シンプルになりましたね。
ショットもある程度逃げずにピンを狙えるようになりましたし、前よりもアグレッシブになりました。
日本ではまず安全にいって、遠いところに外した方が簡単、という頭がありましたが、こっちでは、遠いところからの方が難しいですし、そこから逃げ道がないこともあるので、ある程度、ピンを狙いに行った方がラクだな、というのはあります。
予選カットラインがかなり大事なので、攻めながらですけど、スコアをまとめるためにはショートゲームは本当に重要です。

GG:今年一緒に回った選手で、参考になった選手はいますか?

中島:基本的にみんなドライバーで打つ人が多いな、というのはまず最初に感じたことなんですけど、一緒に回っててすごいと思ったのが、ニュージーランドのライアン・フォックス。
彼は賞金王になったこともあったと思いますが、ボギーを打たない選手でかなりうまいですね。

GG:ガレス・ジョーンズ氏が、まだコーチを務めてますか?

中島:今、コーチは誰ですか?と聞かれればガレス・ジョーンズです、と言いますし、何かあればLINEで聞きますが、自分もある程度知識が入っているので、考えられる知識の中でやろうと思います。
今はそこに常駐のコーチは必要ないですね。
でも、決裂したわけではないですよ(笑)。

GG:2025年の目標は?

中島:PGAツアーは世界最高峰の舞台ですけど、DPWTが好きですし、出場選手のレベルも高いので、ここでプレーできることを楽しんで、長年ここで戦い、シードを取り続けることも大事かなと思います。
選手やキャディ、大会関係者の知り合いや仲間が増えてきたのも嬉しいですし、居心地はいいですね。

2024年 中島啓太のDPワールドツアー全成績

ラス·アル·カイマ選手権4位タイ
バーレーン選手権予選落ち
コマーシャルバンク·カタールマスターズ33位タイ
SDC選手権予選落ち
ポルシェ·シンガポールクラシック29位タイ
ヒーロー·インディアンオープン優勝
ISPS HANDA選手権11位タイ
全米プロ予選落ち
ヨーロピアンオープン6位
BMWインターナショナルオープン20位タイ
ジェネシス·スコットランドオープン予選落ち
全英オープン予選落ち
パリ五輪49位タイ
ベトフレッド·ブリティッシュマスターズ33位タイ
アシオナ・スペインオープン予選落ち
ジェネシス選手権27位タイ
アブダビHSBC選手権13位タイ
DPワールドツアー選手権7位タイ

※このインタビューは、2024年11月の「DPワールドツアー選手権」で行なったものです。

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